8370 | 真夜中のスクールメイト―人狼少女・前編― | 空華 | 5/27 13:14:24 | 2031cfugNPyUOK282 |
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空華 | 5/27 13:15:40 | 2031cfugNPyUOK282||76 | ||
++3つめの番外編です。今回は人狼の少女、メアの話。 長いので、前半・後半に分けることにしました++ |
空華 | 5/27 13:16:20 | 2031cfugNPyUOK282||575 | ||
「裏切り者」 「臆病者」 「なりそこない」 罵倒は数知れず、慣れきってしまうほどに。 慣れると言っても、ただ外面がつくろえるということだけど。 彼女は地に座りこんで、空を見上げていた。 この裏魔界の空の、なんと暗いことだろう。 それが抜けられない檻のような気がして、少女は俯いた。 茶色の地面の色が、ぽつりと水滴一つ分変わった。 |
空華 | 5/27 13:17:28 | 2031cfugNPyUOK282||575 | ||
*** 「裏魔界?」 金髪をポニーテールにした少女が、不思議そうな声を上げた。 歳は13、4といったところだろう。 その向かいに座っている、同じく金髪の少年は、それよりも1つ程度年上に見えた。 「『裏魔界』。オレ達のいるここが『光魔界』なんだってさ。 で、害になるものとか、魔物とかを集めたのが『裏魔界』。なんか、面白そうじゃん?」 「行ってみようって?僕が止めても聞かないんだよね。 ジーンったら、いつも危ないところに行きたがるんだから」 ジーン、と呼ばれた少年の説明の後、少女がにや、と笑った。 おとなぶって言う少女に、ジーンは軽く舌を出して見せる。 |
空華 | 5/27 13:18:19 | 2031cfugNPyUOK282||464 | ||
「エリスだって、喜んでついて来るじゃんか」 「へへん。僕は、危なくなったら逃げるもん」 「そーゆう問題じゃないだろ」 「頑張ってね、お兄ちゃんっ」 「唐突に口調変えるなって」 やがてジーンが立ち上がった。 エリスも、その後を追うように立ち上がる。 2人して悪戯っぽい笑みを浮かべると、王宮のどこかへとかけて行った。 *** 「だって、しかたないじゃない……しかたないじゃない」 少女はうずくまって、呟いていた。 狼の形をした両耳を塞いで、けがのある膝に額を乗せる。 枯れ木に身を寄せるような形で、小さく呟いていた。 目に浮かんだ涙は落ちて、服に小さな染みを作っていた。 |
空華 | 5/27 13:18:47 | 2031cfugNPyUOK282||55 | ||
「しかたないよ……」 幾度めかの呟きをこぼしたとき、少女は空気が変わるのを感じた。 違う空気が流れてくるのを、確かに感じた。 けれども、少女は動かない。 足音が微かに聞こえて、それが自分の方へ向かっているのに気づいて、ようやく顔を上げた。 そして、息を呑む。 すぐ先から自分のほうへ、歩いてくる2人の人。 自分よりも幾つか年上なのだろうが、明らかにまとう気配が違う。 「光魔界のひと……」 呟いて、少女は自分の膝を抱きしめるようにする。 ――どうしよう。 彼女の頭の中に浮かんだのは、その思い。 |
空華 | 5/27 13:19:9 | 2031cfugNPyUOK282||319 | ||
彼女の頭の中に浮かんだのは、その思い。 光魔界の者。それは、自分たちの先祖を、裏魔界へと追いやった種族。 だからこそ裏魔界の者たちは、彼らを憎んでいるのだ。 それをせず、むしろ仲良くなるべきだと思っている彼女を、迫害するほどに。 「泣いてるの?大丈夫?」 「けがだろ、これ」 向けられた声は、ほとんど初めて聞いた、優しい響きをしていた。 けれども、と少女は思う。 彼らは知らないから、こうして声をかけてきたのだ。 彼らは知らないのだ、自分以外のものは皆、彼らを憎んでいることを。 「大丈夫……です」 ――どうしよう。 少女が迷っている間にも、会話は進んでいく。 |
空華 | 5/27 13:21:22 | 2031cfugNPyUOK282||498 | ||
「何て言う種族?動物の耳がある」 「ジーンたら、知らないの?これは狼の耳、この子は人狼だよ」 「なにそれ」 「僕より年上のくせに。えっとね、狼にも人にもなれる種族だよ。ね?」 「あの……でも、わたしは、夜しか人に変われないです」 「そうなんだ?」 少しづつ会話を続けて、少女は思う。 ジーンという少年と、エリスという少女は、ここが怖い場所だと言うことを、知らないのだと。 彼らが王族だというのに驚いて、その人懐っこさに打ち解けて。 ――だけど、この人たちはここにいちゃいけない。 優しい人たち。 怖い目には、あってほしくない。 |
空華 | 5/27 13:23:41 | 2031cfugNPyUOK282||590 | ||
+後書き+ なんかもう、週に一度くらいしかここに来られません; 努力はしているんですけど。 今回のメア編は、2つに分かれています。 ジーン・エリスとの馴れ初め編、ということで。 王族キャラの子供時代が書けて、ちょっと嬉しいです。 これと、全員登場編が終わったら、次の作品に入ろうかと思います。 読んでいただき、有難うございました^^ |
レンタレ緒方 | 5/27 13:59:39 | 2022cfGFj2iqtwLVw||49 | ||
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キーア | 5/27 18:24:54 | 2191cf/cZWdmfTKcw||618 | ||
こんにちはです^^ 私の大好きなメアのお話楽しみにしていたんですよ(´▽`)ノワーイ 「裏魔界」「光魔界」名前からして暗いイメージと明るいイメージの場所って感じです。 メアも現在とは違ってなんだかおとなしい性格だったんですね・・・。 ジーンとエリスはどうやって「裏魔界」にやってきたのでしょう? 「裏魔界」と「光魔界」がどうつながっているのかも気になりますね*^^* 後編が早く読みたいです(・ω・)ノシ |
オギワラ | 5/27 19:8:45 | 2212cfBcsmysAsVME||78 | ||
ど〜も^^今回も読ましていただきました メアってやっぱりというか・・凄い薄幸な幼少時代をすごしてますね(-д- 裏魔界ピープルが忌み嫌う表ですが、何故に彼女は表の人々と仲良くしようと思ってたんでしょう? そこら辺に差別の原因やら出生の秘密やらが隠されてそうな感じがしてなりません。 魔界の謎にメアって深く関わってたり(*゚o゚*)~と考えてみたり・・ 後編も楽しみにしてますヽ( ̄∀ ̄)ノ |
空華 | 6/4 20:39:35 | 2031cfugNPyUOK282||83 | ||
遅れてしまって申し訳ないです; >キーア様 楽しみにしていて下さり、光栄ですv 魔界の名前は迷ったのです。 本当は「闇魔界」にしようかとも思ったのですが、口に出した時にどう言えばいいのか、分からなくて。 結局、裏魔界になりました。 設定的には、光と裏は同じ世界です。 だから、別世界に行くよりも小さな力で開けるみたいです。 次回は、その辺も描写します^^ |
空華 | 6/4 20:43:30 | 2031cfugNPyUOK282||29 | ||
>オギワラ様 感想ありがとうございます^^ 薄幸な子供時代ですけど、メアはちゃんと幸せになります。 ハッピーエンド大好きです。 ……なんか、考えていなかったことまで深入りされてしまいました。 この際だから、後編にその辺の答えも盛り込みます。 指摘(というかなんというか)有難うございます^^ 魔界の謎、とまでは行かないかもしれませんけどね。 |
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