8274 | ・敵国の計画書・第二話−ベーコン− | 一 | 5/10 19:51:29 | 2202cfflaWz7oZhNA |
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一 | 5/10 19:51:55 | 2202cfflaWz7oZhNA||440 | ||
窓から光が差し込んでくる。 『うっ・・・朝か・・・』 オレはいそいで、服を脱ぎ捨て、シャワールームに入った。 (あの後は、即ベットに倒れこんだ。) 風呂にもかるく入り、少しだが、疲れがとれた気がする。 風呂からでたら、次は飯だ。 戦場に居た時は、風呂にも入れず、飯も毎日同じものばかり・・・ だったから、天国だ。 オレはシャツを着て、即食堂へ行った。 |
一 | 5/10 19:52:53 | 2202cfflaWz7oZhNA||609 | ||
好きな食べ物を皿によそい、テーブルに走る。 フォークを上に上げ、ベーコンを食べようとした、直前に、 前から、”よ”と声が聞こえた。 こういうのは、勘弁して欲しい。今は食べる時間だ。食べさせろ。 前を見たら、ラシャンが皿を片手に持ち、立っていた。 『食事の邪魔をしてすまないな。』 ”すまないな”・・・それだけで済むと思っているのか? この食事の時間を邪魔しといて・・・ |
一 | 5/10 19:53:14 | 2202cfflaWz7oZhNA||577 | ||
『此処良いかな?それとも、彼女と待ち合わせしているか?』 ラシャンが、口元を歪ませて話しかけてきた。 オレはフォークを投げる真似をして、前の席を蹴った。 ラシャンはお辞儀をして、椅子に座った。 いつもながらの、少々荒いギャグだ。 席につくと、ラシャンが紙を広げた。 『まだ、正式発表じゃない。偵察兵のオレ等だけに伝えられた。』 |
一 | 5/10 19:54:1 | 2202cfflaWz7oZhNA||880 | ||
紙には、絵と文字が書いてある。 絵は、悪魔のような絵だ。 『なんだこれ?』 と言った直後、これが何かわかった。 が、オレが口を開く前に、ラシャンに言われてしまった。 『これは、オレ等が盗んだデータフロッピーの内容だ。』 |
一 | 5/10 19:54:44 | 2202cfflaWz7oZhNA||501 | ||
意味は分かる。 右上に、人間が描かれ、周りに沢山文字が書かれている。 そして、左下に、顔は狼、体は熊、手は虎、下半身は蛇、という絵が描かれている。 『ようは−・・・この化け物を作ろうっていう・・・』 ラシャンが一息入れ、呟いた。 『計画書だ。』 しかし、これなら辻褄が合う。 『相手はこれで、攻めてくるのか・・・最近大人しいと思ってたら・・・・ ところで、勝ち目はあるのか?』 オレはフォークを置いて、ため息混じりに聞いた。 |
一 | 5/10 19:55:44 | 2202cfflaWz7oZhNA||910 | ||
『まぁ、これを見つけれただけ、不幸中の幸いだ。もしもこれが見つからなかったら、 ある日突然化け物に襲われることになる。』 ラシャンが、自分で持ってきたパンを齧りながら言った。 一口食べ終えると、オレの質問に答えてくれた。 『勝ち目ー・・・はだな・・今の状態じゃ不可能に近い。』 ラシャンは外の景色を眺めながら呟いた。 暫くながめると、再びパンを食べ始めた。 |
一 | 5/10 19:56:55 | 2202cfflaWz7oZhNA||592 | ||
一見なんでもないように振舞っているが、体が震えている。 あの化け物を恐れているのだ。 当たり前だ。しかし、それを外に出さないラシャンは−・・・ 『ま、今心配しても仕方が無い。今のやるべき事は、腕を磨くことだけだ。 弱点を探るのは、オレ達の役目じゃない。』 ラシャンが深刻な顔をしていたオレに、明るく話しかけてきた。 もし、オレがラシャンの立場だったら、こんな事できなかっただろう。 『あぁ、そうだな。しかし、お前と食べるのって久しぶりだな。』 オレは暗い話から逃れ、明るい話題に持ち込んだ。 |
