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8163第二十三話−最終決戦・前編−4/21 19:21:542202cfflaWz7oZhNA
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第二十一話−塔への道で−     http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8117.html
第二十二話−再び潜入−     http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8141.html

第二十三話−最終決戦・前編−

4/21 19:22:132202cfflaWz7oZhNA||469
『ギリギリセーフだな・・・』
ローウェンがオレの服を掴み、上手く着地する。
『ありがとよ・・・痛・・・』
苦しいが、なんとか返事を返せた。
ローウェンは着地すると、オレを下ろした。
『勝ちましたね・・・なんとか・・・』
アザレルが、倒れている魔物を見ながら言った。

4/21 19:22:582202cfflaWz7oZhNA||265
魔物は上半身と下半身が今にも、きれそうだ・・・
かろうじて息があるが、もう戦えないだろう。
魔物は息をゼーゼーと吐いて、此方を見てきた。
何の思いもこもっていない。
ただ、茫然と見てきているという感じだ。
そして、魔物は息絶えた・・・

4/21 19:24:252202cfflaWz7oZhNA||250
仲間の仇はとれた。
一つ、荷物が無くなったような気がする・・・
けれど、軽くはならない・・・
−−−−−−−−−−
魔物が灰になっていく。
その灰は風に乗り、どんどんと飛んでいく・・・
その中に何かがキラリと光った。

4/21 19:24:402202cfflaWz7oZhNA||402
『なんでしょうね?』
アザレルも気がつき呟いた。
『簡単に油断するなよ・・・罠かもしれん。』
ローウェンが光るものを睨みながら言った。
灰が飛ぶにつれて、光る物の正体がわかってきた。
鍵だ・・・!
『ここまでの間に鍵がかかった扉なんかあったか?』
オレは見落としているといけないので、二人に聞いた。
しかし、二人とも首を横に振る。

4/21 19:25:172202cfflaWz7oZhNA||251
『とにかく・・此処には扉は−』
と言いながらローウェンが、うしろを向くと、
同時に声も途切れた。
オレも後ろを振り返ると驚いてしまった。
階段が無くなっていたのだ!
『ちっ!出られんぞ!?』
ローウェンが唖然とし、言った。
そして、再び振り向くと、黙った。

4/21 19:25:342202cfflaWz7oZhNA||581
『今度はなんだ!?』
オレも階段あった場所と反対の方を見た。
飛んでいったと思っていた灰が、階段になっている。
階段は、壊れた壁から突き出て、そのまま上へ繋がっている。
『あの魔物から逃げていたら、上へ上がれないということか・・・』
ローウェンが上を見ながら呟いた。

灰は乗っても崩れない。
恐らく魔力が込められているのだろう。
階段を上れば上るほど、空が暗くなっていく。
月は無い。紫がかかった雲に、空一面が覆われている。

4/21 19:26:72202cfflaWz7oZhNA||1000
・・・・いよいよ屋上だ。
再び、此処へあがるときが、今来た。
オレは後ろの二人の方を振り向き、頷いた。
二人もうなずく。いよいよ最終決戦だ!

4/21 19:26:412202cfflaWz7oZhNA||158
最後の一段を上った。
屋上はやはり、屋根が無い。
そして一番奥に、貴族のような格好をしている、堕天使が居る。
堕天使レドルは、ペンダントか何かを見ている。
レドルを見ていると、空は完全に黒になり、雷が鳴り出した。
『来たか・・・・』
レドルは此方の方を向く。
翼は、天使の翼が黒くなったのではなく、コウモリのような翼になっている。
そして、目は赤く染まっている。

4/21 19:27:422202cfflaWz7oZhNA||372
『魔界から出てこれたことは褒めてやろう。
しかし、我はこの世界のどんな魔物より強い。
どんな”神の一族”より強い。
つまり、お前より強いのだ。
いくら覚醒しようとも、もう遅い。』

レドルはニヤリと笑うと、翼を羽ばたかせた。
すると、翼のあちこちに黒い弾が出てきた。
『ここで、許しを求めても、これまた時遅しだ。』
レドルはそう呟くと、黒い弾を一気に飛ばしてきた。
それに反応して、オレも翼を出して翼を盾にし、二人を入れた。
”ガカガガガガ”

4/21 19:28:112202cfflaWz7oZhNA||569
『痛っ!』
とてつもなく痛い・・・
しかし負けるわけにはいかない・・
『ふんむ・・・ある程度は使えているか・・・
では、これはできるか!?』
レドルは黒い弾を出し続けながら、両手のて掌を合わせた。
少しすると掌が黒い輝きに包まれる。
そして、一気に両手を横に開いた。
すると、中から、剣が出てきた。

4/21 19:28:442202cfflaWz7oZhNA||462
鍔から翼らしき物が出ている。
レドルは弾の攻撃をやめ、
やめたスキを作らずに突っこんできた。
オレは少し浮き上がり、翼を羽ばたかせる。
が、間に合わない。
レドルの剣の方が早い−・・・・

