8331 | 真夜中のスクールメイト―幽霊少女的日常― | 空華 | 5/19 21:36:37 | 2031cfugNPyUOK282 |
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空華 | 5/19 21:37:46 | 2031cfugNPyUOK282||918 | ||
++「真夜中のスクールメイト」の番外編第2弾です。 今回の主役は、いまいち影の薄かった(ぁ)幽霊少女、千冬です++ |
空華 | 5/19 21:39:4 | 2031cfugNPyUOK282||147 | ||
街角に佇んでみて、屋上に立ってみて、人とすれ違ってみた。 誰も気づかない。誰も気づかなくなった、と納得する。 振りかえっても見えないけれど、その方角にあるのは病院。 自分は死んだのだと、納得する。 非常に淡々とした思考回路。 ――それが、去年の事。 「ただ、自分の身に起こった事を確かめただけ」 「……とに、お前は冷めてるよな」 呆れた調子の声がどことなく、知人の金髪の少年に重なった。 その陽気さ以外には、外見にも声にも、共通点は無いのだが。 性格だけは、似ているだろうか。 そう考えて、千冬は笑みをもらす。 |
空華 | 5/19 21:40:0 | 2031cfugNPyUOK282||898 | ||
「なに笑ってんだよ。折角人が、身の上話聞いてやってんのに」 「逆よ。あなたが聞いたから、話したのよ」 溜め息混じりの声にわざと冷たく返して、千冬は彼を見る。 彼は、自分が『見えた』、初めての生き物だった。 あの日、当ても無くさまよっていた自分を見つけた青年。 大学生だったかな、と千冬は思い出してみる。 今では何人か、自分が『見える』ひとを見つけた。 けれどもやっぱり、初めての人、というのは少し特別な気がする。 それまで、彼女は自分の経緯を話さなかった。 そもそも、ここまで深く関わるつもりも無かった。 けれども、人当たりのいい『クラスメート』に会って、少し変わった……気がする。 |
空華 | 5/19 21:41:20 | 2031cfugNPyUOK282||592 | ||
「お前が言ったんじゃん。『聞きたい?』って」 「それが?」 すました顔で返してみると、彼が不服そうに口を尖らせた。 それがどうにも子供じみて、笑えてくる。 今までは、生きていたときでさえ、ろくに笑いもしなかったのに。 変わってきているのだろうか、と思う。 ――それか、優等生に疲れたか。どっちでもいい。 人に関わると変われる、ということが少し分かってからは、この青年の元に出向くようになった。 夜は『勉強』だから、夕方だとか、そういう時間に。 あまり長くは無いけれど。 |
空華 | 5/19 21:42:19 | 2031cfugNPyUOK282||194 | ||
「……私より年下みたい。むしろ子供」 「ほっとけ。お前は逆になんか、もう何千年も生きてますって感じだぞ」 「そんなに生きてるわけ無いわ。もう死んでるし」 「言葉のあや」 「分かってる」 淡々と答えていた千冬は、ふと空を見上げる。 いまさらながら、このベランダという場所が便利に思えた。 見ると太陽は沈んでいて、西の空だけほんのりと明るい。 千冬は立ち上がる。 空気の乱れすら起こさず、静かに。 「……行って来ます」 なんとなく、そう言ってみる。 彼は笑って、言った。 |
空華 | 5/19 21:42:38 | 2031cfugNPyUOK282||401 | ||
「いってらっしゃい。気をつけるんだぞー」 「私に言うことじゃないわ」 千冬はそう返して、『勉強』をしに行く。 それが日常。 街や、あちこちを歩いて。ゆっくりと動く時間を見て。 夕方に知り合いの所へ訪れて、夜には通っていた学校へ行く。 ――そんな日常でも、良いんじゃないだろうか。 今あることは今あること、変えようも無い。 まだ冷めている、と思う。 それでもいいか、と思う。 それが自分なら、行くのは変われるところまででいい。 千冬は夕暮れの道を、ゆっくりと進んで行った。 ほとんど誰も気づかない中を、ただ淡々と。 |
空華 | 5/19 21:45:38 | 2031cfugNPyUOK282||991 | ||
+後書き+ ちょっと短めの、千冬編でした。 基本的に淡々とした性格の少女です。 今回は、心理描写が多かったです。 なんだかこの番外編集が、『影の薄かったキャラにスポットライトを当てよう編』に思えてきました。 きっと気のせいに違いないです。 次回はメア編です。久々に、ジーンとエリスが登場します。 馴れ初め編で、ちょっと長くなるかもです。 読んでいただき、有難うございました^^ |
キーア | 5/22 20:54:41 | 2191cf/cZWdmfTKcw||136 | ||
こんばんは。 また感想が遅れてしまいました(*__) 千冬は優等生なんですね・・・夜も勉強を・・ 自分に例えてみれば、きっと夜勉強をすると眠って居そうです。 まぁ・・実際勉強しているんですけどね。夜に・・・。 でもついうとうとしてしまったり、集中できないんですよ・・・全く。 次回はメアのお話ですか*^^* 楽しみにしています |
空華 | 5/27 13:12:59 | 2031cfugNPyUOK282||202 | ||
>キーア様 毎回、感想有難うございます^^ 元々優等生キャラなんです、千冬。 晴陽(この名前出すの久びさ;)の学校でも、才女として有名だったみたいです。 幽霊なんで、眠らないのだと思います。 勉強って言っても、『2−G』ですし。 ああいうクラスだったら楽しいかなーと思うのですが、いかがでしょうか?(笑) メアの話、前半後半になりそうです。 |
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