一 | 5/10 19:57:10 | 2202cfflaWz7oZhNA||543 | ||
『あぁ。そうだな。戦場では、こうもうまくいかない。』 ラシャンが、笑いながら言った。 それに、まともに顔を見るのも久しぶりだ。 ラシャンは、どちらかというと、良い顔立ちだ。 髪はボサボサだが、少し後ろをのばしている。色は金髪だ。目は藍色だ。 こんな人が、何故軍に入ったのだろう・・ 普通に生活していても、幸せな家庭が作れたはずだ。 しかし、オレは一度も聞いたことが無い。 過去を聞くのはあまり良いことではない。 |
一 | 5/10 19:58:3 | 2202cfflaWz7oZhNA||468 | ||
たいていは、色々事情があって、入ってくるものだ。 きっとラシャンも、色々苦労してきたのだろう。 オレは、子供の頃、孤児院に入っていた。 両親は知らない。物心がついた時から、そこに居た。 時々寂しくなったが、元気にやっていた。 そんなある日、オレの町が敵国に襲撃されたのだ。 勿論、孤児院にも兵が来た。それによって沢山死者が出た。 その中には、友達が大勢居た。 こんな事があって良いのだろうか? |
一 | 5/10 19:58:36 | 2202cfflaWz7oZhNA||76 | ||
オレは、孤児院のその事件では、なんとか生き延びた。 が、友達が居なくなった。 戦争が続けば、この悲しみも続く。 戦争が起こっている、その国でオレと同じ思いをする子供もでる。 こんな事はあっちゃいけない。 子供だが、オレはそう感じた。 戦争を終わらす方法は唯一つ−勝つことだ。 だから、オレは軍に入ったのだ。 昔の光景が浮かぶ。が、過去を気にしていても仕方が無い。 オレは頭から振り払った。 |
一 | 5/10 19:59:5 | 2202cfflaWz7oZhNA||933 | ||
そういえば、食堂に居る事を思い出し、 再びベーコンを食べようとした、直前、 ”全員、至急第二会議室へ集合。繰り返す。全員、至急第二会議室へ集合。繰り返す・・” 『ああ!?』 オレは思いっきり叫んだ。 周りの視線がオレに向く。 オレはいそいで、ベーコンを食べているフリをした。 ラシャンが、いくぞ、と言い立ち上がる。 結局ベーコンは食べられなかった。 |
一 | 5/10 19:59:43 | 2202cfflaWz7oZhNA||219 | ||
『つまり!敵国はこれを成功させようとしておるのです!!』 今、他の兵に、計画書の説明が行われている。 兵達が一気にざわつき始めた。 長官達も何やら話している。 そして、兵が一人立ち上がり、発言をした。 『待ってください!こんな化け物にどうやって勝つのですか!?』 それにつられ、他の兵達も文句を飛ばしている。 |
一 | 5/10 20:0:8 | 2202cfflaWz7oZhNA||671 | ||
一人の長官が立ち上がった。 『では、お前等!良い案はあるのか!?』 長官の一声で、辺りが静まる。 『無いならば、黙って聞け。今、此方の同盟国に連絡を入れておる。 お前等は、武器と防具の整理をしろ。いつ戦え!と言うかわからんぞ?』 長官は、それだけ言うと再び席につき、長官達で話し合いが始まった。 |
一 | 5/10 20:0:41 | 2202cfflaWz7oZhNA||506 | ||
『バルダ・・・行くか。』 ラシャンが立ち上がった。 オレも軽く頷き立ち上がり、部屋を出た。 他の兵もゾロゾロと出てくる。 『しかし、あんなのに、マシンガンが効くのか?』 オレがボソリとラシャンに聞いてみた。 答えは期待していないが、少し話し合いたい。 『わからない。しかし、マシンガンの弾を撃たれ続け、何も感じない、なんてありえないだろ。』 確かにラシャンの言うとおりだ。 『確かにそうだな。』 『しかし、弾の量で考えれば、メチャクチャ使うだろうな・・・』 相手は魔物なのだ。仕方があるまい。 |
