8818 | ・敵国の計画書・第二十話−手掛かり− | 一 | 8/5 13:8:58 | 2202cfflaWz7oZhNA |
前作−堕天使− http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8231.html 第一話〜 第十五話−敵国の最期− http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8677.html 第十六話−真実− http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8702.html 第十七話−復活の花火− http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8725.html 第十八話−ナムンとの決着−http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8747.html(前編) 第十九話−ナムンとの決着−http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8771.html(後編) 第二十話−手掛かり− |
一 | 8/5 13:9:18 | 2202cfflaWz7oZhNA||121 | ||
とても大きい爆発音と共に、一気に五、六の龍の首が吹っ飛び、更に盾の破片が飛び散る。 オレ達は、いそいで地面に伏せて、収まるのを待った。 少しすると、爆風が消える。 オレ達は恐る恐る起き上がった。 すると、目の前には、この世のモノではない、生き物の骨と、 粉々に砕け散った、盾があった。 オレ達はすぐさま、溜息を吐いて、その場に倒れこむ。 |
一 | 8/5 13:9:30 | 2202cfflaWz7oZhNA||367 | ||
ズキッと傷が痛んだ。悲鳴を堪えて、リュックの中を漁って、薬と包帯を取り出し、 巻きつけ、更に痛み止めを飲んで、無理やり傷の痛みを消す。 ちょっと過ぎ、ようやく痛みがひき、ほっとして、再びその場に倒れこんだ。 『兵を一人失い、敵国の生き残りも散ったが、これなら意味ある死だった。 これで、何とか敵将の殺し方はわかったな・・・ 魔物同士の攻撃なら、敵将へも通じる・・・』 大佐はチラリとこっちを見て、頷く。よくやったな、とでも訴えているのだろうか。 |
一 | 8/5 13:9:58 | 2202cfflaWz7oZhNA||758 | ||
その時、ルデューが呻き声を上げた。 どうやら、食べられたのは右手らしい。 『んむ・・・酷いな。手ごと持っていかれるとは・・・』 大佐がルデューの傷を見ながら呟く。 ラシャンも、その様子を心配そうに伺っている。 『ここは本部へ戻った方が良いんじゃないか?』 オレはルデューに、話しかける。 ルデューの代わりに、大佐が、あぁ、と返事を返した。 『私も同感だ。レシイの場合は戦えたが、これでは戦えん。 戦場では役に立たない。』 大佐の意見に少しムッとしたが、言うとおりだ。 |
一 | 8/5 13:10:8 | 2202cfflaWz7oZhNA||318 | ||
とりあえず、大佐は、リュックから傷薬や包帯を取り出し、応急手当をした。 『これで、とりあえず、腕が腐る事はないだろう。』 大佐が薬をしまいながら、告げる。 ルデューは包帯で、グルグルになった腕を見つめている。 恐らく悔しいのだろう。 それもその筈だ。不注意で食われるなど、本望ではない。 |
一 | 8/5 13:10:24 | 2202cfflaWz7oZhNA||106 | ||
すると、ルデューがそばに置いてあった剣を、自分の右腕に括りつけ始めた! 『お・・・おい!』 オレは思わず、ルデューを止めにかかった。 しかし、ルデューはオレを振り払った。 『やめろ。こうすれば、少しでも役に立てるだろう。』 何という考えだろうか。オレだったら間違いなく、本部へ戻るだろう。 すると、いつの間にかルデューは立ち上がり、リュックを背負おうとしていた。 勇気・・・というべきなのだろうか。いや、オレはもっと別の思いだと思う・・・ |