”カキン!”
目の前で剣と剣がぶつかった音がした。
『死にぞこないが・・・!』
レドルが悔しそうに呟く。
『ジェイン!オレ達を忘れるな!一人で突っ走るんじゃない!』
目の前で、攻撃を防いでいるローウェンが叫んだ。
その通りだ。オレには仲間がいる!
オレは少し笑ってうなずいた。

4/21 19:29:82202cfflaWz7oZhNA||573
『上級魔物ローウェン。自惚れるなよ?
貴様如きにやられる我ではない。』
レドルが再びニヤリとした。
同時に、剣が黒く輝き始めた。
『ローウェン!!』
オレはおもいっきり叫んだが、遅かった。
”ドーン!!”
剣が爆発する。

4/21 19:29:352202cfflaWz7oZhNA||653
オレは爆発と同時に翼で盾を作り、アザレルを入れた。
ローウェンが遠くへ吹っ飛んだ。
『ふん。』
レドルは翼で煙を消すと、此方へ向かってきた。
全くの無傷・・・
オレはアザレルを掴み、後ろへ下がる。
その時−
『このままでは勝ち目がありません・・・
僕が矢で奴の動きを封じます。
その隙に、ありったけの羽根を飛ばしてください!』
アザレルがオレに耳打ちをした。

4/21 19:30:352202cfflaWz7oZhNA||208
『大丈夫なのか・・・?』
心配だ・・・けれど、心配していても何も始まらない。
『大丈夫だよな。信じるよ!』
アザレルが答える前に、オレが自分で答えを返した。
オレはアザレルを放し、高く浮き上がった。
『ククク・・・お前が囮になって奴が逃げるのか?』
レドルが剣を横に振る。
すると、剣の先に黒い球が出てきた。

『させんよ。』
レドルが黒い弾をオレにむけてきた。
アザレルがレドルに矢を放つ・・・・
”ドキューン!”
アザレルの矢のおかげで、レドルはかすかに外した。
が、凄い威力だ・・・
レーザーの様な攻撃で、物凄い早いスピードだ。
まともに撃ってきたらかわせないかも・・・

4/21 19:30:492202cfflaWz7oZhNA||429

そんな事を考えていては駄目だ!
今は羽根を・・・

4/21 19:31:552202cfflaWz7oZhNA||20
レドルは、今度はアザレルを攻撃し始めた。
アザレルは矢を利用しながらうまく避けている。

・・・・よし・・もう飛ばせる!
『アザレル!!』
オレは叫んで合図した。
アザレルはコクリと頷きレドルから離れる。

『おらぁぁぁ!!』
オレの叫び声に気づき、レドルが此方を見た。
レドルは悪態をつき、かわそうとしているが、無駄だ。
オレは出来る限りの羽根を飛ばし続けた。
そして、羽根がレドルに刺さる−・・・・
”ドドドドドドドドド!!”
砂埃がたつ・・・・
勝ったのか・・・・!?

4/21 19:32:182202cfflaWz7oZhNA||943
砂埃の中で、何かが黒く光る・・・
同時に何かが飛んできた。
”ズキュウ!”
物凄いスピードだ。
肩に当たった−
『痛っ!』
激痛が走る・・・
『貴様はそこで大人しくしておれ。』
レドルの声が聞こえた。

やはり殺せなかったか−・・・
オレは動けない・・
ローウェンは生きてるかもわからない・・
残るは−・・・
『アザレル!逃げろ!』
アザレルも何処にいるかわからないが、
生きている筈だ。

4/21 19:32:492202cfflaWz7oZhNA||284
しかし、レドルに見つかってしまっては・・・
考えている間に声がした。
『雑魚から殺す。常識だ。』
レドルが恐ろしい声で話す。
前にはアザレルがいるのだろう・・
くそっ砂埃が邪魔だ!
向こうの方で、矢が放たれる。
そして斬られる。

4/21 19:33:142202cfflaWz7oZhNA||893
『さっさと逝け。』
鈍く黒く光る刃が、振られている。
間に合うだろうか・・・
この痛みでは・・・
ふと、ウェイルが死んだ時の光景が、脳裏を横切る。
違う。間に合うだろうか・・・ではない。
間に合わせるんだ!
オレは痛みを堪えながら、猛スピードで飛んだ。

4/21 19:33:512202cfflaWz7oZhNA||743
しかし、あの剣は恐ろしい破壊力だ。
羽根もあれで防がれたんだろう・・・
となると、翼で剣を防いでも、一瞬で砕け散るだろう。
対抗する手は無い・・・
では勝てない・・・
しかし、諦めるものか。
諦めるのは死んでからだ!

