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8279グランディール3等書官物語オギワラ5/11 22:10:522212cfBcsmysAsVME
ここは、グランディール城に隣接している、「グランディール王立図書館」
その図書館の地下書庫で、一人の男の絶望が喜びに変わった。

グランディール王立図書館地下書庫は、建国以前から世界で書かれた古文書や、最近書かれた号外など、この世界のありとあらゆる書物が保管されているのである。
そして、その男がいる一角は古代人が書いたとされる、古文書が保管されている区画の中でも比較的新しい時代に書かれたし書物の一角だ。

オギワラ5/11 22:11:272212cfBcsmysAsVME||97

「あ、あったぁ〜〜」

そう目に涙を浮かべて喜んでいるのは、王立図書館3等書官、アレン・バーフレイである。
淡いブロンドの短髪には埃が雪のように積もっており、書官の制服は元が何だったのか分からないくらいに変色している。

「この3日間、やっと探し続けてやっと・・やっとぅっぅっ」

あまりに感極まって泣き出してしまったアレン書官だが、決して大げさな反応なんかではない。
そもそも事の発端は、4日前の春ウララな昼下がりに図書館を訪ねてきた一人の老人である。

オギワラ5/11 22:13:122212cfBcsmysAsVME||645


その日、アレン・バーフレイはあまりに良い天気に誘われ、夢の世界に浸かっていたのだが、

「書官さん、ちょっと宜しいですかな?」

そんな声でアレンは目を覚ました。
アレン・バーフレイ。書官暦1年半、仕事に燃える男の魂は夢の世界から、彼に助けを求める声に引き戻されたのである。

「はい。何をお探しですか。おじいさん?」

そう言って、自分に助けを求めてきた老人を見たときアレンはアレ?と思った。
目の前に立っているのはどこかで見たことのある老人なのだ。
微笑みを浮かべた口元に、優しそうな目が好々爺な雰囲気を人に与える、しかしその雰囲気に似つかわしくない右頬の大きな刀傷。

オギワラ5/11 22:17:482212cfBcsmysAsVME||779

「あ、あなたはもしかして、王国学術顧問の・・パルナフ将軍」

アレンは勢いよく老人に詰めよった
老人は、その様な反応に慣れているようで、驚きもせずに落ち着いて答える

「左様で。それよりもこの老人のお願いを聞いていただけますかな」

王国でパルナフ将軍と言えば知らない人はいない有名人である
若いころは「烈火のパルナフ」の異名をとる好戦的な将軍だったが、ある戦で大敗を喫しそれを自分に学が無いせいだと感じたパルナフは、今まで触った事も無い学問を始めたのだった。

オギワラ5/11 22:18:182212cfBcsmysAsVME||693
とんでもない努力家のパルナフは、そこから王国学術顧問の位を陛下から頂くまでになってしまった、王国の偉人100人には必ず選ばれるようなすごい人なのだ。
当然、学術を志したアレンもパルナフのことは尊敬している。そのパルナフから頼みごとをされたのだから、断れるはずも無く

「はい、何なりとお申し付けください将軍」

パルナフは、好々爺を崩さずに益々笑みを浮かべ

「それはありがたい、少々厄介かも知れませんがこの本を探して欲しいのです」

それが、この苦難の旅が始まった瞬間だった。

オギワラ5/11 22:19:192212cfBcsmysAsVME||855
パルナフが探して欲しいといった本は、
「魔道循環機構に関する10の問題とその対処」、
「伝説の魔道士が語る驚愕の真実。私はこうして生きてきた」
「新型武器試作レポート」
「クラスA冒険者必読本。塔の怪物弐式の正体!」
「老後の夜を豊かにするアドバイス」
etc、etc…..
その十数冊の本の中で最も探すのに苦労したのが、アレンが手に握っているその本
題名は古代文字で書かれていて良く分からないが、医療書か科学書らしいこと位はアレンにも分かる。

オギワラ5/11 22:19:572212cfBcsmysAsVME||999
この本以外は3時間と経たずに見つかった。しかし、読める人が全然いない古文書は地下書庫の最下層にしまってある。そう先輩書官から聞いたアレンは絶望したが、熱い男アレン・バーフレイ。一度頷いたからには最後までやり通す男なのだ。
凄いぞアレン、頑張れアレン。
そんな損する性格のアレンは、登山かキャンプか、戦争に行くような装備をして地下書庫の最下層を目指した。
地下書庫には、魔道電球も12階から下の階には無く、手持ち型の魔道電球の光を頼りに進まなければならない。ただ、降りるだけじゃないか。そんな事を喋る世間知らずのトンチキがいるかも知れないが、それは大きな間違えだ。

