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8534プロローグ:敗戦オギワラ6/24 22:40:282212cfBcsmysAsVME
 賢王暦1008年4月10日フォルク平原を巡るグランデュール王国軍と獣人連合の戦闘は、グランデュール王国軍の圧倒的優位で移推しつつある。
 展開していた兵力は、
 グランデュール軍、22000
 獣人連合、23000
 獣人連合がわずかに優勢であったのにもかかわらず敗北しようとしている理由は両軍の戦力差…特に指揮官クラスの圧倒的な実戦経験の差にあった。
 連合指揮官の大半は、豚人、兎人、狸人といった種族の族長がそのまま任じられただけであるのに対して、グランデュール軍は百戦錬磨の指揮官揃いだったのである。

オギワラ6/24 22:41:282212cfBcsmysAsVME||122
 にらみ合いのような形ではじまった戦いは、グランデュール軍最強とうたわれる銀翼近衛騎士団が一気呵成の突撃に打って出たことで決した。
 左側面を迂回したグランデュール軍銀翼近衛騎士団の突撃は、獣人連合の中でもっとも戦列を維持しつつ善戦していた第3重狸人連隊へ大打撃を与えたのだ。
 「獣人どもに死を!」
 「我らが国王陛下のために!」
 銀の鎧をきらめかせた騎士たちが横合いから隊列に突入する。重槍(パイク)を正面の敵に向け槍ぶすまを作っていた狸人たちの反応は鈍い。槍の重さだけではない。頑健な肉体を持ってはいても、もともと動きの素早い種族ではないのだ。

オギワラ6/24 22:49:582212cfBcsmysAsVME||448
 「どけぇっ、獣人ども!」
 先陣を切って進むのは銀翼近衛騎士団団長、「銀翼のケレンスキー」こと、レンベル・ケレンスキー男爵その人である。鬼神のごとき形相で、並みの馬の倍はあろうかという愛馬ガルーダを駆り、全長3メートルはある馬上槍・アルジュを振りかざす。アルジュが突き入れられるたび、体を貫かれた狸人の体が吹き飛ばされ、美しい銀の装飾を施した鎧が鮮血で汚れていった。

オギワラ6/24 22:51:272212cfBcsmysAsVME||566
 一方、グランデュール軍を親率するグランデュール国王セリス4世も御歳21歳にして世に知られた戦の名手。銀翼騎士団のつくりだしたチャンスを見逃しはしなかった。軍勢の後方、フォルク平原の見渡せる丘に据えた本陣で仁王立ちとなった。
 すっと立ち上がり戦場を睥睨する。貴婦人のような憂いと翳りに満ちた面差しの映える白い肌。陽光を浴びてきらきら輝く銀髪がゆったりとなびく。肢体は豪奢な鎧に包まれているが、腰が細くくびれ、足も長く、ほっそりしていることは容易に見て取れる。

オギワラ6/24 22:52:22212cfBcsmysAsVME||929
 まさに戦場の美神であった。
 周囲の将軍や騎士は、この女性に自分たちが仕えていると知り陶然とする。
 セリスはそれほどまでに美しかった。
 一陣の風が吹いた。
 銀髪が溶けるようになびく。
 美しい女王は、ほっそりとした腕を敵陣に向け、命令を下した。
 「今日こそ我らに勝利を!」

オギワラ6/24 22:52:282212cfBcsmysAsVME||970
 「おぉおう!」
 歴戦の兵士たちがときの声をあげ、一斉に突撃へ移った。それは津波のように進んでゆく。
 すでに隊列の崩れかかっていた獣人連合は耐えられるはずもない。狸人が、狼人が浮き足立ち、敗走を始める。

オギワラ6/24 22:52:542212cfBcsmysAsVME||150
 軍勢というものは、いちど崩れてしまうと立て直しようがない。列を乱して後退してきた味方に巻き込まれ、後方で予備隊として待機していた兎人の隊列も1戦も交えないうちに大混乱へ陥る。さらに後方で懸命に呪文を唱える魔導師たちも逃げ腰だ。
 このほかにも、獣人連合にはグランデュール軍の天馬騎士団にも勝る航空兵力……鳥人で編成された航空部隊があったが、敵味方が入り混じってしまっては、どこを攻撃してよいのかわからない。

オギワラ6/24 22:53:312212cfBcsmysAsVME||124
 もはや、どうにもならなかった。
 獣人連合は大敗走に陥った。
 完璧な敗走である。

オギワラ6/24 23:8:562212cfBcsmysAsVME||755
〜後書き、もしくは言い訳〜
 
今回はファンタジーを書いてみました^^と言っても賢王暦とか、獣人連合とか、得意の脳内妄想120%で作ってありますw
 それに加えプロローグと題名につけてますが、まったく続きは考えてません^^;いつか続編を投稿できればいいなと思っております。では(o・ェ・o)ノシ

キーア6/25 21:1:02191cf/cZWdmfTKcw||790
こんばんは〜v
覗いてみるとオギワラ様の作品があるじゃございませんかΣ(・ω・ノ)ノ!
なので、早速読ませていただきました^^

豚や兎や狸とは・・・動物と人を合わせたものかな??
狼人や動物と人が混じった人(?)が戦いを―・・・。

この先が投稿される日を楽しみにしています*^^*

オギワラ6/26 18:15:172212cfBcsmysAsVME||773
キーア様、こんにちわ〜v
 我ながらこんな渋い?作品を読んで頂いてありがとうございます。一応舞台は、100年ぐらい前のチビファンの世界だったりしますw
見慣れた地名がちらほらと……
 続きは恐らくないだろ〜な〜と。思いつきで書いたものですから^^;

 キーア様や連載作家様方には、ホント凄いと密かに思っていますので是非頑張って下さいませ。


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