8738 | 魂狩りっ | 足立りょう | 7/28 18:25:36 | 2111cfiSDfoVMsEd2 |
世界には、生と死が混在する。 死は1つと思われがちだが、実は人間は2度死ぬ。 1回目は・・・魂を奪われたとき。これが臨死体験である。 2回目は・・・〔死〕を与えられたとき。これで本当に死んだことになる。 故に、死神にも2つ存在する。 〔魂狩り(タマガリ)〕と〔死渡(シト)〕である。 |
足立りょう | 7/28 18:29:9 | 2111cfiSDfoVMsEd2||880 | ||
この季節、ましてや気温31℃を越える暑さの中、 俺の目の前には、黒い服を着た女と、同じく黒い衣装に身を包んだ少年が立っていた。 「魂、貰いに来たわ」女は呟いた。 「死を、与えに来たよ」少年は囁いた。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ?」 俺の間抜けな疑問符は、風に流れていった これが、〔終わり〕で〔始まり〕だった。 |
足立りょう | 7/28 19:58:8 | 2111cfiSDfoVMsEd2||406 | ||
「アタシは〔魂狩り〕、《粉塵への誘い》スィス――――魂を奪う者」 女が呟く。いつの間にかその手に、大鎌が握られている。 「ボクは〔死渡〕、《逃走不能の飛脚》ディス――――死を与える者」 少年が囁く。いつしかその手は、黒い〔何か〕を纏っている。 そして、瞬く間に二人は俺の脇を通り抜けた。力が・・・抜けてゆく。 「アナタの〔死〕は運命」 「怨むなら、〔あの御方〕を怨んでね」 二人の声が少しづつ、しかし確実に遠のいていく・・・・・・・・・・・。 |
足立りょう | 7/28 20:0:0 | 2111cfiSDfoVMsEd2||717 | ||
あぁ、俺は死ぬのか。 あ、ベッドのしたのエロ本しまうの忘れてた・・・・・・・意味ないか。 こんな状況で冷静になってる俺って・・・・・。 「・・・・・うそ」声がした。しかも、かなり絶望してる。 「〔アイツ〕以外にも、姉さんが狩れない奴が居たなんて・・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つまり、俺は生きているってことか? |
足立りょう | 7/28 20:4:4 | 2111cfiSDfoVMsEd2||550 | ||
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「弘也(こうや)・・・」 ふと、名前を呼ばれた。振り向けば、そこには黒衣を纏ったスィスがいた。 「スィスか」「どうしたの?」 「〔あの日〕を・・・思い出してた」ただ一言、そう言った。 「そう・・・・」スィスもただ一言。 心地よい風がながれてゆく。あぁ、いつまでもこの時間が続けばいいのに。 |
足立りょう | 7/28 20:7:16 | 2111cfiSDfoVMsEd2||607 | ||
でも、〔死〕は必ず訪れる。誰にも、平等に。 俺は、その例外。訪れた〔死〕を、少し引き延ばした。 でも、残りの命全てを、〔死の誘い〕に。 序章『邂逅のあの日』 終 |
足立りょう | 7/28 20:9:44 | 2111cfiSDfoVMsEd2||695 | ||
あとがき? みなさん、今晩わ。 今回は〔死〕をテーマに。 今回〔〕が多いですが、多分全部は説明できません。 これには、ネタバレ要素も含まれてたりします。 取り敢えず、今回もお付き合いくだされば。 では、今日はこの辺で。 2006,07,22 |
ピマ | 7/28 20:23:28 | 2219cfkGn9zkGFx4I||807 | ||
こんにちは、・・今晩は(汗。)あ、初めまして。 死・・ですか。私は、死ぬかと思った!と思うことが結構ありますよ(黙。)これも2人の仕業かな? あの御方や、アイツってのが気になります。頑張って下さいー |
足立りょう | 7/28 20:36:20 | 2111cfiSDfoVMsEd2||314 | ||
ピマさん、感想有難うございます。 今回の設定は、夢のないことを言えば、僕の〔妄想〕ですので。 〔あの御方〕については、冥土の支配者・・・閻魔様やハデスを指していると思ってくださればいいです。 〔アイツ〕は、スィス最初の失敗にして、最大の屈辱です。 まぁ、補足説明を入れつつ、感想への感謝として。 |
チェリー姫 | 7/28 20:53:41 | 2218cf4CCGL56lSrM||721 | ||
なんだか、ディスって、死神のバラッドとゆう本と文体がにていると思ったのは私だけ・・・・かな とても面白いです、そうゆう死に関する物語、結構すきです.続き、読んでみたいです、 |
足立りょう | 7/28 21:8:34 | 2111cfiSDfoVMsEd2||58 | ||
チェリー姫さん、感想&ご指摘有難うございます。 僕も、〔しにがみのバラッド。〕は好きで、本も持ってます。 そんなつもりではなかったのですが、〔1人称〕で書いていたら そういうふうになっていたみたいです・・・・。 ちなみに、ディスは名前です。〔死〕を意味する〔デス〕をいじったものです。 次回も是非お楽しみください。 |
一 | 7/28 21:12:29 | 2202cfflaWz7oZhNA||118 | ||
こんばんわ。 ”魂狩り”という、魅力的なタイトルに釣られてやってきました。 そして、更に、”死神”の文字。 この物語では、”死ぬ者を迎えに・死者を迎えに” という、死神ではなく、”生きている者を殺しに” という、その文字通りの死神のようですね。 どちらかと言うと、本来はそっちが”本当”なのでしょうけど。 しかし、どうやら、主人公はその死神に打ち勝った、 又は、耐え抜いたようですね。 実は何か、そういう能力持ってたり・・・ 次回も(・・・あるのでしょうか?)楽しみにしています。 |