オギワラ5/11 22:20:382212cfBcsmysAsVME||137
なんせ地下書庫は広いのである。
それも、東○ドーム何個分とか、2−Bの廣井君とかそんなレベルの話では無く、アレンは地図を頼りに迷いに迷った。人が入るのも何年ぶりのそこは、埃も山のように積もっていた。
そして、3日間の放浪のすえやっとこさ目的の場所にたどり着き本を手にしたのだった。

「だけど、これからどうやって帰ろう・・」

そう、それが現在、唯一にして最大の問題だった。
遠足はお家に帰るまでが遠足なんですよ。小さいころに先生に言われた言葉が今になって身に染みてくる。

オギワラ5/11 22:21:262212cfBcsmysAsVME||106
「仕方ない、また登るか。」

諦めの早さも彼の美徳の1つである。
そして、長い帰路に最初の一歩を踏み出そうとしたその時、目の前の空間が歪んで、そこから人影が現れた。
突然人影が何も無い場所から出現するのも驚きだが、それ以上に仰天する出来事にアレンは気が付いてしまった。
現れた人影はとんでもない美少女だったのだ。

オギワラ5/11 22:22:282212cfBcsmysAsVME||108


「アレン様ですね。パルナフ様の命に従ってお迎えにあがりました。」

そう言って恭しく頭を下げるその少女は一般の女性軍人が身に付ける軍服を着ていたが、軍人と言うにはチグハグな印象をアレンは受けた。
整った目鼻と意志の強そうな瞳。腰の辺りまで伸ばした紫の髪。それに加えピッチリとした軍服が彼女のボディラインを強調している。
恐らく年は17、8だろう、この位なら今のグランディール国軍に多数の軍人さんがいる。
しかし、雰囲気がなにか、軍人らしく無いのだ。

オギワラ5/11 22:22:582212cfBcsmysAsVME||896
「は、はぁ・・なるほど」

アレンは、少女の突然の出現に驚いたのが半分、少女に見とれたのが半分。本人の意思と反して間の抜けた反応をしたのだった。

「では、外まで跳躍を行います。宜しいですね」

アレンは何がなんだか分からないまま取りあえず頷いてしまった。
その瞬間、アレンと少女の周りが淡い光に包まれた。




オギワラ5/11 22:37:182212cfBcsmysAsVME||511
後書き、または言い訳

どうも、お久しぶりです皆様
前作を中途半端でほっぽりだしたオギワラで在ります(;^_^A

今回も、前作を行き当たりばったり、勢いだけで書いて失敗しましたが、今回もまったく反省が活かされていません。
そして、この話に続きは無い予定です。
アレン君が謎の美少女に地上へ連れて帰ってもらってめでたし、めでたしってな終わり方であります。

読んで下さった方で感想を書いても良い方がいらっしゃいましたら、是非感想をお願い致しますm(._.)m

5/14 13:30:562202cfflaWz7oZhNA||838
こんにちわ。
お久しぶりです。

前作、もう終わってしまったのかな?
と、思い、探しましたが、下のスレを探しても過去ログ探してもなかったので?
あれ?と思っていた所です。
今、やっと謎が解明されました。

さて、今回の読みきり作は、グランデュールの図書館が舞台なのですね。
しかし、チビファンタジーには深入りせず・・・
そこら辺の調整が、とても凄いと思いました。
是非とも、続けて頂きたいですが、果たして、今後物語が続くだろうか、
と考えると・・・少々怪しいところですね。

では、次回作、作られるかわかりませんが、楽しみにしております。

オギワラ5/14 15:21:132212cfBcsmysAsVME||822
一様、こんにちわ

前作は自分の意識の低さから完結することはできませんでした(ノд-。)
ちゃんと、完結されてる方々は凄いな〜と常に思っております。

ちょっ、それ誉めすぎですよヾ(・・;)
そんな事言われたら、続けるしかないじゃないですか(ぉぃ

次回がありましたら是非宜しくお願いします

空華5/19 21:24:432031cfugNPyUOK282||772
こんばんは、お久しぶりです^^

前作が未完結になってしまったのは少し寂しいですが、これも面白かったです^^
先にストーリーをおおまかに作っておくと、書きやすいと思うのですが。
私はそうしています。
そうしないと私は、途中で挫折します(泣)

時折ある、笑えるところが面白いです。
そういうセンスって羨ましいのです。
とても楽しませていただきました^^


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