8669 | 神札書記 | オギワラ | 7/20 21:16:24 | 2212cfBcsmysAsVME |
本編(第一部) 1〜4話http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8622.html 神札書記・短編集 ミッション:01 ワイト・マンデー |
オギワラ | 7/20 21:17:13 | 2212cfBcsmysAsVME||593 | ||
、 日付も変わり、誰もいなくなった倉庫群は墓場のような静けさを保っている。 そんな倉庫群に、二つの人影が現れた。 「ワイト5、ワイト6。位置につきました」 「――ワイトリーダー了解。指示があるまで待機」 「ワイト5了解」 「ワイト6了解」 現状を、インカムに吹き込む。 二つの人影は、小さい人影が1つと、大きい人影が1つ。 人影の名前は、小さいほうが、鈴野泉(すずのいずみ)大きい人影が、大滝翔太(おおたきしょうた)。2人は、神札のバトラーだ。そして、八角派の作業員でもある。 、 |
オギワラ | 7/20 21:18:33 | 2212cfBcsmysAsVME||2 | ||
B−7番倉庫。 そこで、八角派と対立する村上派が、大口の取引を行うとの情報が、浸透員からもたらされたのが10時間前。 それから、急遽、襲撃作戦が立てられた。 用意された作業員は、泉達、神札バトラーが4名。サブマシンガン等の銃器で武装したガンナーが6名。 急遽編成されたB−7番倉庫襲撃部隊。ワイトチームは夜に潜み、行動を開始した。 B−7番倉庫を包囲するように展開し、神札バトラーは、2人一組でバディを組み、ワイト2、3は、裏口から。大滝、鈴野は正面から突入。 ガンナーは原則、3人一組でバトラーの支援を行う。 、 作戦開始は、2:45。今から、30分後である。 |
オギワラ | 7/20 21:19:16 | 2212cfBcsmysAsVME||918 | ||
、 「鈴野さん、今回の作戦、大丈夫でしょうか?」 缶コーヒーを手渡しながら、翔太が泉に尋ねる。 「……余裕でしょ。こっちは、神札を4枚も投入するんだから。突入後、1分でけり付けられるよ」 「しかし、村上派も、神札を充実させていると――」 「心配性」 翔太の言葉を泉が遮る。 「そんなこと心配したって仕方ないでしょ。心配し始めたらきりがないっての」 「そんなもんですか」 「そんなもんだよ。私たち兵隊は、上から言われた事をやればいいの」 泉が、自嘲的に呟き肩をすくめる。 |
オギワラ | 7/20 21:19:47 | 2212cfBcsmysAsVME||759 | ||
「――ワイト2よりワイト5。あと200秒後に突入を行う。準備はいいか」 「ワイト5。いつでもいけます」 「――頼もしい返事だ。期待しているぞ」 ほぼ、反射でインカムに返事を吹き込む。 どうやらもうそんな時間らしい。泉は自分の時計を見てすこし驚いた。が、そんなことはおくびにも見せずに言った。 「じゃぁ、大滝君。行こうか。君と、きみの神札の初陣だ」 「……はい」 翔太が緊張した声色で頷く。 |
オギワラ | 7/20 21:20:23 | 2212cfBcsmysAsVME||269 | ||
、 倉庫の前で、泉達は3名のガンナーと合流した。 「どうやら、見張りは立ててないようっすね。思ったより楽勝じゃないですか」 髪を紅く染めたガンナーが軽い調子で言う。 「須藤さん、楽観は禁物ですよ……敵にも神札はあるでしょうから」 「マジかよ。それじゃぁ、俺たちの出番はなさそうだなぁ」 「そんなことないですよ。援護射撃がなければ入った瞬間に蜂の巣にされてますから」 そんな事を言っているうちに、突入の時間だ。 |
オギワラ | 7/20 21:20:46 | 2212cfBcsmysAsVME||548 | ||
