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8141第二十二話−再び潜入−4/16 0:18:372202cfflaWz7oZhNA
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第二十二話−再び潜入−

4/16 0:18:502202cfflaWz7oZhNA||28
暗い空の下で、オレ等は立ち止まった。
『いよいよですね。』
アザレルが塔を見上げながら言った。
前よりも塔が大きい・・・
塔の周りには、例の魔物−
ドラゴンを思わせる顔の、巨大な魔物が見張っていた。

4/16 0:19:82202cfflaWz7oZhNA||512
『どうやって入る?』
オレは二人に聞いた。前の様には人がいない。
『スーッと入っていくのは無理ですかね。』
アザレルが真顔で言ってきた。
オレは思わず笑いそうになったが、
その前に
『無理だな。』
と、ローウェンに言い返されてしまった。
ローウェンは下を見つめ難しい顔をして考える。

4/16 0:19:342202cfflaWz7oZhNA||468
『オレの羽根を飛ばせば・・・』
と、オレがやっと考え付いた案を出した。
しかし、ローウェンにすぐ
『どこから飛んだかバレたら、終わりだろ?』
ローウェンに顔も上げずに言い返された。
『飛べばいいだろ?』
と、オレはわざと大袈裟に翼を羽ばたかせた。

4/16 0:19:542202cfflaWz7oZhNA||96
それを見て、やっと顔を上げ、
ローウェンも頷く。
オレは翼を羽ばたき、飛ぶ準備をした。
『信念と−』
ローウェンが直前に声をかけてきたが、
続きは聞こえない。

4/16 0:20:82202cfflaWz7oZhNA||738
充分飛び上がり、
ローウェン達から離れると、
ターゲットの岩を決めた。
『頼むぞ・・・』
オレはそっと呟き、翼を羽ばたき始めた。
順々に、羽根が抜け、岩に向かって飛んでいく。

4/16 0:20:302202cfflaWz7oZhNA||403
”ドーン!!”
なんとかターゲットの岩に命中!
しかし凄い威力だ。前よりも強くなっている気が−
魔物たちは一斉に、音の方向を見る。
オレは”いまだ!”とローウェン達に合図する。
ローウェンは頷くと、アザレルをひっぱり、
猛スピードで塔へ向かった。

4/16 0:21:392202cfflaWz7oZhNA||492
砂埃が消えないうちに、
オレも急降下して、入り口に入る−・・・
−−−−−−−−−−−−−−−
中は前と同じだ。
ただ”棺桶”の数が減っている・・・
『暗いですね。』
アザレルが目をしかめながら、言ってきた。

棺桶も少ないし、場所も覚えていたから、
階段はすぐ見つけられた。
二、三、四、五・・・
『何故魔物がいないのでしょう・・・』
アザレルが部屋を見回して呟いた。

4/16 0:22:442202cfflaWz7oZhNA||979
六階・・・
真っ赤な血が、所々に染み付いている。
壁も大きな爪あとなどが残っている・・・
『仲間割れ・・・?』
アザレルが階段で、唖然としながら呟いた。
『いや・・・同一人物−いや同一魔物といった方がいいかな?』
ローウェンは攻撃の跡を見ながら呟いた。

4/16 0:23:242202cfflaWz7oZhNA||65
七、八、九−
『酷い・・・』
アザレルが部屋から目をそむける。
九階では、まだ血のいおいがする・・・
しかも、部屋全てが真っ赤に染まっている。
『ジェイン・・・上にいるのは、お前の仲間を散々殺した奴だ・・・
お前は奴と戦うざるおえない運命にあるのだろう。』
ローウェンが次の階段を見ながら言ってくる。
『あぁ。』
オレは一言返事を返した。

4/16 0:23:592202cfflaWz7oZhNA||932
”グォォォォォォ!!”
魔物が声を上げる。
なぜか分かる。あの時−最初の潜入のとき−
入り口で、仲間を沢山殺した奴だ。
顔はドラゴン。
目は赤・・・
だが、あの時より体系がおぞましくなっている。

4/16 0:24:542202cfflaWz7oZhNA||932
手は四本。下半身は馬。
伝説の生き物、ケンタウロスの様な格好をしている。
武器はカギヅメだ。
オレ達を見つけると、
左からローウェン・オレ・アザレルの順番で睨みつけてきた。
そして全員見終えると、今度はオレを見て笑う。
”今度こそ、仲間の元に送ってあげますよ。”
と言っているようだ。

4/16 0:25:472202cfflaWz7oZhNA||651
オレは余裕をこいている化け物に、
わざと大袈裟に翼を出して、羽ばたかせた。
魔物の笑いがかき消される。
魔物は、宙に浮いているオレを睨みつけてきた。
すると魔物は、指で四角形を作り、その中にオレを入れた。
(画家が、物を書くとき、指で四角形を作り、その中に物を入れるみたいに。)

4/16 0:26:82202cfflaWz7oZhNA||312
すると、突然回りの空間がゆがむ。
オレは急いで下へ回避する。
危機一髪!さっきの場所はいきなり爆発した。
魔物は、オレを見ると大笑いをしている。
恐らく、魔術も使えるのだろう・・・

