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8626異世の来訪者―始まり―空華7/13 17:31:362031cfugNPyUOK282
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空華7/13 17:32:42031cfugNPyUOK282||338

『銃刀法違反 警察見失う』
X日午後11時24分頃、S県A市南二丁目にて巡回中の警察官が路上を歩いていた不審な男に声をかけた際、男が刃物を持ち歩いているのを見たため現行犯で逮捕しようとしたが、逃げられた。

調べによると、男は黒い服にマントのような長い上着を着て、住宅街の車道を歩いていた。
不審に思った警察官が声をかけ近づくと、剣のような長い刀身の刃物を取り出したが、そのまま小路に逃げ込んだ。
逮捕しようとした警察官は追いかけたものの、見失ったという。

警察は銃刀法違反の疑いで男の行方を追うと共に、付近の住民に警戒を呼びかけている。
男の身長は百八十cm程度、年齢は二十前後と思われる。

空華7/13 17:34:392031cfugNPyUOK282||530

              ***

「すぐ近くじゃない、これ……」

新聞の地方版を眺めていた母親が、眉をひそめてつぶやいた。

朝食をあわてた様子で食べていた少女は、顔を上げて訊き返す。
口の中につめこんだ食パンのせいで、だいぶ聞き取りづらいものだったが。

「何?」
「南でね、剣みたいなのを持った人が居たんだけど、警察が見失ったんだって。
 晴陽も気をつけないとだめよ。前みたいに、夜中に抜け出したりしないで……」
「南って、そこの?ちょっと見せて」

空華7/13 17:38:72031cfugNPyUOK282||100
食べ終えた朝食の食器を置いて、少女は母親から新聞を受けとる。
読み終えると、一つ息をついた。
制服の夏用スカートに落ちたパンのかけらを払い、新聞を返す。

「ん、気をつけとく。にしても、暑そうな恰好ね、この季節に」
「分かってるの?本当に」
「分かってるって。わたしをなんだ……、もう行かなきゃ」

まだなにか言いたげな母親を背後に、少女は席を立つ。
イスの下の鞄を手にとって、玄関へ出た。
鏡で最後にかっこうをチェックした後、靴をはき外に出る。

「おはよ」
「はよ。微妙に遅いぞ」
「ちょっと、ニュースが気になって」
「へえ?」

少女は彼氏に、ついさっき見た記事の内容を話してきかせ始める。

空華7/13 17:38:352031cfugNPyUOK282||690
              ***

「なるほど……これは違反か。分からない世界だ」

青年は軽い舌打と共に呟き、手にした黒塗りの剣をさやごと宙へ差し伸べる。
途端、それらはするすると解けるように、薄くなりはじめた。
それは手品のように空間に消えていき、後にはなにも残らない。

「まったくあいつは……面倒なことばかり。この世界がどれだけ広いと思っている。
しかも場所によってルールが違うとはな……言葉が通じるのが唯一の救いか」

青年はどこか苛立った口調で宙に言葉を向けながら、やつあたりのように軽く壁を蹴飛ばす。
上げた手をやや乱暴に下ろすと、腕に叩かれてマントがばさりと音をたてた。

空華7/13 17:39:32031cfugNPyUOK282||98
気を落ち着けるように彼は息をはくと、目の前の壁に目を向ける。
先ほど彼を見とがめた人物は、その向こうにはもういないはずだった。

「本当に、面倒な……」

最後にそう呟くと、今度は彼自身が消え始めた。
闇夜に解け消えるように彼がその姿を消すと、後には深夜の静寂が残る。

               ***

空華7/13 17:39:222031cfugNPyUOK282||589
それは人でもなく、魔でもなく、善悪でもない者。

異世―ことよ―の住人。

常世―とこよ―のように楽園ではなく、それでいて永遠に消滅することなき住人。

魔界―まかい―のように表裏無く、それでいて2つの混ざった場所。

ごく僅かな、不思議な住人。

ただ成さなければならないことをするだけ。

訪れ人となった時、きっと小さな波紋を生みはするだろう。

けれども、去った後に残すものは何も無い。

それは異世の住人―――

空華7/13 17:41:212031cfugNPyUOK282||398
+後書き+

読んでいただき、ありがとうございました。
新しい小説の始まりです。
続編ですが、前作を知らなくても読めるよう、気をつけて書こうと思っています。

タイトルは「ことよのらいほうしゃ」と読みます。
長さがどれくらいになるかは分かりませんが、楽しんでもらえるよう頑張ります。
どうぞお付き合いくださいませ^^

キーア7/14 16:18:262191cf/cZWdmfTKcw||344
こんにちは

なんだかカッコイイ題名に誘われてやって参りましたv
最初見たときは怖い事件の始まりかなーと思いつつ見てました(ぇ

晴陽がまた出てきて嬉しいですv
これからも前作のキャラが出てきてくれると信じて
楽しみにしています

オギワラ7/14 23:41:252212cfBcsmysAsVME||529
こんばんわ^^
謎です。いったい男は誰なのか?異世とは?否応なく期待させられますね〜
今回はプロローグ的なお話なのでしょうか?前回にもまして不思議な世界が展開される予感がします。
では次回を楽しみにさせていただきますわ〜。

空華7/21 12:41:132031cfugNPyUOK282||453
お返事遅れてしまい、申し訳ないです;

>キーア様
怖い事件……ですよね、実際にあったら。
晴陽と響は、一応主人公ですから^^

今回は影の薄くならないよう気をつけますー。
前作キャラは、何人か出ません(ぁ
キャラが多すぎるのと、キャラ被りしそうなので……(←自分のせい
一応続編ながらも、独立した話にしたいのです。
感想ありがとうございました^^

空華7/21 12:43:52031cfugNPyUOK282||50
>オギワラ様
ご期待にそえるよう頑張ります^^
今回はプロローグで、次回から1話〜となります。

ただ、どんな話になるか、見通しは悪いです(待て
頑張って書きますので、宜しくお願いします^^


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