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8622神札書記オギワラ7/12 23:17:482212cfBcsmysAsVME
第一回http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8556.html

第二回http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8577.html

第三回http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8600.html

 「来る!」
 確信した
 「来るなら来い!」
 でてきたのは、完全武装の札神―――。
 煙が収まった時、竜介は神々しいその姿を見た。
 その若々しい札神の鋭い目と、まともに視線が合った。
 鋭いがしかし、涼しい目だ。
 激しさと強さの中に、何故か底知れぬ優しさを漂わせた、そんな双眸だった。

オギワラ7/12 23:20:412212cfBcsmysAsVME||899
 「久しぶりに出てみれば随分と様子が違うな」
 「そ、そんな……」
 ずるずると、尻餅をつく黒服。
 「何故、何故召喚できる……。こんなガキが……」
 「そなた」
 札神が竜介を見た。
 「まさかとは思うが、私を召喚したのは、もしかしてそなたか?」
 「そうだ」
 苦笑しつつも頷く竜介。
 「初めての素人だけど、闘って欲しい」
 「心得た」
 頷く札神。

オギワラ7/12 23:21:302212cfBcsmysAsVME||805
 「たとえそれが誰であっても、召喚された以上、闘うのが我らの務め」
 「ありがとう……」
 ほっと安堵する竜介。
 「ええと。君は……」
 「スサノオ」
 と、その凛々しい札神は言った。
 「地雲札 煌めきの神剣 素盞鳴尊(スサノオノミコト)。召喚に応じ、見参!」

オギワラ7/12 23:28:222212cfBcsmysAsVME||526
 「面白い!」
 黒服は、黒い背広の埃を払いつつ、ゆっくりと立ち上がった。
 「地札の中では最強と謳われるスサノオなら、相手にとって不足はありません。」
 「つ……強いのか?」
 「強いに決まってるでしょ!」
 竜介の疑問に答えたのは、既に復活した泉だ。
 「しかし、使い手は、召喚はこれが初めてという超初心者ですからね。私にも充分に勝ち目はありますよ」
 「確かに、いい勝負かも……」
 頷く泉
 「そんなことより、貴女には、する事があるのではないですか?」
 「そうだった……」
 泉は神札を顔の前にかざした。

オギワラ7/12 23:30:402212cfBcsmysAsVME||566
 「戻れ!大屋津姫神!」
 倒れていた大屋津姫神が光に包まれ、吸い込まれるかのように神札に戻る。まるで魔法を見ているようだった。
 「だいぶ、ダメージが大きいね」
 心配そうに神札を見つめながら、泉
 「少なくとも、3日は休ませないと……」
 「彼女が命拾いした事を喜びなさい」
 黒服が嗤いながら言った。
 「私としても、貴重な札神を壊さずに済んで、ホッとしましたよ。もっとも、私の黒手田彦神が素盞鳴尊に勝ったら、ルール通り、2枚とも私が貰いますからね」
 「地札を2枚も取られてたまるかぁ!」
 泉は叫んだ
 「お前たちに手に渡るかと思うと、ぞっとするよ。絶対にお前らには渡さない!」

オギワラ7/12 23:32:122212cfBcsmysAsVME||286
 「なんか……」
 呟く竜介
 「なんか、やる気出てきた……」
 「それは結構」
 嗤うリーダー
 「本気を出してもらわねば、バトル面白くありません。私も、最近は骨のある相手がいなくて、張り合いがなかったところです」
 「要するに、バトルに勝てば、勝った方は負けた方の札を奪えるんだよね」
 「そうです。もっと、負けたほうが失うのは札だけではありませんが……」
 「面白い!」
 竜介は燃えた
「札神たちが退屈しています。そろそろ始めましょうか!」
 「いい加減に、待ちわびたぞ」
 業を煮やしたように、黒手田彦神は言った。

オギワラ7/12 23:34:122212cfBcsmysAsVME||568
 「俺たちだけでも始めないか?スサノオ」
 「新しいマスターに許可を得てからだ」
 と律儀に素盞鳴尊
 「新しい、マスター?」
 その言葉に引っかかる竜介。
 「じゃあ、前のマスターは?」
 「あたしの……姉」
 泉が躊躇いがちに呟いた。
 「死んじゃったけど……」
 「封印を破ってしまったのも、彼女ですがね」
 「お前たちが姉さんを騙したんでしょ!!」
 叫ぶ泉。
 「お前たちが、お前たちが……」
 「じゃあ、この神札は……」
 熱くなった神札を見つめる竜介。