アザレルが、隙を狙って矢を撃った!
目に見えないスピードで矢が飛ぶ。
”ズッ・・・”
矢は刺さったが、何の反応を見られない・・・

4/16 0:26:372202cfflaWz7oZhNA||4
魔物は今度は両手についたカギヅメを、自慢げに見せた。
そして、横に思いっきり振る。
”ズガガガガガ!!”
壁が粉々に砕ける。
”どうだ”と言わんばかりの表情だ。

しかし、本当に凄い威力だ・・・
ニタリと笑うと、カギヅメを構えて上下左右滅茶苦茶に振る。
”ガガガガガ!!”
周りの壁がドンドン崩れていく。
(だが、塔は崩れない・・・)
レドルの所まで行けずに、ここで負けてしまうのだろうか・・・

4/16 0:27:222202cfflaWz7oZhNA||430
それはならない!
負けられない絶対に!
『ちぃ!こんな、わけの分からない生物に負けてたまるか!!』
ローウェンが魔物を見上げながら叫ぶ。
『僕はレドルを倒しにきたんだ・・!この魔物に負ける為にきたわけじゃない!!』
アザレルも叫んだ。
二人ともオレと同じ気持ち・・思いなのだ!

『おおぉぉぉ!!』
アザレルが叫びながら矢を無数に放つ。
音を立てながら、魔物にズサズサと刺さっていく。
しかし、反応は無い・・・
と思っていたら、
”グゥ!?”
魔物自身も何故痛いのかがわからないのだろう。
不思議そうに、しかし痛みに苦しみながら吠えた。

4/16 0:29:132202cfflaWz7oZhNA||668
『な!?』
皆、ほぼ同時に叫んだ。
いままでビクともしなかった魔物が苦しんでいるのだ。
今魔物は、腰辺りを掴み、苦しみ、喘いでいる。
ということは、そこが弱点なのだろう。
魔物が痛みに耐えながら立ち上がった。
弱点を悟られては、笑っても居られない。

魔物の顔から笑みが消えた。
オレをギロリと睨みつけると、両手のカギヅメを構えた。
横でローウェン達も構えている。
オレは、”こいつは、オレが。”と身振り手振りで、ローウェン達に伝えた。
すると、二人は、壁があった所まで下がり、オレを見てきた。
オレは、微笑み、二人に頷いた。

4/16 0:30:452202cfflaWz7oZhNA||995
オレが前を向くと、まだ魔物も構えていた。
最後は正々堂々やるらしい。
オレも魔物の方を見て、すぐに動ける体制に入った。
暫く間が空く・・・
そして、ついに魔物が腕を振り上げ突っこんできた。
オレも翼を羽ばたかせる。
目指すは、上半身と下半身を繋げている−・・・腰だ!!

『いっけぇぇぇ!!!』
オレは一気に羽根を飛ばした。
だんだんオレの意思で使えるようになってきた。
羽根が魔物の体のあちこちに刺さる。
魔物はそれでも突進してくる。
オレの前で一瞬止まると、大きく構えた腕を振り下ろす−・・・

”ドーン!!!”

体に力が入らない・・・
目の前で魔物が倒れるのが、目に映った。

4/16 0:31:72202cfflaWz7oZhNA||795
第二十三話へ・・・

4/16 0:37:92202cfflaWz7oZhNA||514
こんばんわ。
今回の二十二話では、レドルの塔へ到着しました。
この物語の始まりは、レドルの塔。
ならば、終わるのも、レドルの塔です。
そして塔を上っていると、以前仲間を大勢殺した、あの魔物に出会いました。
前回、予告したとおり、相手はパワーアップしていました。
しかし、ジェイン達の思いには、その力すらも通じませんでした。

思いの強さで魔物を倒した、ジェイン達。
その強さでレドルすらも倒せるのでしょうか。
次回、いよいよ最終決戦が幕を開けます。次回も是非見てくださいね。

また、今回見て頂いた方は、感想を残していって頂けると有り難いです。

ホルマリン漬け4/16 21:18:351988cfgr2C.xCBdFU||576
面白いです
才能あります(天

あとずっと尊敬してますので^^

4/17 0:3:242202cfflaWz7oZhNA||80
こんばんわ。
お褒めの言葉、ありがとうございます。
次回も是非、ご覧ください。

アリアンナ4/19 22:12:62184cfxJN5A.U.D7k||210
こんにちは、久し振りに書かせていただきます

もう少しで終わると思うと寂しいです
羽根を飛ばすって、面白いですね

あと、ちょっと気になったのですが、
>お前は奴と戦うざるおえない運命にあるのだろう

戦「わ」ざる「を」えない
じゃないでしょうか?

続き楽しみにしています〜

4/21 18:43:432202cfflaWz7oZhNA||823
こんばんわ。
お久しぶりです。

あと三話・・・エピローグを入れて四話です。

羽根は単純に思い付きです。

ミス指摘ありがとうございます。
確かにそうですね。”を”はどうなのかわかりませんが・・・

では次回も是非ご覧ください。


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