一 | 8/5 13:10:56 | 2202cfflaWz7oZhNA||470 | ||
結局誰も止められなかった。 大佐は溜息を吐き、ルデューに話しかけた。 『ルデュー。もしも途中でピンチになろうと、助けることは無理だぞ。』 ルデューは全く動じずに、頷く。 それを見て、大佐もリュックをちゃんと背負い直した。 『うっ・・・・』 暫く歩き続けると、ルデューが呻き始めた。 やはり無理があったのだ。 『大丈夫か?』 オレは小声でルデューに訊ねる。が、答えは決まっている。 『あぁ。心配するな。』 だが、このまま歩き続けては、ルデューの体が持たない。 何処かで休まないと・・・ |
一 | 8/5 13:11:21 | 2202cfflaWz7oZhNA||501 | ||
そう考えていたら、橋が見えてきた。 あれは、次の国へ続く道だ。 オンボロな橋だが、あちらの大陸と、此方の大陸を行き来する為の、数少ない橋だ。 オレ達は、逸早く進もうと、躍起になって橋へ、はや歩きで進み始めた。 オレはルデューを見ながら進んでいる為、皆から、大分離れている。 が、皆は、もう橋の前だ。 『ふぅ!これで、次の国へ・・・』 そう、ラシャンが言いかけただ、途中で口を噤んだ。 同時に、皆の顔が真っ青になる。 『ど・・・どうしたんだ?』 オレもようやく、橋の前に来た。 そこで、ようやく意味がわかった・・・・ |
一 | 8/5 13:11:33 | 2202cfflaWz7oZhNA||325 | ||
『橋が・・・・無い・・・・』 そこにあった筈の橋は、跡形もなく、粉々に崩されていた。 大佐は、いそいで、橋の様子を見に行った。 ラシャンは、その場に立ち尽くしている。 オレも、その場に立ち尽くすしかなかった。 |
一 | 8/5 13:11:51 | 2202cfflaWz7oZhNA||149 | ||
『破壊されたのは、二、三日前だ・・・ 橋を破壊した銃器は・・・新型兵器か・・・』 大佐は最後まで言わなかった。 皆わかっていることだ。 この橋は、古いが頑丈で、現代兵器では、余程の物を使わないと壊せない。 だが、それを持ってこれる筈が無い。 と言うことは・・・・魔物だ。 しかし、これほどの力を持っている魔物の存在を認めてしまったら・・・ |
一 | 8/5 13:12:7 | 2202cfflaWz7oZhNA||855 | ||
『と、とりあえず、渡る方法を考えよう!』 ラシャンが、苦笑しながら、皆に提案する。 オレも、あぁ、と頷いた。 『永遠と、新兵器や魔物の事を考えていても、仕方が無いだろ。』 オレの言葉を聞いて、大佐が、うむ、と頷いた。 『そうだな。ルデューの件もあるしな・・・』 ルデューは悔しそうに、今は無き右手を見た。(食い千切られたのは右手) オレは、ルデューに、”大丈夫さ”と微笑みかけた。 |
一 | 8/5 13:12:42 | 2202cfflaWz7oZhNA||976 | ||
暫く、辺りを探索していると、谷の下の方に誰かが倒れているのを、 オレが発見した。 『おい!あそこに誰かいる!』 直ぐに、ラシャンが駆けつけた。一歩遅れて、大佐も見にくる。 『生きている可能性は少ないがな・・・いずれにせよ、 手掛かりが手に入るかもしれん。』 オレとラシャンで、早速下へ降りる準備をした。 降りるのはオレ。ラシャンはロープを引く役、で納まった。 少しずつ、体が下へ降りてゆく。 こんな時、つい、ロープが切れてしまうのを想像してしまう。 だが、恐れていても、何も始まらない! |
一 | 8/5 13:12:59 | 2202cfflaWz7oZhNA||193 | ||
