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8645神札書記オギワラ7/17 18:26:312212cfBcsmysAsVME
第一回http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8556.html

第二回http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8577.html

第三回http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8600.html

第四回http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8622.html

オギワラ7/17 18:28:492212cfBcsmysAsVME||363
 黒手田彦神が、かざした右手に空気の渦が集まったかと思うと、それは巨大な龍に姿を変え、素盞鳴尊(スサノオ)へ向け、大気を揺るがす轟音と共に突進する。
 素盞鳴尊が、鞘から草薙剣を抜いた刹那、草薙剣(くさなぎのけん)は黄金色に輝きだした。
 黒手田彦神の右腕から放たれた、巨大な真空の龍と、素盞鳴尊が放った黄金色に輝く草薙剣。
迫り来る龍の真正面に立つのは、黄金色に輝く草薙剣を構えた素盞鳴尊。

オギワラ7/17 18:29:302212cfBcsmysAsVME||968
 「正面に立つか……愚かな!噛み砕いてくれる!!」
 黒手田彦神が叫ぶ
 しかし、素盞鳴尊(スサノオ)は一歩も引かないどころか、さらに一歩を踏み込んだ。
 「負けはしない。我が煌めきの神剣は一刀にして、すべてを絶つ!!」
 そして、二つの技は真正面からぶつかる。
 一瞬、画面がホワイトアウトした。 
 強大な黄金の光の中心で、煌めく草薙剣は、苦もなく巨大な龍を両断する。
 勝負はあっけなく決まった。

オギワラ7/17 18:30:232212cfBcsmysAsVME||665
 「参りましたね、私の負けです」
 黒服が肩をすくめる。
 「勝ったのか……」
 既に、息も絶え絶えの竜介が呟く。
 「ええ、私の負けです。約束どおり、黒手田彦神の札はあなた達にあげますよ」
 黒服が投げた神札を泉がキャッチする。
 「まさか、負けるとは思いませんでした。少年、あなたの名前は?」
 「俺の名前は……西橋竜介」
 黒服は僅かに微笑むと、2人に背中を向け、歩き出した。

オギワラ7/17 18:30:582212cfBcsmysAsVME||653
 「……では西橋君、黒手田彦神を預かっておいてください。いつか、取り返しに来ますから」
 「ああ……望むところだ。それより、あんたの名前は?」
 少し戸惑った顔をする黒服。
 「組織では、黒木と呼ばれています。無論、本名ではないですが」
 「じゃぁ、黒木。いつでも相手してやるぜ!」
 「是非とも、お願いしますよ」
 気取った仕草で片手を振る黒木―――
 気が付くと、そこに黒木の姿はなかった。


オギワラ7/17 18:33:12212cfBcsmysAsVME||339
 「高久三佐。」
 陸上自衛隊の制服に身を包んだ美人の女性自衛官が表情を変えずに報告した。
 「市外で大規模なガス爆発が発生。テロの可能性を考え、我々にも待機命令が出ています」
 「妙だな。榊くん」
 高久義明(たかくよしあき)は、刈り込まれた髪を掻きながら、視線を上げた。30歳にして、超エリート。おまけに、かなり整った顔立ちをしている。
 「本当に、ガス爆発なのか?」
 「そう考えるのが、妥当と思われます」
 「だろうな……」
 なにやら考え込む高久。若さに似合わず、風格がある。
 「ガス爆発にしておくのが、無難か」
 「はい、ですが、気になることが……」

オギワラ7/17 18:33:322212cfBcsmysAsVME||606
 「何か?」
 「被災者の目撃情報で、奇妙な人影を見たと……」
 「奇妙な人影?」
 「それが、弥生時代の服装をした戦士らしいです。」
 「……榊くん。まさか、本当にそんな話を信じているわけではないだろ」
 「いえ、しかし、そのような目撃証言があるのは確かです。」
 赤面しながら、榊ゆう(さかきゆう)二等陸尉。25歳で、統幕情報室に勤務している。独身。
 「おおかた、事故のショックによる幻聴の類だろ」
 「自分も、そう思います」

オギワラ7/17 18:34:162212cfBcsmysAsVME||468
 「すまんが、もう少し、状況証拠を集めてくれないか?」
 「わかりました」
 敬礼して下がる榊二等陸尉。
 一人きりになった個室で、高久は指先でブラインドを上げた。
 「ついに始まったか……。予想より速かったな」
 不意に制服のポケットの中で、何かが動いた。
 無骨な表情が、ふっと歪む。、
「まだだ、真打は最後に出るもんだ。なぁ、月読神(ツクヨミ)」

オギワラ7/17 18:35:192212cfBcsmysAsVME||844
 「よくも生きていたものだな……黒木」
  床にひれ伏している男を見下ろし、その青年は言った。
 「まったく、騒ぎを大きくしてくれたな。貴様には心底失望した。」
 「社長……」
 目を開けた男は戦慄した。体が震えている。逃げたくて仕方ないが、恐怖で体が動かない。
 「申し訳ありません……」
 黒木と呼ばれた男は、引きつった表情で辛うじて言った。
 「お咎めは、いかようにも―――」
 「ほう……」
 社長と呼ばれた男は、浅黒い頬に氷のような冷笑を顔に浮かべつつ、目を細めた。

