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8275真夜中のスクールメイト―白色魔術師―空華5/10 21:37:472031cfugNPyUOK282
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空華5/10 21:39:202031cfugNPyUOK282||187
++この物語は、先日完結した『真夜中のスクールメイト』の番外編です。
  白色魔術師、ということで、中心はティフです。
  お楽しみ頂ければ幸いです++



空華5/10 21:40:282031cfugNPyUOK282||473
『一度くらい、呪わせてくれたっていいでしょう?』

――笑顔でそう言った彼女のことを、ティフはまだ良く覚えていた。
思い出してしまったのは、たった今背丈の足りないことを考えていたからだった。
王宮の一角にある、広々とした書物室。
現在、ティフは一つの本棚の前で、踏み台に乗りさらに背伸びをしている。

「困りましたね……」

あくまで微笑を保ちながら、小さな指先を伸ばす。
どうしても、目的の本の背表紙、その半ばくらいまでしか届かない。
一つ溜め息をつくと、ティフは手を引っ込めて背伸びを止め、周囲を見まわす。
不幸なことに、自分以外の人はいない。
元々、ここは倉庫のような場所なのだ。

空華5/10 21:40:522031cfugNPyUOK282||710
もう一度、溜め息をついて踏み台から降りる。
やれやれと首を振ると、白く長い髪がふわふわと揺れた。
帰って来ないのをいぶかしんだ誰かが、来てくれないかと期待しながら本棚を見上げる。

「別段恨んだりはしませんが……不便ですよ、ディアン」

ぶつぶつと、『彼女』の名前を呟く。
これ以上成長しない、という呪い。それをかけた張本人。
ティフは目を閉じて、床に座りこんでみる。
そのとき、

「それはごめんなさい?」
「……」

空華5/10 21:41:442031cfugNPyUOK282||426
かけられた声に、静かに目を開ける。
ティフの実際の年齢は20代の半ばほどなのだが……もう、いろいろな事に慣れてしまったらしく、目の前に唐突に現われた女性を見ても、驚きもしない。
ただ、呆れたような溜め息をついただけ。

「神出鬼没というか……よく入りこめましたね?」
「だって私、闇や影にとけて移動するんだもの。どこにでも入り込めるわよ?」
「そう意味ではなくて……それなりに結界があったと思うのですが」
「私に、通り抜けられないものは無いわ」

現れたのは女性。
ややウェーブのかかった長い黒髪に、黒の目。
身に纏うのは、紫のカクテルドレスとヒール。
美女と言っても良かったが、妙に雰囲気が怪しげ。

空華5/10 21:43:242031cfugNPyUOK282||840
「で、どうしたんですか?」
「名前を呼ばれた気がして」

にっこりと笑う彼女が、『彼女』=『ディアン』。
ティフの彼女に向ける眼差しは、呆れこそあれ、恨みなどは無い。
それが彼の性格なのか、それとも本当に恨んでいないのか、あるいは両方か。

「……ひとり言です」
「ふうん。いつも不思議に思うんだけど、恨んだりしないの?」

ディアンが、ティフの目を覗き込む。
軽く、首を傾けて。

空華5/10 21:45:172031cfugNPyUOK282||665
「そんなに気にしていませんし。本気で呪うとも、思っていませんでしたけど」
「忘れられると悲しいじゃない。
 それにどうせなら、私が戻ってこられたときに、元のままでいてほしかったし」
「そういう問題ですか?……今更何も言いませんけど。
申し訳なく思ってくれるなら、あの本を取ってください」

随分と勝手なディアンの台詞に、ティフは溜め息混じりに返す。
座ったまま頭上を仰いで、一冊の本を指差す。
はい、とディアンは笑って、踏み台に乗った。
ティフが先まで取ろうとしていた本を、代わりに取ってくる。
ありがとう、と軽く会釈するティフに、どういたしましてと返した。

空華5/10 21:45:502031cfugNPyUOK282||707
「……ところで、どうして向こうへ行ったんですか?
生きて戻ってこられるか分からない、などと言っていたのに」

ふと、ティフが言う。
たしか彼女が行ったのは……最近できた友人たちの世界だったと思うのだが。
2人の顔を思い浮かべつつ、彼の浮かべる表情は随分と不思議そうだ。

「んー……逃げた弟を追いかけに、かしら。変に嫌われちゃってね。
下手したら殺されるかな?なんて思ってたんだけど」
「……そうですか」

兄弟喧嘩、という言葉を思い浮かべつつ、ティフは一つため息をついた。

……誰も知らない、たった2人の会話から。

空華5/10 21:48:462031cfugNPyUOK282||597
+後書き+

ティフの外見が幼い理由を、書いてみようかと思ったのですが……。
なんだかよく分からなくなってしまったので、解説します。

1 ディアンの弟が逃げる
2 彼女はそれを追いかけようと思ったが、その前にティフに呪いをかけた。
  理由は、『戻ってきたときに、元の姿でいて欲しかった』から。
3 今に至る

とうことです。分かりづらいですね、こうして書いても。
弟関連の話を次回作にしようかと、考えていたりとか。
主人公は人間界側と魔界側、どちらがいでしょうか。

オギワラ5/13 16:43:132212cfBcsmysAsVME||459
お久しぶりですヽ(▽⌒*)
しばらく来てない内に外伝が始まってます
そして、真夜スク(ぇとは全く雰囲気の違うのお話になりそうですね

主人公ですが、ディアンの弟は人間界か、魔界のどっちに逃げたんですかね?
個人的には、王子様や兄ちゃんのその後が気になるので、魔界の面々と絡んで欲しいかな〜と思っております。

えらく大人なディアン様ですが、いったい何歳なんでしょ(・_・?)
ぁ、女性に年齢を聞くのは失礼でしたねm(__)m

キーア5/13 20:39:422191cf/cZWdmfTKcw||822
こんばんは。感想遅れて申し訳御座いません(*__)
 ティフ・・・成長しなくなっちゃったんですね・・・。呪いで。
でも、背が小さくても不幸な事ばかりじゃありませんよ〜。
 バスなど多少ごまかせますもん(魔界じゃバスは無いのか・・・な?

まだまだ外伝が続くのでしょうね。
 魔界絡みのお話を私も期待してまっております。

これからの外伝も楽しみですv

空華5/19 21:13:532031cfugNPyUOK282||525
>オギワラ様
お久しぶりです^^

これは外伝というか、番外編ですね。
続きません(ぁ)でも、次回作ででるかもです。
今回はあくまで、ティフ中心に書きたかったので。次は千冬。

次回作で絡ませます。
一応、魔界→人間界 な感じで逃げたらしいので。
姉嫌いです、ええ。
ディアン姉さんですが、年齢不詳ということで(ぁ)
多分二十代。

空華5/19 21:18:542031cfugNPyUOK282||62
>キーア様
感想ありがとうございます^^
私の方も、最近ログインできずに……;;

ティフはああ見えて「なるようになれ」な感じなので、今の状態も楽しんでいるようです。
ああいう人好きです。(ぇ
バスは、ないかも……?

とりあえず次は千冬の話なので、現代です。
で、次がまた魔界ですね。
楽しみにしていてもらえれば、と思います^^


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