「おい、新入り」 「は、はい俺ですか」 須藤が、翔太の肩を叩く 「おまえの活躍に俺たちの命がかかってるんだからな。生き残ったら歓迎会だ。頑張れよ!」 「は、はい!」 翔太が勢い良く頷いた。突入まで、15秒。 、 |
オギワラ | 7/20 21:21:54 | 2212cfBcsmysAsVME||237 | ||
行儀良く、突入は正面のドアから。 泉がドアを蹴り開け、札神を召喚する。 「召喚っ!お願い」 「木地神 大屋津姫神、(オオヤツヒメノカミ)召喚に応じ見参!」 眩い閃光と、一瞬の白い煙。 そらが収まった時、貫頭衣を着て、剣を腰に提げた美女が立っていた。 後ろからは須藤達ガンナーが援護射撃を開始する。 「うおーー!召喚」 銃声に負けないような声で翔太が神札を掲げながら叫んだ。 「鉄人札 大石山彦神(おおいしやまひこのかみ)召喚に応じ推参!」 やはり、眩い閃光の後、皮膚の一部が鉱物で出来ている大男が立っていた |
オギワラ | 7/20 21:24:6 | 2212cfBcsmysAsVME||811 | ||
「大屋津姫殿、我が後ろへ」 大石山彦は鉱物の皮膚で弾丸をものともせず進む。 「やれ、大石山彦!」 「仰意」 大石山彦は、バスケットボール程もある拳を振り上げる。 「石砕拳!!」 見かけからは、想像もつかないような速さで拳を振り下ろす。 振り下ろされた拳は、大石山彦に銃を向けていた人間を3人ほど、文字通りに粉砕した。 「く、召喚!!」 村上派のバトラーが札神を召喚する。 それを阻止しようと泉が指示を飛ばす。 |
オギワラ | 7/20 21:25:3 | 2212cfBcsmysAsVME||7 | ||
「させるか!大屋津姫、地蛇旋!!」 「はい」 大屋津姫が、剣を構える。 「はぁーっ。地蛇旋!」 大地を蛇が這うように、衝撃波が蛇行しながらバトラーに向っていき、手前で急上昇する。 バトラーは避けられるわけもなく、衝撃波の直撃を受ける……それはバトラーの肉体を四散させるのには充分すぎる威力だった。 バトラーを失った村上派は、裏口から逃走を試みるが、裏口は既に制圧されている。 今ごろ、裏口では抵抗の意思も力も無い村上派の兵隊を、なぶり殺しにしていることだろう。 そんなことは死んでもしたくない……と泉は考えていた。 制圧までの時間は、僅か1分20秒。 |
オギワラ | 7/20 21:25:29 | 2212cfBcsmysAsVME||710 | ||
、 、 「鈴野さん、ご苦労様でした」 翔太が泉にお茶缶を渡しながら言った。 その顔には、安堵の表情が浮かんでいる。 「言ったとおり、余裕だったでしょ」 「そうでもなかったです。死ぬかと思いましたから」 翔太が微笑みながら答える。 笑えると言うのは、それだけ余裕が生まれたということか 「これからは、きっと私と組んでもらう事が多くなると思うから。宜しくね」 「はい!こちらこそ」 泉が手を差し出すと、翔太が大きな手で握り返してきた。 |
オギワラ | 7/20 21:25:48 | 2212cfBcsmysAsVME||582 | ||
「――おーい鈴野、大滝。歓迎会行くぞ」 向うで、須藤達が手を振りながら大声で叫けぶ。 「え、須藤さん。もうこんな時間ですよ……」 すでに手元の時計は午前3時を指している。 「気にすんな、ほら、さっさと行くぞ!」 「ちょっと須藤さん。私や大滝君はまだ未成年ですから、お酒は勘弁してくださいね」 「少しだけ飲んだって死にはしない。大滝!おまえもそう思うだろう?」 「はい!その通りだと思います!」 翔太が勢い良く頷く。 「分かりました。だけど、飲みすぎないでね」 「よっしゃぁ!」 ガッツポーズをする翔太。 周りにどっと笑いが起こった。 |
オギワラ | 7/20 21:46:20 | 2212cfBcsmysAsVME||728 | ||
〜後書き、もしくは言い訳〜 今回は、短編集の1作目 舞台は倉庫群。対立組織の取引現場を襲撃。取引中の物をまんまと横取りしようと言う作戦です。 ちなみに、ひとつの組織で二つの派閥が争ってるな設定です。 泉は八角派。本編に登場した黒服は村上派。ここら辺の詳しいことは、これから書いていければいいなと考えています。 次回は黒服が主役の話な予定です。期待しないでお待ちください(。・ω・。) |