オギワラ7/17 18:36:222212cfBcsmysAsVME||574
 「なかなか、面白い冗談だ。鈴野泉を取り逃がしたばかりか、彼女とその姉の神札も奪えず、それどころか、私が貸し与えた自分の神札まで奪われて、挙句には我々の存在すら表沙汰にしかけた。この失態をどう償うというのだ?」
 「……」
 「幸い、神札の存在は隠し通せた。しかし、私がその為にどれほど苦労したことか……」
 「……」
 黒木の顔色は紙よりも白い。
 「まったく、余計な仕事を増やしてくれたものだ。」
 「しゃ、社長……」

オギワラ7/17 18:37:222212cfBcsmysAsVME||618
 「まぁ、少なくとも、退屈だけはせずに済みそうだが……」
 その指の長い手のひらを、黒木の額に置く青年。着ているロングコートは有名ブランドのオーダーメイド品だ。身長は高く、190センチはある。年は、せいぜい24、5か。
 「ひ……」
 覚悟を決め、目を閉じる黒木。
 「安心しろ」
 黒木にとって、永遠とも思える時間の後で、青年は言った。
 「殺しはしない、貴様には、まだ働いてもらわなければならん」

オギワラ7/17 18:37:482212cfBcsmysAsVME||39
 「社長……わ、私は……」
 「ゆっくり休め。傷が回復したら、また働いてもらう」
 「社長……」
 絶句する黒木。その顔は今にも泣き出しそうだ。
 「では、これにて失礼する」
 颯爽たる足取りで、すでに消灯した廊下を歩み去る。 
 青年の名は、村上功(むらかみこう)ネット財閥。ライブコーポレーションの代表取締役である。


オギワラ7/17 18:38:452212cfBcsmysAsVME||865
 竜介の家の前まで歩いてきた、竜介と、泉。
 その間、2人は一言も喋らなかった。
 「竜介、本当に……ありがとう」
 唐突に泉が言った。
 「じゃぁ」
 それだけ言って走り出す泉。
 「お、おい……」
 すでに泉の姿は見えない。
 「どうすりゃいいんだよ。この神札」
 ポケットの中には、素盞鳴尊と、黒手田彦神が入っている。

オギワラ7/17 18:39:572212cfBcsmysAsVME||882
 「なんか、夢を見ているみたいだ」
 竜介は月を仰いだ。
 夜空には、いつもと変わらない星空が広がっている。
 「そういえば、遅くまで帰らなかった言い訳、どうしよ……」
 再び月を仰ぐ竜介。やはり、夜空はいつもと変わりない。
 しかし、自分の日常が変わり始めたのは、不思議と理解していた。
 
 =第一部完=

オギワラ7/17 19:45:442212cfBcsmysAsVME||522
〜後書き、もしくは言い訳〜
いや〜やっと五回目にして、第一部が終了しました。ヽ(^◇^*)/

なんか、質が低い感じですが、脳内で補ってくれればな〜と思ったり^^
へんな伏線もありますので、次もあります。えぇ、多分。

今度は、同じキャラクター使って、短編作って遊ぼうかと考えておりますので、そちらは期待しないで下さいませ。

では、また会う日まで ´ω`)ノシ

7/17 20:4:202202cfflaWz7oZhNA||458
こんばんわ。

ついに一部が終わりましたか。
いかにも、本格的に始まる前のような、終わり方になりましたね。
結局、黒服こと、黒木に打ち勝った竜介ですが、
竜介の見ぬ所で、なにやら、怪しいことが・・・

他の面々を見ると、色々場所の裏で、神札が使われているようですね・・・
パッとみ、普通の人でも、実は神札を持ってて、
戦いを挑んできたり・・・
あぁ怖い・・・
けれど、竜介なら、それにも打ち勝てる・・・筈です(ぇ

では、短編・第二部、共に楽しみにしています。

7/17 21:47:391252cfEvCfR1KLp02||446
おわぉ、第二部、期待大です!
短編、いいですね〜!
あ、そういえば、お中元ドモ〜(遅
いやぁ、それにしても、最後の言い訳考えてるとこ面白いですね。
あ、下に僕の書いた、ギャグ小説もあるので、読みにくいですが、
興味がございましたら、お読みください^^

キーア7/18 16:58:542191cf/cZWdmfTKcw||347
こんにちは。
実は昨日、読んでおりました(ぁ
あとがきがまだでしたようなので、感想は書かずに席を外しておりました(;´▽`A``

竜介ってば最後の最後に良いところ見せましたねv
いや〜少し見直しましたよ(ぇ
黒服の男の仲間が神札をいろんな所で悪用しているのが目に見えてきました・・・。
第1部は終わってしまいましたが、第2部、第3部と続くように祈りながらも
短編を期待して待っています(о。。)ペコッ

オギワラ7/20 21:30:592212cfBcsmysAsVME||32
一様、こんばんわ

街中でバトルをいきなり挑まれたら怖いですね〜( ̄Д ̄;)
竜介はそれに打ち勝てるか……そんなことが無いように祈ります。

短編、キャラが既に変わっちゃってますが、楽しんでいただけたら嬉しいです。

オギワラ7/20 21:34:02212cfBcsmysAsVME||448
崚様こんばんわ。

西橋家は、結構厳しい家柄なのか、言い訳必死に考えてます。
それと、小説読ましていただきましたよ〜^^

是非、次回も宜しくですv

オギワラ7/20 21:36:272212cfBcsmysAsVME||685
キーア様、こんばんわ。

後書きを書くのは苦手だったりするので、たまに後書きは放置します(^∇^)
見直されて嬉しがってるでしょう。しかし、見直されたって事は今までは……

是非、これからも読んでやってくださいませ。


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