オギワラ7/12 23:36:132212cfBcsmysAsVME||380
 「泉の姉さんの形見……」
 「死ぬ前に、姉さんはその神札をあたしに託してくれたの」
 涙目で泉
 「自分の犯した罪を、償って欲しいって……。だから、あたしは―――」
 「よし、やってやる!」
 襟を正す竜介。
 「これで燃えなきゃ、漢じゃない!スサノオ!」
 「はい、マスター」
 頷く素盞鳴尊。
 「お前の力、全部見せてもらうぞ!!」
 「仰意」
 「おまえの使える技は?」
 「色々あります。閃光刃、牙閃突、無限閃撃、草薙……」

オギワラ7/12 23:38:312212cfBcsmysAsVME||513
 「じゃ、じゃあ―――」
 命じる竜介
 「とりあえず、閃光刃!」
 「仰意……」
 「まったく……」
 肩をすくめる黒服。
 「札神に技を尋ねるなんて……。もっとも、お陰でこっちは対策が立て易いわけですが」
 嗤う
 「黒手田彦!真風行法で回避です!!」
 「はっ!」
 頷く黒手田彦。
 「閃光刃!」
 スサノオが草薙剣(クサナギノツルギ)を振るい、技を繰り出す。
 「真風行法!」
 だが、その閃光刃を、易々と回避する黒手田彦。

オギワラ7/12 23:42:82212cfBcsmysAsVME||918
 「完璧に避けられてるよ。当然だけど―――」
 呟く泉
 「わかってる!スサノオ、牙閃突だ!」
 「仰意!」
 「同じく真風行法で回避……」
 欠伸をしながら、黒服。彼は海千山千のバトラーだ。
 「はっ!」
 やはり、なんの効果もなく避けられる。
 「なんと退屈なバトルでしょう。地札を相手にしているとは思えない。」
 「技は単発で繰り出しても意味がないの。連打とコンビネーションだよ!」
 見るに見かねて泉が叫ぶ。
 「わかった!」
 頷く竜介。
 「スサノオ!閃光刃の連続攻撃!!」

オギワラ7/12 23:44:552212cfBcsmysAsVME||956
 「仰意」
 「ふぅ……」
 鼻で嗤う黒服。
 「閃光刃は、真風行法で充分避けられます。何発繰り出そうとも同じこと……」
 「閃光刃連撃!!」
 「なんの!真風行法!!」
 ことごとく回避される。
 「埒があかないよ!」
 泉が唇を噛んだ。
 「スサノオ!」
 だが、竜介はこりもせず、叫び続ける。
 「もう少しだ!あきらめるな!!」

オギワラ7/12 23:46:492212cfBcsmysAsVME||228
 「はい、マスター」
 閃光刃が、無数に放たれる。
 「なっ!」
 黒手田彦神の高速移動が止まった。
 「閃光刃によって、こんなに荒れた地面で、すり足による高速移動は不可能!足が止まれば、こっちのもんだ!」
 ガッツポーズの、竜介。
 「な、なんという……」
 さしもの黒服が、仰天した。
 「常識はずれな……。神札バトルのセオリーを完全に無視している。」
 「ベテラン故の、盲点か」
 泉が唸るように呟いた。
 「よし、とど……め……」
 足がもつれた。
 「あれ……れ?」
 凄まじい脱力感が、彼を襲った。
 「な、なんで俺、こんなに……疲れ……て……るんだ?」

オギワラ7/12 23:49:222212cfBcsmysAsVME||432
 声が出ない。
 「ふ……」
 安堵したかのように、黒服が嗤う。
 「やはり初心者ですね。息切れですか」
 「技を、使いすぎたの」
 と泉
 「竜介、無茶だよ。そうでなくても技ポイントを消費する閃光刃をあんなに繰り出せば、誰でもそうなるって。」
 「で、でも……」
 泉を見る竜介。
 「なんで俺が……疲れるわけ?」
 「札神のエネルギーは無尽蔵じゃないの。使い手の体力や精神力を、吸い取る。時には使い手の命にも関わるわ」
 「そんな大切な事は……もっと早く言ってくれ〜〜〜〜ッ!!」
 「言う暇が、なかったの……」
 「確かに……」

オギワラ7/12 23:50:592212cfBcsmysAsVME||557
 「フハハハハハハハ」
 すっかり冷静さを取り戻した黒服の高笑い。
 「何も知らなかった割には、あなたは良くやりましたよ。」
 「馬鹿な事、言ってんじゃねえ……」
 喘ぎつつも、戦意は喪失しない竜介。
 「てめぇの回避は、すでに封じた。次で、フィニッシュだぜ……」
 「残念ながら、フィニッシュを喰らうのは、あなたの方です」
 ほくそえむ黒服。
 「初心者はどうも攻撃だけで、回避は疎かになるものです。」
 「くっ……だけど攻撃は最大の防御って言うぜ。スサノオ!」
 「はい」
 「おまえの、取って置きの奥義を出してくれ!」
 と竜介。