足立りょう | 7/28 21:27:27 | 2111cfiSDfoVMsEd2||874 | ||
一さん、感想有難うございます。 僕の脳内設定wでは、この話の死神は彼女らの他に数組いるだけです。 それを統べるのが〔あの御方〕で、実は彼女ら、毎日大忙しだったりします。 まぁ、彼女らも元は〔死ぬ運命〕にある生物に 死を与えてるので、一般的な死神のイメージと根本的には大差なかったりします。 次回も書く予定なので、是非ご覧ください。 |
足立りょう | 7/28 23:38:59 | 2111cfiSDfoVMsEd2||777 | ||
暇なんで(ぉぃ 第1話でもどうぞ。 |
足立りょう | 7/28 23:42:0 | 2111cfiSDfoVMsEd2||941 | ||
風が、囁いた。 (お仕事です) 黒衣の女は、応えた。 「分かったわ」 黒衣の少年は、呟いた。 「ハツシゴトだよ・・・弘也」 高校生くらいの青年は、言った。 「上等だ」 |
足立りょう | 7/28 23:50:24 | 2111cfiSDfoVMsEd2||164 | ||
「今回のターゲットは、杉浦 智徳とその恋人早瀬 尚」 黒衣の女――――《粉塵への誘い》スィスがそう言ったとき、弘也は口に含んでいたコーヒーを吐いてしまった。 「汚いなぁ、弘也」 黒衣の少年――――《逃走不能の飛脚》ディスは弘也に冷たい視線を向ける。 「恋人っつった、今!?名前からして男同士じゃん!」 青年――――稲瀬弘也は疑問を口にした。 「男同士なんて、今更気にすることでもないでしょう」 スィスは、冷静に弘也の疑問をうち消した。 そう言われてしまえば、弘也は黙っているしかない。 |
足立りょう | 7/29 0:17:46 | 2111cfiSDfoVMsEd2||711 | ||
「でも、シゴトっつっても俺何すりゃいいんだ?」 弘也は、今更なことを思いついた。 「属性を与えて欲しいの」 スィスは、そう言った。 |
足立りょう | 7/29 0:18:2 | 2111cfiSDfoVMsEd2||506 | ||
彼女らは人ではない。 《粉塵への誘い》スィスは〔魂狩り〕――――魂を奪う者。 彼女に出会ったが最期。もう、生の道は絶たれる。 《逃走不能の飛脚》ディスは〔死渡〕――――死を与える者。 彼が与える〔死〕からは逃れられない。 そして、彼――――稲瀬弘也は《精霊の祭壇》と呼ばれることになる。 |
足立りょう | 7/29 0:18:22 | 2111cfiSDfoVMsEd2||48 | ||
この世の〔死〕は《迎えられ――奪われる》のではなく、《奪われて――与えられる》。 スィスとディスの姉弟は、冥土が生まれてから幾千幾万年もの月日を《奪って――与えて》きた。 |
足立りょう | 7/29 0:18:37 | 2111cfiSDfoVMsEd2||484 | ||
死を与えられた魂には《属性》が与えられる。 火・水・地・風・光がそれである。 火は《緋》火霊の元へ。 水は《藍》水霊の元へ。 地は《金》地霊の元へ。 風は《翠》風霊の元へ。 光は《銀》光霊の元へ。 そして、〔あの御方〕の元へ逝く。 |
足立りょう | 7/29 0:19:14 | 2111cfiSDfoVMsEd2||369 | ||
杉浦 智徳は、恋人早瀬 尚のことで悩んでいた。 先週の休日、二人でデートしているところを運悪く二人の親に見つかってしまったのだ。 「どうすりゃいいんだろう・・・・」今日何度目かの溜息をつく。 「尚・・・・・・」愛しい人の名を呼ぶ。 あれから、智徳は尚に会っていない・・・・会わせて貰えない。 只、こうしていることしかできない自分が―――憎い、消えてしまいたい。 |
足立りょう | 7/29 0:19:33 | 2111cfiSDfoVMsEd2||482 | ||
だから智徳は、三人組の死神とやらが、自分と尚に〔死〕を《与え》に来たのだと知ったとき、 喜んだ。 すぐに尚を連れ出して、三人の前に再び戻ってきた。 ふたりはくいのないひょうじょうで、おだやかに・・・・・・・逝った。 |
足立りょう | 7/29 0:19:53 | 2111cfiSDfoVMsEd2||983 | ||
「姉さん、いつも思うけど・・・・悲しいね」 「そして・・・美しいのね」 弘也は、そんな二人の会話を、今し方魂となった二人に属性を与える呪を唱えながら聞いていた。 「同性とか、そんなの関係ないのかな」 「本当に愛しい者のみを愛す・・・それが正しいのかしら」 「大切なことだとは思う・・・・・・・でも」 「一番とは限らない・・・・・か」 風が、二人の魂を運んだとき、その一瞬・・・・二人は泣いた。 弘也は、気付かなかった。 |
足立りょう | 7/29 0:22:1 | 2111cfiSDfoVMsEd2||775 | ||
第1話『ふたり』 終 |
足立りょう | 7/29 0:24:31 | 2111cfiSDfoVMsEd2||8 | ||
あとがき? 今回は説明重視です。 肝心の《奪い与える》シーンはカットしました(コラ 今回のテーマは《愛すること》。 誰を愛し、誰に愛され生きていくのか。 愛に性別や血筋なんかは入り込む余地はない・・・・でも一つの基準にはなる。 そう感じ取っていただけたら幸いです。 では、今回はこの辺で。 2006,7,29 |
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