一 | 5/10 20:1:0 | 2202cfflaWz7oZhNA||878 | ||
『汚い!武器は大丈夫か!?』 ラシャンが中へ駆け込んでゆく。 思わずため息を吐いてしまった。 オレもゆっくりと武器庫へ入っていった。 マシンガン−・・・弾−・・・バズーカ−・・・弾−・・・ ラシャンとオレでドンドン武器を揃えていった。 |
一 | 5/10 20:1:24 | 2202cfflaWz7oZhNA||772 | ||
『よし!こんなモンか!』 ラシャンが額の汗を拭いながら言った。 オレも近くにあったバズーカの山にに座り、呟いた。 『後は武器の係にでも任せとけばいいかな。』 『さてと・・・、一応戦闘準備でもしとくか。』 ラシャンが伸びをしながら武器庫から出て行った。 オレも、頷き、出ようとした瞬間、 脳裏にある事が過ぎった。 『ラシャン・・・そういえば・・・オレ・・・・』 ラシャンが振り向き、表情を変えた。 『どうした・・・?』 ラシャンが心配そうに聞いてくる。 |
一 | 5/10 20:1:40 | 2202cfflaWz7oZhNA||183 | ||
『結局メシ食ってない・・・』 オレの言葉に、危うくラシャンが倒れそうになる。 間一髪の所で、安定を確保すると、オレに向かって叫んできた。 『そんなの知るか!!』 ラシャンは頭から湯気を出しながら、ドスドスと帰っていった。 オレはため息を吐いて、食堂へ向かった。 |
一 | 5/10 20:2:31 | 2202cfflaWz7oZhNA||853 | ||
しかし、案の定食いかけの飯(正確には食べていない飯) は残っていない。 オレは再びため息を吐き、シェフに注文を出した。 『あのー、目玉焼きと、ベーコンと、トーストお願いできますか?』 『すいません。目玉焼きとトーストなら用意できますが、 ベーコンはきれております。どうしましょうか?』 どうやらオレはベーコンに嫌われているようだ。 第三話へ続く・・・ |
一 | 5/10 20:4:50 | 2202cfflaWz7oZhNA||12 | ||
大分長くなりました。 この作品は、長くなる事が多くなるかもしれませんが、よろしくお願いします。 さて、次回、恐ろしい話を聞くことになります。 そして、ついに魔物達も動き出す−・・・ 次回もよろしくお願いします。 また、第二話を読んで頂けた方は、是非感想を残していってください。 |
フィリス | 5/10 20:8:23 | 1252cfFAQm4YR7Wkc||764 | ||
ラシャンの心の強さに惚れている私です^^; そして、ベーコンに嫌われている主人公も好きですww やっぱり、ベーコンにも気持ちが...(ぁ まじめなところに少しギャグっていうのが好きなんです^^ すごく面白いですww 次回も楽しみにしています♪ 頑張ってください☆ミ |
ピマ | 5/10 20:40:5 | 2219cfxGaNakSkoZ2||9 | ||
今晩はー。シャワーもだめでご飯も毎日同じだなんて私には耐えられません(^^;) しかもご飯をそっちのけて眠るなんて...(黙 ラシャンは人に迷惑を掛けられないいい人なんですね^^ うはぁ;結局飯も食えずと…。大変な生活…。 ベーコンに好かれていない…wそこが面白いです(ぇ。) 次も頑張ってください ノシ |
一 | 5/11 19:25:0 | 2202cfflaWz7oZhNA||574 | ||