そんな恐怖に脅されながら、ようやく下へ降り立った。 この分だと、息はないだろう・・・ とりあえず、オレは倒れていた女性を背中におぶせ、上がっていった・・・ 一応、息はあったものの、もう長くないだろう・・・ 大佐は、応急処置をした後、死んでしまう前に、 手掛かりを得ようと、早速質問しはじめた。 『国で何があったのだ!?』 『・・・魔物・・・魔物が・・・』 やはり、そっちの関係だったか・・・ 『なぜ橋が壊れている?』 『魔物が・・壊しているのを・・・見たわ・・・でも、 私が来たときには・・・もう・・・壊れていて・・・』 |
一 | 8/5 13:13:15 | 2202cfflaWz7oZhNA||274 | ||
どういう事だろう?大方、町の人間を出さない為だろう。 だが、何故、逃がさないように・・・? 『どんな魔物だった?』 『・・ぐ・・・・・・』 女は、それだけ言うと、息絶えてしまった・・・ |
一 | 8/5 13:13:35 | 2202cfflaWz7oZhNA||662 | ||
大佐は、案の定、先へ行こうと、急ぐ。 だが、オレ達は反対した。 『埋葬しよう。』 大佐は呆れ顔で、此方を見てくる。 『この女性は亡くなった。これ以上何も・・・』 オレはギロリと睨みつけてやった。 『オレ達に協力してくれただろ。せめて、 安らかに眠れるよう、埋葬してやるのが、当然だろ!』 大佐は舌打ちして、その場に座り込んだ。 どうやら、手伝ってはくれないらしい。 オレ達は、ため息をつくと、木のそばに、近くにあった石や木等で、穴を掘る。 |
一 | 8/5 13:13:54 | 2202cfflaWz7oZhNA||425 | ||
随分、殺風景な墓になってしまったが、オレ達は、少しの水と、食料を添えた。 『安らかに眠ってくれ・・・』 オレが、小さく呟き終わったのを、大佐が見て、 目を顰めて、此方を見てきた。 『満足か?』 勿論、皮肉だ。 ルデューがギロリと睨んだが、大佐は軽く受け流す。 不意に大佐が口を開いた。 『・・・これで・・・彼女も天へ昇るだろう。さっさと行くぞ。』 大佐の、思いもよらぬ言葉に、ルデューが戸惑って、視線を泳がせる。 |
一 | 8/5 13:14:34 | 2202cfflaWz7oZhNA||278 | ||
大佐は、鼻を鳴らして向こう岸を見た。かなり幅がある。 『昔・・・移動手段に、ロープの上に手で持てるものを乗せ、 それに捕まり、移動する・・・という方法があった。』 大佐がしようとしている移動手段が、嫌でも分かる。 『待てよ。どうやってロープをあっちに?んで、ルデューはどうする気だ?』 大佐はリュックをあさり、一つの銃器を取り出した。 仕組みは、引き金を引くと、中に入っているものを、真直ぐに飛ばせるらしい・・・ |
一 | 8/5 13:14:59 | 2202cfflaWz7oZhNA||583 | ||
『使い道は簡単。中に爆弾でも入れて、発射すれば、どうなるか分かるだろ?』 要は何でも飛ばせる、モノらしい・・・ 勿論、ここでの使い道は、銃器にロープを結び、中へ入れ、発射し、 向こうの木へひっかける。 しかし、これでは、もう一つの問題が、解決しない。 『ルデューはどうなる?』 大佐は鼻を鳴らして、ルデューを持ち上げた。 『魔物というものも、嫌な事ばかりではない。』 |
一 | 8/5 13:15:31 | 2202cfflaWz7oZhNA||635 | ||
”ビュン!” ロープの先端にくっつけた機械が、木に突き刺さる。 大佐は、オレ、ラシャンの順番に、行け!と指示した。 (大佐の場合、+ルデューの体重になる為、重くなる。 もしも、一番先に行き、ロープが切れたら、二人は残らなければならない。 その為に、オレ達を先へ進ませたのだ。) |
一 | 8/5 13:16:0 | 2202cfflaWz7oZhNA||995 | ||
スリル満点だったが、無事につくことが出来た。 下へスリル満点で落ちていかなくて、よかった! その後、直ぐに大佐たちがやってきた。 大佐は、ルデューを下ろすと、せっせと、木に突き刺さった機械を引っこ抜き、 ロープから切り離して捨てた。一度使ってしまうと、使えなくなるらしい。 そして、ロープを引っ張って数分。例の銃器も此方の岸へついた。 |