オギワラ7/12 23:52:242212cfBcsmysAsVME||634
 「必殺技!あるんだろ」
 「あるには、あるが……」
 スサノオは何故か口篭もった。
 「今のおまえの状態でそれを使えば、最悪死ぬぞ」
 「構わない!」
 竜介は意地を見せる。
 「どのみちこのまんまじゃ、みんな死ぬんだ」
 「わかった……」
 頷くスサノオ。
 「おまえのその意気に応えよう。若者よ。私はよい使い手を得た……」
 「ダメよ!」
 泉が叫んだ。
 「使っちゃダメだって!」

オギワラ7/12 23:55:22212cfBcsmysAsVME||45
 「遅い!」
 黒服が叫んだ。
 「黒手田彦!攻撃!!」
 「はっ!」
 黒手田彦神は手をかざした。
 「真空奥義 千刃龍風牙!!」
 「スサノオ!」
 最後の気力を振り絞って竜介。
 「俺に構うな!ぶちかませ!!」
 「仰意」
 頷く素盞鳴尊。
 草薙剣を構えた。
 「神剣奥義 草薙仁楼斬!!」
 「な―――」
 黒服、絶句。
 「まさか、ここでその技……」

オギワラ7/13 0:1:152212cfBcsmysAsVME||34
〜後書き、もしくは言い訳〜
調子に乗って長々と書いてしまいました^^;第四回です。
今回は、黒服vs竜介の闘いです。勝敗の行方は上を見てもらうとして、泉が復活しました。
何故?と思いますが、深いところは気にしないで下さいw
次回は、エピロローグ的な後日談の予定です。では(=´ー`)ノ

7/14 0:34:272202cfflaWz7oZhNA||331
こんばんわ。

ついに、竜介が主役になってきましたね。
前回の最後で終わっていた、神札の正体は、
どうやら、強い神札みたいですね。

しかし、やはり竜介は、初心者ですね。
途中まで、見事なプレーをしていたモノの、後半からボロボロに・・・
そこを、黒服は、容赦なく攻撃してきました。
黒服・・・最初から感じていましたが、本当に、情け、
という言葉を知らないようですね。

しかし、竜介は、ここで奥義を放つように命令を・・・
竜介は、無事でいられるのでしょうか。

次回も楽しみにしています。

7/14 21:39:361252cf0FlVxiyJ00g||94
めっちゃ続き楽しみです^^
なんか凄そうな技が出そうな(出るだろうケド
それにしても、ネーミングセンス良いですよね(打
やっぱバトルは戦略でしょ(ナニを根拠に
とにかく、次回をわくわくながら、海祭りを始まるのを待ちます(何故

キーア7/15 16:52:562191cf/cZWdmfTKcw||872
こんにちはv
 お。今回は竜介が主人公らしい行動をとりましたね〜w
何かかっこよかったです(*´ェ`*)ポッ

でも、使い手の精神力や体力を消耗するなんて・・・早く行って欲しいよね。
本当に(;´▽`A``
でも、このまま竜介(主人公)がサヨナラ〜になるとだめだから・・いや面白いかm(強制終了

次回が見逃せなくなりました〜

オギワラ7/17 18:3:482212cfBcsmysAsVME||951
一様、こんばんわ〜。
返レスが、遅くなって申し訳ないです^^;

竜介の神札は強いですよ。実質、ベスト5に入る札です。
黒服は、自分の中での悪役像にぴったりです。やっぱり悪役はこうでなくちゃ^^的な要素も入ったいると思いますよ。高笑いなんか、特に。(ノ∇≦*)

次回、奥義を放ちますが案外大丈夫だったり(オイ
ピンチを切り抜けるのは、主人公の特権ですから。

オギワラ7/17 18:9:162212cfBcsmysAsVME||498
崚様、毎回読んで頂いてありがとう御座います。
返レスが、遅くなって申し訳ありません^^;

凄い技なはずなんですが、凄く見えるか不安です...ρ(..、)
ネーミングセンスがよいって、生まれて初めて言われた気がします。いや〜そんなことないですよ。

次回のバトルは、戦略も何も、力押しで解決させます。
下手な戦略よりも、やっぱり力押しですからd(´▽`)b

オギワラ7/17 18:16:172212cfBcsmysAsVME||972
キーア様、こんばんわ〜
返レスが遅くなって申し訳ないです。

今回で、竜介がやっと主人公らしい仕事をやってくれました。
格好よかったと言われて、竜介も照れてますよ(〃'∇'〃)ゝ

竜介がサヨナラ〜て、確かに面白そうですね。
しかし!そうならないよう、出来てます。何せ主人公ですからΣ(゚口゚;


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