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8322八紘3壬生狼5/18 16:32:232182cf4.F0D4PnNyk
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壬生狼5/18 16:38:312182cf4.F0D4PnNyk||191
どれくらい寝ただろうか。

体が揺ら揺らと揺れているように感じる

かなりの時間寝ていたのは明白だが、疲れが抜け切らない

そんな俺は顔面に容赦なく降り注ぐ陽光に目を覚ました。

「う・・・・ん?」

暗い天井、薄汚れたベッド。

「病院ってわけじゃなんだな」

壬生狼5/18 16:46:62182cf4.F0D4PnNyk||149
こういう場合、誰かが来るまで動かないほうがいいんだろうけど。

俺はボロい部屋の出口へ歩いていく。

「・・・・師匠?」

「ああ、寝起きはどうだい?ワタツミ」

なんでこんなに普通な対応んだ?

「おっ、シガー。お前の弟子のコゾウは起きたのか」

壬生狼5/18 16:54:382182cf4.F0D4PnNyk||344
誰だ?こいつは。

「ん。おかげさまでね。助かったよ、アガテ」

「えーと。師匠、その人は?」

「この人?ああ、はじめて会うんだっけ?」

だから聞いてるんだけど・・・

「アガテだ、現在はレジスタンス”本部”の指揮を取る地位にいる」

指揮って・・・・

壬生狼5/18 17:0:72182cf4.F0D4PnNyk||415
「一番エライ人・・・?」

って!!なんでこんなに普通に!!

「ああ。」

師匠がニヤニヤしてる。

「ああ。って!!だからなんでそんな普通に!!」

「この人がここで1番偉くて、1番サボりやすい人なんだよ」

「ククッ。よくある話だろ?そんなのは」

壬生狼5/18 17:26:02182cf4.F0D4PnNyk||200
まぁそれはよくある話だ、今知りたいのもそんな話じゃないのも確かだ。

「で、師匠。今の状況説明してくれませんか?」

これが普通は最初に話題にあがることだろ

「ああ、忘れてたよ。まず、君が寝ていた2日間に起こったことだけど」

2日間!!2日間も寝ていたのか!!

「それは、僕も詳しい事知りたいからアガテ、説明ヨロシク。」

ああ、師匠は説明しないんだ・・・

壬生狼5/18 17:44:472182cf4.F0D4PnNyk||286
「2日間を説明するより、それ以前から説明したほうが理解がたやすいだろう」

「それ以前か・・」

「ああ、帝国に忍び込ませた草(スパイ)の情報によると、6年前から皇帝は

 姿を隠しているらしい。その間に貴族が力をつけ、支配権を略奪するという

 ことも無いらしい。」

「妙だな。皇帝が姿を隠しているのも僕たちも知っていたが、皇帝不在という
 
 特殊な状況で平静が保たれているとは。」

壬生狼5/18 17:52:402182cf4.F0D4PnNyk||992
言われてみれば。

「あと、この説明をする前に一つ話さなきゃならん事がある。これは口外しない

 で欲しい。」

「わかりました。」

「僕はもう知ってるけどね〜」

ガキのような師匠の嘲笑。

壬生狼5/18 18:9:452182cf4.F0D4PnNyk||782
「じゃあ言うが、ここは”本部”ではない。正確には北方部だ。」

「は?」

「本部も存在しない。」

これは・・・リーダーが複数存在するのか・・・

「ちなみに西方部、東方部、南方部、そして北方部の4つで構成されているんだ」

「でも、4つなんだよね」

「大規模な組織は4つ、あとは下部の組織が土台になっていて、有事の際は連携も

 取りやすい状況を作ってある。」

「で、そろそろ本題に入れば?」

空気を読んでください。師匠・・・

壬生狼5/18 18:24:572182cf4.F0D4PnNyk||832
「ああ、では本題に入るがこれは2日間の出来事だ。」

2日間か・・・

「4つの組織で構成されているというのは先ほど説明した通りだ。そして私が指揮

 を取っている事も。」
 
「はい」

「だが、戦闘で指揮を取るのは別の人間だ。」

「なるほど」

「ここの場合は君の師匠、シガーがその任についている。」

壬生狼5/18 18:45:342182cf4.F0D4PnNyk||365
「えぇ!!師匠はレジスタンスを引退したって・・・」

「クククククッそんなこと言ってたのか。シガー」

「ああ、ワタツミには必要以上の反帝国意識を植え付けたくなかったからね」

だからってそれを言わない理由にするか?

「まぁいいさ。話を戻すとだな、その戦場での指揮官が帝国に襲撃された。」

「なにっ!!」

師匠が襲撃された理由は理解できた。

「『南の陽気』、『東の灼熱』が抵抗し死亡した。」

壬生狼5/18 18:54:232182cf4.F0D4PnNyk||622
「あの二人がか!!西はどうした!!」

「『西の殺意』は抵抗せず捕まり護送されていた所を無事奪還した。ケガも大事に

 は至っていない。今こちらに向かっている。」

「そうか、よかった」

「質問があるんですが、東とか西とかって言うのは?」

さすがに不謹慎だったかもしれない

「ああ、方角に対応した呼び名だ。コードネームを知っていても本名や顔は漏れてい

 ないハズなんだが。」

壬生狼5/18 19:13:382182cf4.F0D4PnNyk||670
「高層部に・・・・いるのか?」

スパイが・・・

「だろうな、だからこそ北以外の戦力を北方部が駆けつけやすいエリアに集結させて
 
 いる」

・・・・・深いな、さすがは指揮官。

「それはまずくないのか?本部を4つに分けた意味を霞ませてしまっているだろ」

「それは大丈夫だ。移動先は「北の駆けつけやすいエリア」としか伝わってな 
 
 い。有事の際のみ伝達する手はずになっている。」

北以外の所が襲われても北が駆けつけられて、北には戦力が集まっていて攻めるのは

得策じゃない。

壬生狼5/18 19:38:372182cf4.F0D4PnNyk||929
「アガテさん、『西の殺意』さんが到着いたしました。」

「ああ、ツユクサ、シガーの弟子が目を覚ましたから挨拶しておきなさい。」

「おはようございます、私は北方部で戦闘時砲撃指揮担当でツユクサと申します。」

今は昼、肩書きが物騒だ・・・

「こちらこそ、よろしく」

「血まみれの君を風呂に入れるの手伝ってくれた人だから感謝しておきなさい」

はいっ?!

「アガテさん!私は運ぶのを手伝っただけです!!」

壬生狼5/18 19:43:72182cf4.F0D4PnNyk||615
なんだ・・・びっくりした・・・

「・・・・とりあえず、ありがとう」

「・・どういたしまして・・・」

「クククッ若いっていいねぇ・・シガー」

「僕に振らないでくれ」

賑やかなことだ。

少なくとも少しの間は安心できる場所のようで、しかもツユクサさんのような美人も

いる。ここで暮らすようになっても支障は限りなく少ないだろう。

壬生狼5/18 19:43:302182cf4.F0D4PnNyk||549
 
3話 完


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