一 | 8/5 13:16:13 | 2202cfflaWz7oZhNA||658 | ||
『やっと歩いて進めるな。』 ラシャンがオレにニヤリと笑いかけてきた。 オレも、あぁ、と返しニヤリと笑った。 大佐が全て片付け終え、ルデューを立ち上がらせる。 『行くぞ。』 早速、大佐が歩き始めた。 オレは、ふぅ、と息をして、前に向かって進む。 次の国は、ここからすぐだ。 |
一 | 8/5 13:16:37 | 2202cfflaWz7oZhNA||729 | ||
約十五分後、敵国の同盟国・・・リレデウンに着いた。 そこで、思いもよらぬ光景を目にする・・・ 第二十一話へ続く・・・・ |
一 | 8/5 13:18:58 | 2202cfflaWz7oZhNA||890 | ||
こんにちわ。 今回は更新遅かったですね・・ どうでもいい所を長引かせる人。 それが僕なのでしょうか。 一応繋ぎ目といえども、少し長くなりすぎました。 一字一字見逃さずここまで、読んで頂けた方、ありがとうございました。 次回からは魔物国編です。 是非見てくださいね。 又、第二十話を読んで頂けた方は、是非感想を残していってください。 |
オギワラ | 8/5 20:18:1 | 2212cfBcsmysAsVME||517 | ||
こんばんわ 章と章の継ぎ目は、長くてもいいと思いますよ。 某国記も一話かけてやってましたからw 満身創痍の一行。敵国の同盟国へと向いますが橋が落とされていました。 と、そこで虫の息の女性と出会います。 もしかしたら待望の女性メインキャラか!?と思ったのもつかの間。息を引き取ってしまいます;; しかし大佐。墓を作ってあげるなんて情に厚い事をしますね。 ルデューよりもよっぽど人間らしい行動です。 だからといって、ルデューが嫌いなわけだわありませんが^^; 次回、一行が目にした光景とはなんなのでしょうか? いや〜。楽しみにさせていただきます。 |
一 | 8/6 13:1:7 | 2202cfflaWz7oZhNA||877 | ||
こんにちわ。 ありがとうございます。 まぁ、偶にはどうでもいいとこを長くしても・・・(言い訳 思いました。女性キャラがいないので、 仲間にしようかと思いました。 しかし、どこぞやの国民(リレデウンの国民)を仲間に引き入れ、 戦力になるかと思いまして、昇天・・・ ごめんなさい。切る行間違いましたねorz 作ったのは、バルダ・ルデュー・ラシャンです。 そこで、大佐が意外な発言。ってので、ルデューが驚いて−・・ って感じです。 では、次回も見てくださいね。 |
キーア | 8/6 15:11:55 | 2191cf/cZWdmfTKcw||825 | ||
おはようございます〜(* ̄▽ ̄*)ノ~ 時間の狂ったキーアですよ〜 前回は感想を書けずにすいません(*- -)(*_ _)ペコリ ・・・。え? この世の物ではない骨―・・・キャー!!(ぁ そんなものを見たら我を失って、暴走してますよ(笑 この小説始まって依頼(?)の女性キャラですね〜。 息絶えてしまったのはとても残念です(о__) やはり墓といえば、砂を上からかけて、木の棒で十字架をつくって てっぺんに突き刺すでしょ(ぇ 次回を楽しみにしておりますv |
一 | 8/7 12:57:23 | 2202cfflaWz7oZhNA||966 | ||
こんにちわ。 まぁ、幸い人骨ではない為、 そこまでは、騒がずにすんだのでしょうね・・・ まぁ、僕でも大変な事になるでしょうけど。 彼女は伝える為のキャラクターでしたからね・・ 病院に運ばせてもよかったのですが、 物語から外れますしね・・・ でも、再び女性キャラ登場の予感です。 時間があれば、石に名前刻んだりしたでしょうけど、 まぁ、急ぎのようですし、何より時間かけてたら、大佐に殺されます(ぇ では、次回も見てくださいね。 |
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