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8209真夜中のスクールメイト―第14話―空華4/29 16:32:42031cfugNPyUOK282
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空華4/29 16:34:502031cfugNPyUOK282||588
「……もしもし」

響は呟く。
裏山へと行った翌日、放課後の教室。
晴陽は机に突っ伏すようにして、完全に眠っていた。
先ほどまでは彼女のクラスメイトがいたのだが、響と入れ違いに帰った。
熟睡している晴陽を見て、響は溜め息をつく。

「しかたないけどさ……俺も疲れたよ」

あのまま帰路につき、結局寝たのは今日になってから。
2日連続、部活をサボってしまった……などと考えながら、響は窓の外に目をやる。
春の日は長く、空はまだ明るい。
しかし時計へと目を向ければ、もうすぐ6時になることが分かった。
晴陽の前にある席、逆向きにそこに座って、響は宙を見る。することもなく、ぼんやりと。
そのとき。

空華4/29 16:35:202031cfugNPyUOK282||994


「―――人間」
「……!」

唐突に背後から声をかけられて、響は上半身を捻って振り返る。
声は昨夜何度か聞いたもの、見れば案の定、そこに立っていたのはラドだった。
それでも、驚きは膨らむ。
何も言えずに見上げる響の前で、ラドは僅か笑う。

「名前、なんだっけ?」

そう問われても、響は答えを返せない。
軽く瞬いて、やや引き気味に。無理も無い、昨日の今日なのだから。

昨夜と比べると、幾分荒れた様子は無くなっていた。
髪はまだ長いものの、長さを揃えられている。
纏う服も綺麗、浮かべる表情からはやや冷たさが抜けて、一瞬ラドとは分からなかった程に。

空華4/29 16:40:02031cfugNPyUOK282||742
それでも、警戒心が全て無くなるわけでは無い。
ラドが軽く肩を竦める。

「別に、いいけどさ。少し話しに来ただけだから。
本当は、そっちの人間にも起きていてほしかったんだけどね」

そっちの、と目で示された晴陽は、当たり前だが気づくこと無く眠っている。
一度彼女に目を向けた響は、困惑気味にラドに目を戻す。
昨日の彼とは、だいぶ雰囲気が違う。
穏やかというべきか、柔らかくなったと言うべきか。

「投げやりになるくらいなら、最初からやらなければ良かった=v

聞いた言葉を暗唱するような口調で、ラドが言う。
その言葉に感じた聞き覚えは、すぐに記憶と繋がった。
たしか、晴陽が激昂して言った言葉だ。」

空華4/29 16:40:442031cfugNPyUOK282||414
「……その通りだよ。自分でも結局、何がしたかったのかわからない。
いや……抗いたかったんだよ、王家にね。自分を取り戻したくて、どこか壊れたかな」

彼は、自嘲するように笑う。
そんな訳で、と口の中で呟き、ふと真面目な表情になった。

「もう、害するつもりは無い。
だからと言って弟や妹に言われるまま、っていうのもまだ嫌だしね。
出頭してくるよ、魔界王……父のところにさ。どうなるかは分からないけど。
……もう一度聞くよ、もう会わないかもしれないけどね。名前は?」
「………響。彼女は晴陽」

淡々と語るのを聞いていた響は、ようやく口を開き言った。

空華4/29 16:41:52031cfugNPyUOK282||158
うん、とラドが頷く。
そして、その顔に笑顔を浮かべた。
ジーンやエリスが浮かべるような、どこか暖かい笑顔。
そう言う表情をすれば、髪や瞳の色も手伝って、彼らが兄弟だと分かる。

「じゃあ、晴陽にも伝えておいてくれるかな。さよなら、響」

響、とまで言い彼は姿を消した。
来たときと同じように、かなり唐突に。
残された静寂の中で、響は晴陽へと目を向ける。
うー、などと呟きながら、彼女は身動きしていた。

「晴陽?」
「あれ……ひびきー……?」

空華4/29 16:42:22031cfugNPyUOK282||313
名前を呼ぶと、眠たげな顔を上げて首を傾げた。
響はそのぼやっとした顔を見、時計へと目を向ける。
6時を過ぎて、もうすぐ20分になる。
あとしばらくしたら、またジーン達は来るのだろうか。
そんなことを思いながら、響は晴陽へ目を戻す。

「おはよ」
「響がなんで……都は……?」

帰ったクラスメートのことを尋ねるので、もう帰った、とだけ言う。
そうしながら、先ほどのことをどう言うか、考えていた。

空華4/29 16:45:62031cfugNPyUOK282||667
+後書き+

響を目立たせてみました。
あのままだと、なんだか可哀想だったので。
魔界キャラが出ていないのは、これまでだいぶ目立ったからです(笑)

元は、ジーン達が2−Gに行ったらラドが居た、みたいなのも考えたんですけど……そしたらもう、誰が主人公なんだか分からなくなるので。
一応晴陽が主人公、響が準主人公ってつもりなんですよ。

次回がエピローグです。
読んでいただき、有難うございました^^

フィリス4/29 17:15:592202cfJBGvCji2d4w||55
プロローグ読ませていただきました!
7不思議は怖いですΣ( ̄□ ̄;)
なんか背筋がぞくぞくしてました。
これから続き読んで行こうと思います!
頑張ってください!

キーア4/29 17:16:402191cf/cZWdmfTKcw||233
こんにちは。お久しぶりです*^^*
 読んでいなかった所(8話ぐらい)から読み返してきました(´ー`A;)
いつの間にか裏山までおりて、戻ってきていましたね〜。
 ラドも帰ってしまい・・・
次回ついにエピローグをむかえるのですか・・・。
なんだか寂しいデス。

次回も見ますね^^

空華5/4 12:52:232031cfugNPyUOK282||594
お返事が大幅に遅れて、申し訳ないです;
今からエピローグも書く予定なのです。

>フィリス様
感想ありがとうございます^^
七不思議、この後も使いたいんですよね。
このキャラ達も、せっかく考えたというか、濃いので(謎
読んでいただき、有難うございますv
今後も宜しくお願いします^^

>キーア様
読み返しお疲れ様です(深々)
次回でエピローグなのですが、続編というか、今度は魔界側から書きたいです。
番外編とか、いろいろ考えていますので。
みんなでピクニックとか……(ぇ
感想有難うございます、頑張ります!


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