8561 | Strange-05 | sIs | 6/30 23:15:42 | 1242cfZRZfCAWuu4w |
01 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8159.html 02 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8199.html 03 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8450.html 04 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8476.html ※荒らし、冷やかしは回れ右。作品の批評は○。 ※* 前回の感想へ * が載るまでのレスはご遠慮を。 ※この物語はフィクションです。 |
sIs | 6/30 23:15:48 | 1242cfZRZfCAWuu4w||648 | ||
世界は本当に脆いつくりで、ちょっと触れば全体が一気に崩れてしまう。 自分の守っている世界は、実は誰にも見えるもので、誰でも崩すことができてしまう。 崩れていった世界は、別の世界の崩壊も招いていく。 長く並べたドミノを倒し始めたかのように。 |
sIs | 6/30 23:16:1 | 1242cfZRZfCAWuu4w||317 | ||
- 二月二十八日 * サカミヤ フミト - |
sIs | 6/30 23:16:21 | 1242cfZRZfCAWuu4w||846 | ||
酒宮冠子が行方をくらましてから十日以上経った。 息子の酒宮史人は捜索願を出した上、毎日警察に来ては見つかったかどうかを聞く。 しかし成果はまったく挙がらない。 「まだ・・・ですか」 「あぁー、うん、一生懸命探してるけどねぇー。 一体どこに行ったやら分からないからねぇー、ちょっとまだだねぇー」 「・・・分かりました、また来ます」 |
sIs | 6/30 23:16:30 | 1242cfZRZfCAWuu4w||199 | ||
この初老の警察官が「相手はたかが高校生のガキだ」と明らかに史人を侮りながら答えているのが分かった。 しかし決して口に出すことなく、文句も言わず、史人はそのまま警察署を出て行く。 元々『合久市』という町全体がそういう思考で動いているので、今更どうも思わない。 そして何だかよく分からない疲労感に襲われながら、彼は電車に乗って帰宅する。 |
sIs | 6/30 23:16:41 | 1242cfZRZfCAWuu4w||851 | ||
史人の自宅は合久市内ではなく、少し離れた集落の外れにある。 合久駅から数えて六つ目、藪駅が最寄りの駅で、史人もそこから通学している。 しかし藪駅は各駅停車しか停まらない。 従って、合久駅と藪駅の間全ての駅に一々停まりながら家を目指すのである。 ちまちま進むのは嫌いなのだが、かと言って自転車は無理だ。二十キロも離れている。 父親はおらず、母親は免許が無いから車も無理だし。 |
sIs | 6/30 23:16:50 | 1242cfZRZfCAWuu4w||92 | ||
(でも電車も時間かかるんだよなぁ・・・) どの手段で行くべきか、判断が難しい。 |
sIs | 6/30 23:16:59 | 1242cfZRZfCAWuu4w||689 | ||
そんな風に悩みながら電車に乗っている史人を、PFAR 0759はいくつか先の駅の近くで待っていた。 デートの待ち合わせとか、そんな雰囲気は全くない。 何故なら彼女は線路の上で待っていたからだ。 『彼ら』を連れて、『そのとき』を待ち構えていた。 |
sIs | 6/30 23:17:7 | 1242cfZRZfCAWuu4w||72 | ||
- 二月二十八日 * サカミヤ フミト - |
sIs | 6/30 23:17:19 | 1242cfZRZfCAWuu4w||302 | ||
各駅停車は遅い割に走行中の騒音が酷い。 快速や急行の方が数倍速くて、数倍静かに走る。 しかし県内の線路は非常に状態が悪く、大して変わりはない。 そして音以外にも振動も大きい。 合久駅から藪駅までの区間は、数十年整備されていない。 だから線路が傷みきっている。まだ走れるのが不思議なくらいだ。 |
sIs | 6/30 23:17:29 | 1242cfZRZfCAWuu4w||603 | ||
(来た、奈庫堂だ) 合久駅から三つ目、奈庫堂駅に着く前に顔をしかめる人は結構いる。 何故ならば、低速で走っているにもかかわらず振動が酷いからである。 勿論史人もこの振動が嫌いだから、顔をしかめることもよくある。 |
sIs | 6/30 23:17:39 | 1242cfZRZfCAWuu4w||366 | ||
そんな史人を乗せて失速し始めている五両の各駅停車の電車を、PFAE 0759は冷たい目で見ていた。 彼女も『彼ら』もさっきから線路で直立不動のままだ。 駅からは見えない距離なので、誰かに見られていることもない。 『そのとき』がやって来た。 |
sIs | 6/30 23:17:48 | 1242cfZRZfCAWuu4w||266 | ||
- 二月二十八日 * サカミヤ フミト - |
sIs | 6/30 23:18:0 | 1242cfZRZfCAWuu4w||719 | ||
奈庫堂駅に着く前に座っておこうと思い、史人は電車の中を行ったり来たりしていた。 立ったままだと振動が一層強く体に響き、物凄い不快感が神経を伝わるのだ。 しかし皆同じ考えなのだろう、しかし史人よりも早く行動していたのか、空席はない。 (やべ、もう着くじゃんか) となるともう席を探す余裕はない。 それならばせめて床にしゃがんでおくか、と思い彼はドアの前まで行こうとした。 |
sIs | 6/30 23:18:11 | 1242cfZRZfCAWuu4w||238 | ||