崚 | 7/20 22:23:29 | 6046cfRUmNP8nPdYo||921 | ||
いや、期待しますよ、オギワラ殿の話ですもん。 まぁとにかく、がんばってくださ〜い^^ あ、短編面白かったですよ〜 もっと、なんか、ギャグ系を入れたものを作ってみると、 心がほぐれるんじゃないかなーと思います^^ ギャグ系作ったほうが、絶対人気出ますって! |
キーア | 7/21 12:48:53 | 2191cf/cZWdmfTKcw||414 | ||
こんにちは♪ 朝からINして読もうとしていましたがよく思えば部活あるじゃん。 と、急いでました(;´▽`A`` 早速短編を読ませていただきました〜。 大屋津姫神と泉がまたまた活躍していますね☆ そんな中、竜介は何をしていたんでしょう・・・。 出てくるかなーと期待しつつ見ていましたが出てきませんでしたね。。 黒服の主役ぶりを少し期待してますよー。 期待しないでといわれればしちゃいますw |
一 | 7/22 12:59:43 | 2202cfflaWz7oZhNA||514 | ||
こんにちわ。 早速、短編集が出ましたね。 その中に、八角派・村上派、という、新しい言葉が出てきました。 その八角派側に、泉達はいるようですね。 そして、今回は相棒が、竜介ではなく、翔太。 普段とは違った味の話が、とてもこれまた面白かったです。 今回、少し気になったのは、八角派と村上派、です。 村上は、一部の最後に出ていた人物なのですよね。 となると、八角、という人物も存在する・・・? 早く出てきてほしいですね。気になります(ぇ では、次回”黒木編”も楽しみにしています。 |
オギワラ | 7/22 16:40:18 | 2212cfBcsmysAsVME||278 | ||
崚様、毎回ありがとうございます。 ギャグ小説ですか…… 自分は、自他ともに認める滑り屋なので、ギャグは鬼門だったりするのですよ。 是非とも崚殿の、期待には応えたいのですが、ギャグ系…… 取り合えず、挑戦してみようと思います(*^^*) 載せるかどうかは分かりませんが、もし見かけたら読んでやってください。 |
オギワラ | 7/22 16:52:0 | 2212cfBcsmysAsVME||579 | ||
キーア様、こんにちわ〜。毎回ありがとうございます。 部活お疲れ様です。そんなに急いで読まんで下さいヽ(´Д`ヽ) 急いで読むほどのモノじゃありませんから^^; 実はこの話、大屋津姫神と泉にはもっと活躍してもらうつもりでした。 しかし、翔太を入れたお陰で活躍が半分になってしまった感じです。 まぁ、自分は翔太を気にいってるんですが。 本編じゃボロボロなコンビだけに、短編ではどんどん活躍する予定ですよ。 次回の黒服こと黒木の活躍に期待しつつ、次回をよろしくお願いします(=´ー`)ノ |
オギワラ | 7/22 17:6:13 | 2212cfBcsmysAsVME||984 | ||
一様、こんにちわ^^毎回ありがとうございます。 「普段とは違った味」ってありがとうございます!実はそれを狙ってたりしたので、素で喜んでいますヾ(〃^∇^)ノ 村上派のリーダーは、お察しの通り第一部のラストを飾った村上社長です。 対する八角派のリーダーにはやっぱり八角さんな予定です。 実は、自分の中でまだ人物像がハッキリしていなくって、登場は少し先になりそうです。しかし、泉や翔太達に絶大な影響力を持っている人物ですから、凄い人なのは確かですね(・ω・)(._.) 次回の黒木編は、村上派の重要人物も出てくる予定ですので、是非楽しみにしてやってください。 |
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