8242 | 真夜中のスクールメイト―エピローグ― | 空華 | 5/4 12:53:49 | 2031cfugNPyUOK282 |
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空華 | 5/4 12:57:25 | 2031cfugNPyUOK282||260 | ||
晴天の日、暖かな陽光の降り注いだ……その夜。 空に月が輝き始めた頃合。 「なんで……なんでせっかくの休日に、しかも夜に俺は学校に行ってるんだ……?」 「夜道は危ないから」 「じゃあ行かなきゃ、以下略」 「だって、気になるじゃない……山では雰囲気重苦しかったでしょう? んで昨日、ラドさん来たんでしょ?ひょっとしたらほら、ジーンとか、どうなったか知ってるかもしれないじゃない?」 言わずと知れた、晴陽と響の会話。 ついでに言えば、何故か晴陽はラドに敬称をつけている。 行き先は……通いなれた、櫻斗高等学校2−Gの教室。 |
空華 | 5/4 12:57:48 | 2031cfugNPyUOK282||553 | ||
夜の校舎へと入り、階段を上がり、廊下を歩く。 すでに諦めた響が何も言わないため、会話は少ない。 行く先の教室から漏れ出す明かりも、慣れたものだ。 晴陽は迷わず、教室のドアを1度ノックして、開く。 「あ」 そして、呟く。 真っ先に彼女の目に入ったのは、教壇に立ちあさっての方を向いている青年の姿だった。 表情は分からないが、世にも不機嫌なオーラが漂っている。 長く伸びた金髪といい、ラドと見て良さそうだった。 |
空華 | 5/4 13:3:14 | 2031cfugNPyUOK282||284 | ||
それを、やや困ったような表情で見ているジーンやエリス。 なだめようとするかのように、ラドの横に立つティフ。 所在なげに座っているメア、それを眺める千冬。 こちらを向いた彼らに、とりあえず晴陽は笑った。 「えーと……何がどうなっているの?」 曖昧に首をかしげて問う晴陽に、代表してジーンが答える。 「オレやエリスやティフが、親に『減刑』頼んだら、通っちゃってさ。 そしたら、ラドがすっごい不機嫌になって……困ってる」 口元にかわいた笑みを浮かべるジーンを、ラドが横目に見やる。 組んだ腕といい、冷えた目線といい、一見してまた荒れたのかと思うほどに不機嫌だ。 |
空華 | 5/4 13:12:21 | 2031cfugNPyUOK282||279 | ||
「……余計なこと、してほしくなかったんだけどね。 俺の、せめてもの反抗をさ……随分簡単に、無にしてくれたじゃないか?」 つめよるかのように、ラドがジーンの前に立つ。 いや、事実そうしている。放っておけば、掴みかかりそうだ。 場をとりなすように、エリスやティフが口を開く。 「えっとー……そだ、そういえばさ、晴陽や響、どうしてここに来たの?」 「夜遅くは、危なくは無いですか?」 「危ないから、俺が連れてこられて……」 「えっとね!あの後どうなったのかと、そう思って」 響のぐちを遮りつつ、晴陽は素早く皆を見回す。 見たところ、初期の妙に明るい雰囲気は回復している。 |
空華 | 5/4 13:12:48 | 2031cfugNPyUOK282||995 | ||
「見た通りでいいと思いますよ、晴陽さま。 ラドさまのご様子も、気にされていたのでしょう?」 にこやかに、メアが言う。うん、と晴陽は頷いた。 いつのまにかラドはジーンから離れて、乱暴な足取りで教壇に向かっている。 「お兄ちゃん、先生やってくれるのー?」 無邪気といっていい笑顔で、エリスが言う。 それを忌々しげに見やって、ラドが呟いた。 「一応命令だしね……」 「知識はありそうだから、いいんじゃないかしら」 |
空華 | 5/4 13:30:28 | 2031cfugNPyUOK282||302 | ||
ぽつりと零した千冬の台詞。 ラドは少しだけ驚いた風に彼女を見て、やがて溜め息を零す。 ジーン、エリス、ティフ、メア……皆が、何が楽しいのか笑顔を浮かべる。 やがて雑談になっていくその場の会話を、晴陽は自分も参加しつつ聞いていた。 にぎやかかつ、不思議と明るい教室の中。 晴陽は知らず知らずのうちに、笑っている。 響は、仕方なさそうな呆れたような表情をしながらも、口元でわずかに笑んでいる。 ―――彼ら全てが、『スクールメイト』 |
空華 | 5/4 13:35:25 | 2031cfugNPyUOK282||808 | ||
+後書き+ 終わりました! 今作は、プロローグとエピローグを含めて全16話でした。 これまで読んで下さった方、本当に有難うございました! ラストは、明るさを復活させてみました。 キャラクターがそれなりに気に入っているので、また使おうと思っています。 間に短編や番外編とか挟みつつ、話を考えてから書きます。 番外編は…… 「千冬の華麗な(?)1日」 「ジーン・エリスとメアのなれそめ」 「皆でどっかにピクニック」 「ティフの外見の秘密」 見たいなのを考えているのですけれど。 読んで頂けて、本当に嬉しいです^^ |
キーア | 5/5 18:45:58 | 2191cf/cZWdmfTKcw||746 | ||
ついにエピローグも終わってしまいましたね・・・。 かなり寂しくなりますよ;; でも、まだ短編・番外編となって晴陽や響・ジーン・・・達と会えるのですから。 寂しさは少しふっとびますよv 短編は勿論、また連載系があるのかな?? これからも空華様の小説を読ませていただきますよv |
空華 | 5/7 13:25:51 | 2031cfugNPyUOK282||725 | ||
>キーア様 感想有難うございます^^ 次回作でも彼らを使おうかな?と思っています。 なんか、気に入ってしまったので。 短編とかでは、違う話も書きますけれどね。 末永く、よろしくお願いします^^ |
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