フィリス様 こんばんわ。 ラシャンは何気に僕も気に入ってます。 前回で言うと、恐らくウェイル役・・・ はい。ジェインを守って散っていったウェイルです(ぇ 最初、この話のタイトルは、”計画書”だったと思いますが、 書いていくにつれ、段々とベーコンの事が残ってって、 最終的には”ベーコン”となりました。 ギャグは、多めに入れても良いと思うのですが、僕の場合苦手だし、 あんまり多くても、グッチャになっちゃうかな?等と思いつつ、減らしています。 では、次回も是非見てくださいね。よろしくお願いします。 |
一 | 5/11 19:27:56 | 2202cfflaWz7oZhNA||155 | ||
ピマ様 こんばんわ。 戦場は厳しい所・・・だと思います。 環境も過酷・・・だと思います。 と言う事で、そう言う事に(ぇ ラシャンは本当に良いキャラクターですよ。 今後も、少しずつキャラクターが入ってきますが、確実に良い人です。 まぁ、そこはバルダの運の悪さを恨む他ないですね。 特にベーコンとは合性が・・・ では、次回も是非見てくださいね。よろしくお願いします。 |
キーア | 5/11 21:25:37 | 2191cf/cZWdmfTKcw||591 | ||
んまお。タイトルがベーコン!? え。戦争系の話しじゃないの?と思いながら見に着ましたよv そんなにベーコン好きなのか〜。 戦闘準備までしておきながら、ベーコンを・・・。 ラシャンもベーコンを食べる途中を上手く邪魔しましたねw それで食べなかった方も方だけどね(ぁ 次回も見ますよ〜 |
グー者 | 5/13 15:47:59 | 5887cf3JqbafbtL3I||285 | ||
こんですw ベーコン・・・斬新なタイトルですねw(ぁ ベーコンは・・・美味しいですよ。(ぇ 僕も、微笑できる物語好きですw |
オギワラ | 5/13 16:24:51 | 2212cfBcsmysAsVME||773 | ||
お久しぶりでございます*゚o゚)ノ 今回は、現代の戦争を書かれているのですか^^ 何処の国のどんな場所で行われてるのかな〜と細かい設定を気にしてみたり。 一話で登場したヘリはイロコイですかね?まさかハインドってことはないよな〜。と変な目線で読んでしまいました(゚ー゚;A 厄介な読者かも知れませんが、これからも楽しませて頂く予定ですので('-'*) |
一 | 5/13 23:2:14 | 2202cfflaWz7oZhNA||737 | ||
少々返信が遅れました。 キーア様 戦争ものの中にベーコンがね・・・(イミフ ごめんなさい。スルーお願いします(ぇ バルダは好きというのもありますが、とにかくお腹が減っているのですよ。 だから、何があっても食べたいわけです。 ここまできたら、意地ですよ。 ラシャンも何気に酷いキャラですね。 では次回も是非読んでくださいね。よろしくお願いします。 |
一 | 5/13 23:4:31 | 2202cfflaWz7oZhNA||204 | ||
グー者様 お褒めの言葉、ありがとうございます。 もう、勢いで・・・はい。 これしかない!ともので・・・ 絶対、−計画書−ってタイトルよりよかったですよ。はい! 逆にガハハって笑える物語は、難しいですからね。 中途半端に入れても、苦笑するだけで終わりますしorz では、次回もよろしくお願いします。 |
一 | 5/13 23:8:4 | 2202cfflaWz7oZhNA||372 | ||
オギワラ様 こんばんわ。 お久しぶりです。 そうなのでしょうか。 時々、現代とは思えないような、出来事も出てきますが、 きっと、現代モノです。 国は、特に考えていません。 国名は後々、今のところ、一度のみ出てきます。 僕も覚えていませんが(死 ヘリは知りません。 ってか、ハッキリ言っちゃうと、武器や軍隊の事は無知です(ナニ なので、細かい事を気にしていくと、恐らく、全体的に・・・ドカーン!(死 何がともあれ、次回も是非読んでくださいね。 |
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