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8793石壁と猫オギワラ8/3 18:59:182212cfBcsmysAsVME

この季節は、夜明けとともに熱気がやってくる。
木製のベッドを汗だらけにして目覚めると、エルフは生ぬるい水をひと瓶飲み干して、開け放たれた窓の外に広がる木々を眺め、葉の隙間でぎらつく空の白熱で眼球を焼く。


オギワラ8/3 18:59:402212cfBcsmysAsVME||954

道路に舞う砂埃と人々の喧噪が聞こえる。
エルフは、起きたばかりなのにもう1昼夜も働きづめだったかのようにぐったりとした気分で顔を洗い、毎朝これは長い悪夢なのだなと思ってみる。エルフの一日はこうして始まる。


オギワラ8/3 19:0:82212cfBcsmysAsVME||658

ある朝、出かける前に窓を閉めたとき、エルフは石壁の上にたたずむ猫を見た。手を伸ばせば届くところにある石壁と猫はどちらもくすんだ灰色で、初めは気が付かなかったが、猫の瞳が動いたので目にとまったのだ。エルフは猫が苦手だったことを忘れており、あとでそう気づいて振り向くと、そこに猫はいなかった。


オギワラ8/3 19:0:292212cfBcsmysAsVME||964

エルフは自分の荷物を手に、宿を出る。宿の前に行くと、同じ宿に泊まっていたガイドが欠伸をしている。
ガイドは閉口一番「いやぁ、昨日の夜は暑かったですねぇ」とひとり肩を揺すった。
エルフはとくに感想もなく、服の脇にしみだす汗を感じながら街路樹を仰ぐ。


オギワラ8/3 19:1:102212cfBcsmysAsVME||88

ガイドは、目的地の村まで案内する間、ひとしきり自分の娘の話をする。沿道の土埃と田畑の水の匂いが、切れ切れに鼻をつく。
「お父さん、誕生日おめでとう、って猫なで声で言いやがるんですよ。こいつは何かあるぞって思ったら、案の定『欲しい物がある』て言いやがりましてね」

オギワラ8/3 19:1:342212cfBcsmysAsVME||728
「お嬢さん、お幾つでしたっけ」
「もう、働いてもいい年ですよ。家事手伝いでぶらぶらされたら、たまらないですわ。親父の苦労も知らないで」
「はぁ、なるほど……」そこで話が途切れる。目的地の村まではまだかなりの距離があり、農道は日陰一つない。高くなった日の下で乾ききった土の白と炎天の空の白が一つになる。ここは、虫の声もない。水を引いた水田もなく、農耕の人影も、すれ違う人もいない。


オギワラ8/3 19:2:402212cfBcsmysAsVME||471

ガイドの悲鳴が農道に響く。エルフは数秒、土埃越しに前方に立ちふさがる反政府ゲリラの迷彩服と、その背後の白い空を見る。
エルフは小さく叫ぶ。階段を踏み外した時のような、心臓がほんのひと跳ね。
それから、耳が潰れるかと思う爆発音や、一瞬の圧力や熱を感じたのか、感じなかったのか。エルフは今も分からない。


オギワラ8/3 19:5:422212cfBcsmysAsVME||143

エルフは故郷の村で家族に囲まれていた。兄弟の笑い声が聞こえてくる。
続いて突然、エルフは美味くもない飯を食べながら、恋人と笑いあっていた。
さらに時間は狂い、エルフは宿で外の石壁を見ている。そしてエルフは石壁の上に猫を見る。
俺は起きたばっかりだったのかとエルフは考えたが、そんなはずはない。何かがおかしいと思ったとたん、時間はねじれた。砂埃の向うから反政府ゲリラの放った魔光線の淡色の光が迫ってくる。ガイドの姿が吹き飛び、エルフの体も吹き飛ばされた。
こちらを向いている猫の目の、微動もしない黒い穴に見入りつつ、戸惑いながらエルフは石壁の上の猫を見つめる。死が、手招きをしていた。

オギワラ8/3 19:48:302212cfBcsmysAsVME||661

〜後書き、もしくは言い訳〜
今日も暑かったです。
そして、分けのわからない話を書いてます。この話は、夏と猫とファンタジーを書くつもりだったんですが、どこでどう間違ったのか……
反政府ゲリラとか、自分でもアホかと思いましたわ。

リレー小説のほうは、もう少し放置してみようかと思います。
それと、連載していた例の話が復活する予定も今のところ低いです
どれもこれも、やる気のない自分がいけないんですけどね。゜゜(´□`。)°゜。

キーア8/3 21:30:92191cf/cZWdmfTKcw||395
こんばんわ♪
新作ですかー・・・。
なんだか爆発やらいろいろあるみたいで・・・いきなり戦場へ!!?
とか思っちゃいましたよ(о・ω・)ノシ

それにエルフってば、自分が猫嫌いな事を忘れているなんて
うらやましいぐらいですよ(笑
猫は好きですが・・・他の嫌いなものを見たときに忘れていたらどんなに幸せか・・・
思い出したらきっと怯えているでしょうけどね(ウフフ。

神札書記の方も復活予定低いんですか・・・。それでも待ちますよ(ぁ
いつまでも待ち続ける・・・ハズです(ぁ

オギワラ8/4 13:58:322212cfBcsmysAsVME||909
キーア様、こんにちわ。
思いつきで書いたものを載せてしまいました。

戦場と言うか、農道でテロリストに撃たれてしまいます。
イメージはカンボジアだったりもするんです。エルフやら魔光線やらがでてきますが(゚ー゚;A

神札書記は、待って頂いているのに申し訳ないです。
自分の飽きっぽさのせいで、未完の作品2作目になります。
しかし、第一部は完となっていますのでもう少し涼しくなったら第二部を……頑張ってみます。
読んでくださってありがとうございました。

8/5 12:23:132202cfflaWz7oZhNA||222
こんにちわ。
感想遅れてすいません。

今回はエルフが主人公の物語・・・のようですが、
難しいですね・・・

結局は、エルフとガイドは死んでしまったのですよね?
突然の出来事に何が何だかもわからなかったでしょうね・・・
可哀想ですね。

神札書記、どうやら危ういようですね・・・
確かに最近は、小説を書くのには向かない日々が続いておりますよね。
暑いとやる気出ませんしね・・・
それでも、神札書記の次回、楽しみにしています。

勿論、次回作も楽しみにしています。

オギワラ8/5 20:26:142212cfBcsmysAsVME||439
一様こんばんわ〜
感想は書いていただけるだけでありがたいのです><
多少の遅れなんか気にしませんよ。

そう、2人は死んでしまったのです。
唐突に、理不尽にもたらされた死。
テロとか、ホントなくなればいいのにと密かに世界平和を祈りながら書いたりしました。

しかし、夜でも暑いですよね。
続きが全く思いつきません。ココだけの話、いいアイディアはないでしょうか(オイ
次回も、ど〜でもよい話が載る気がしますが見てやってくださいな^^


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