史人がそうやって行動している各駅停車の電車を見ながら、PFAW 0759は呟いた。 『彼ら』にしか聞こえない、凄く小さく微かな声で。 「スイッチを」 『そのとき』はついに動いた。 |
sIs | 6/30 23:18:18 | 1242cfZRZfCAWuu4w||729 | ||
- 二月二十八日 * サカミヤ フミト - |
sIs | 6/30 23:18:38 | 1242cfZRZfCAWuu4w||810 | ||
突然だった。 奈庫堂駅に着く前に振動が起こった。 座っていた人も立っていた人も全員、「とうとう奈庫堂の振動が」と思いかけた。 しかし、それとは明らかに違う振動だった。 最初に犠牲になったのは、奈庫堂駅に停車する準備を始めていた五十七歳の運転士と、同じ車両に乗り合わせていた乗客全員だった。 もう電車の運転を始めて三十五年になるベテランの彼は、人身事故防止の為にすることも当然分かっていた。 だから彼は線路上の人影を見て、予定より早くブレーキをかけようとした。 ところがブレーキに手を掛ける前に、彼の真下で爆音が鳴り響いた。 |
sIs | 6/30 23:18:51 | 1242cfZRZfCAWuu4w||245 | ||
(・・・―――・・・えっ?・・・―――) あまりに唐突過ぎる出来事だったので、運転士は何も考えることが出来なかった。 そしてそのまま、何も考えられなかったまま、彼の乗っている一両目と乗客もろとも、この世から存在を消し去られた。 |
sIs | 6/30 23:19:4 | 1242cfZRZfCAWuu4w||594 | ||
後は簡単だ。 引率者をなくした団体はすぐに勝手な方向へ移動する。 一両目という引率者をなくした残りの四両は、猛スピードによって次々と脱線した。 史人は二両目の車両に乗っていて、その車両は一秒かけずに脱線し、左側のフェンスを破って民家へ突っ込んだ。 「う、わっ!」 前の車両が消えて三方が車窓になったかと思ったときには、誰かの家の酷く狭い台所が見えていた。 しかし民家に衝突しても失速しない。 ついには民家に大穴を空けて、反対側の道路まで車両ごと出てきてしまった。 |
sIs | 6/30 23:19:21 | 1242cfZRZfCAWuu4w||496 | ||
PFAW 0759は『彼ら』のうちの一人に問いかけた。 「何両目に乗ってた?」 『彼ら』のうち唯一学ランを着ていた華奢な男が答えた。 男は右方を指差して、かなり早口で言った。 「二両目にいた。右の家に突っ込んでいった車両だよ」 あまりにも早い判断に少し呆れながら、しかしPFAW 0759は感情のこもらない声で命令する。 |
sIs | 6/30 23:19:30 | 1242cfZRZfCAWuu4w||43 | ||
「そう。じゃ行きましょ。 死んでれば死体を持っていけばいいし、死んでなければ止めを刺すわ。 冠子、あんたが一番最初に行って見てきなさい。他はここで待ちなさい」 『彼ら』の中から一人、顔立ちの整った主婦が出てきた。 いかにも買い物帰りであろう、パンパンに膨らんだスーパーの袋を手提げながら。 「・・・自分の息子を殺すのって何だか新鮮ね」 まるで「このコーヒー、今までにない美味しさね」とでも言うような、軽い調子で言った。 |
sIs | 6/30 23:20:0 | 1242cfZRZfCAWuu4w||160 | ||
* 後書き * Strangeも「いよいよ」というところまでやって来ました。 早いような遅いような、凄く難しそうで実は単純な、そんなややこしい話ですがご容赦下さい。 まだまだ精進あるのみです。 ところで、読者の一人に「次回予告はしてくれないの?」と聞かれました。 私は絶対やりません。次回予告は楽しみを壊すだけですから。 |
sIs | 6/30 23:20:10 | 1242cfZRZfCAWuu4w||462 | ||
* 前回の感想へ * >マハザンさん 雰囲気作りも題材の質も、私一人ではなくてもう一人の裏作者がいてこそのものです。 私は彼の作りたい話をただ形にしているに過ぎません。 ですから私一人では粉々に砕くどころか、ヒビすら入れられませんよ(笑) マハザンさんの作品は見たことはありませんが、その文章力・・・きっと、私より凄いんでしょう(何) 頑張ります。 そして、私も影ながらマハザンさんのことを応援したいと思います。 |
sIs | 6/30 23:23:48 | 1242cfZRZfCAWuu4w||569 | ||
* 誤字訂正 * そんな史人を乗せて失速し始めている五両の各駅停車の電車を、PFAE 0759は冷たい目で見ていた。 PFAEになっております。正しくはPFAWです。 失礼致しました。 |
sIs | 6/30 23:26:6 | 1242cfZRZfCAWuu4w||316 | ||
* 更に誤字訂正 * そんな風に悩みながら電車に乗っている史人を、PFAR 0759はいくつか先の駅の近くで待っていた。 PFARになっております。こちらもPFAWです。 本当にすみません・・・。 |
ピマ | 7/2 15:57:21 | 2219cfkGn9zkGFx4I||296 | ||
今日は、お久しぶりです。やっとpcを開くことができました。 するともう5まで来てるじゃないですか!! 私は咄嗟に4を読みました(苦笑。) 振動が酷い電車についての表現が本当に凄いです。私がそんな電車に乗っているようでした。…史人は死んだのかな…?と小さな疑問。でも結局は殺されてしまうんですよねorz まるで〜〜 というところがどんな風にことばをいっているのか、わかるので読みやすかったです。 次回もみますので、頑張ってくださいね(^^) |
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