ようやく影が見えてきた。
アザレルが必死でかわしている。
レドルは余裕の素振りで、剣を振るっている。
アザレルはもうヘトヘトだろう。
このまま飛んでいては無理だ。
そこで、オレはここで再び翼を羽ばたかせる。
少数でも飛べばいい。攻撃を中断させる。

4/21 19:34:282202cfflaWz7oZhNA||257
”ズザザザザ!”
五、六発がレドルに向かっていく。
レドルが此方の殺気に気づき、羽根を振り落とそうと身構える−・・・
今だ!
オレは猛スピードでレドルに体当たりをしかけた。
流石にこれは予想外だったみたいだ。
羽根を防ぐのでやっとで、バタリと倒れてしまった。
『アザレル逃げろ!』
これじゃ、ひっくり返っても勝てない・・・
『ちっ!・・・よくやった。
たしかに、一時的に攻撃は停止された。
しかし・・・これは防げんのだろ?』

4/21 19:36:392202cfflaWz7oZhNA||533
ルアドがオレに剣を向けてきた。
そうだ。オレには防げない・・・
これで・・・終わりか・・・
勝てなかった・・・レドルは強い。
しかし、少しだけでも、侵略の進行を止められたのなら嬉しい。
きっと、この後も誰かレドルに戦いに来る筈だ。
そう願いたい−・・・



4/21 19:37:232202cfflaWz7oZhNA||376
”ズサッ・・”
何かがレドルの腕に刺さった。
『っ・・・何だ!?』
レドルが何かが飛んできた方向を睨みつけた。
その先には、震えながら立っている、アザレルがいた。

『駄目だ!逃げるんだ!』
オレは思いっきり叫んだ。
頼む、良く考えてくれ・・・!
『ぼ・・・・僕は、コイツを倒す為に・・・・
倒す為に来たんだ!』
アザレルが小さく叫んだ。
小さかったが、大きい思いだ。

4/21 19:38:32202cfflaWz7oZhNA||754
これを忘れていた・・・
そうだ・・・
倒しに来たんだ・・・
たとえ死んでも−・・・
『ほぉほぉ。倒しに。”負けに”の間違いでは?』
レドルが早口で答えると、今度はアザレルにビームを発射した。
アザレルは、まさかすぐ来るとは思っておらず、
構えていなかった。

”ズキュン!”
レーザーが素早くアザレルに向かう。
アザレルはこのままでは・・・
死なせない!もう誰も!
その時、オレの心で何かが変わった。
倒すだけじゃ駄目だ!
守らないと駄目なんだ!

4/21 19:38:242202cfflaWz7oZhNA||745
『おおおお!!』
頼む!何か・・・何か出てくれ!
オレは、思いっきり叫んだ。
”ズッ・・・”
レーザーが当たった音だ。
オレは思わず目をつむった・・・
駄目だった・・・

4/21 19:38:452202cfflaWz7oZhNA||382
・・・どうしたんだ?
オレはゆっくり目を開いた。
まず飛び込んだのは、レドルの驚いた顔。
その視線の方をみると・・・
剣だ。剣が出ている!
その剣を持っているのは−・・・

4/21 19:39:332202cfflaWz7oZhNA||58
オレだ!!
『・・・ジェインよ。
やはり、貴様を殺さんことには始まらないようだな。』
レドルはゆっくりと立ち上がった。
そこに、アザレルが矢を放とうとする。
『待て。・・・やはり、こいつとは決着が残ってる。
任せてくれないか?』
オレはアザレルを制止させ、頼んだ。

『僕も、レドルには色々やられた。
この思いは消えません。きっと、ローウェンさんもそうだった筈。
だから、僕等の分まで戦ってください!』
アザレルが最後に少し微笑んだ。

4/21 19:40:152202cfflaWz7oZhNA||698
『あぁ。その通りだ。私の思いも消えない。
こ奴の非道のやり方は気に喰わない。
私の分も、ちゃんと頼むぞ。』
砂埃の向こうから、声が聞こえた。
『ローウェン!』
オレは思わず叫び、走りよろうとしたが、
『友との再会はあの世でやれ。』
とレドルに止められた。

4/21 19:41:32202cfflaWz7oZhNA||359
オレは、ザッと向き直った。
と、同時に翼を羽ばたかせた。
最終決戦、第二幕が始まる−!

第二十四話へ・・・

4/21 19:47:382202cfflaWz7oZhNA||69
大分長くなりました。
もしも、ここまで読んで頂けたのなら、ただただ感謝です。
一気にここまで飛ばして来た・・ってのは無しですよ?

仲間を救って、仲間に救われ、此処まで来たジェイン達。
そして、救って助けて、の要領で、第一幕は切り抜けられました。

ここに、前編と書いたと言う事は、次回は後編・・・・
つまり・・・長きに渡る、レドルとの戦いに・・・
ついに決着!!
是非、次回もご覧ください。
また、今回、読んで頂けた方は、是非感想を残していってください。

龍希4/22 11:10:362111cfQpFw41UoZX.||401
いきなり23話読みました(ォィ
とてもおもしれおいです

キロ4/22 15:5:232192cf2/nXooVa7X2||252
19話から読みました。(影で)
面白いです。

4/22 21:30:242202cfflaWz7oZhNA||145
龍希様
こんばんわ。
行き成り読んで頂き有難うございます。
もしも暇なら、一話から是非読んでくださいね。

キロ様
こんばんわ。
十九話から・・・というと、ルアドと対決してる頃ですかね・・・
読んで頂きありがとうございます。
キロ様も時間がありましたら、是非一話から読んでくださいね。

お二人様、是非次回も見てくださいね。


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