戻る
8950ABCベガ8/21 18:8:432209cftO6tqsna1tY
All the Best things Come an end、実に約三ヶ月ぶりの第二話です。
2〜3週間ほど前からネットに繋がらなくなってました。
まあその前にもかなり時間あったんですが。すいません。
しかし未だに安定していないというかそんな感じで、なかなかアクセスできません。
次はスレが流れれば土曜あたりに載せられそうですが、それ以降だと見通しがつきません。

第一話http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8204.html

ベガ8/21 18:9:02209cftO6tqsna1tY||984
巫部は猫と対峙した。
猫、とは別になんの隠語でも名前でもなく、黒猫だった。
事の始まりは猫と目が合ってしまったことであり、何となく目が離せないまま突っ立っていたのだが――
「……先生、おはようございます」
何か含んだ声で挨拶をした生徒が通り過ぎていく。
「な…なんですか! はっきりしないのは先生良くないと思います!」
「やあ先生、今日も変だね」
と、お呼びでない男が来た。乾・祐二(イヌイ・ユウジ)、城野の同級にして生徒会会計、神に憑かれた聖人と称される者の一人。
彼は75%までが日本人であるが、銀髪に碧眼と日本人の主張の弱さを象徴しているような容姿をしている。

ベガ8/21 18:9:182209cftO6tqsna1tY||164
「そんなストレートに言わないで下さい! 先生泣きますよ!」
「先生、はっきりしたまえ。
いや、そんなことはどうでも良いのだが。――最後の一人が決まったね? 誰なのか解るだろうか」
「勿論ですよー。城野君です。昨日早速襲われたので助けました」
「また、か。ついに生徒会首脳部が全滅したね。
全く、先生以外は今年の生徒会決定前から聖人となっているのにどうしてこうも必然が重なるのだろうね?」
「必然って言ってる時点で答えは求めてないと思うので無視しますね。
……あ、あれ? 先生かっこよく決めようとしたのに次何言えばいいのか解りませんよ?!」

ベガ8/21 18:9:442209cftO6tqsna1tY||638
場所は生徒会室。そこにいるのは会計に書記、そして聖人として呼ばれた櫟野、中埜御堂。
念のためにいっておくと二人目は中埜御堂、までが苗字だ。
乾と中埜御堂がオセロ盤を挟んで対峙している。盤上の石が凄まじい速度でひっくり返っていく。
二人の思考時間は殆ど零、恐らく石を手で反転させる必要のないゲームなどを使用すれば1分と掛らずに一局終えてしまうだろう。
戦局はお互いの石の数が互角程度、置かれた石は盤の半分ほど。
が、既に角の二つを取った乾がかなり押していて、そのまま押し切った形で終了した。
「やっぱり勝てないねーっ」
「天才だからね」
「もう終わったの? 相変わらずねあんた達」

ベガ8/21 18:9:592209cftO6tqsna1tY||53
最後の声は巳波・澪(ミナミ・ミオ)、生徒会会長である。そして巳波と共に入ってきたのは副会長、木城・玲(キジョウ・アキラ)。
「先生が来ないうちに始めちまおう」
その提案に深い意味は無い。居ると進行が遅くなるということがある訳では無いが、早くなるということも無いという、ただそれだけの事だ。
「そうだな。あの先生の意志は解るだろう。解っていないとしたら今聞いた所で解らない。
そして皆に問うが――戦意はあるかね。無い者は五秒以内に挙手」

ベガ8/21 18:10:172209cftO6tqsna1tY||103
一、の前に中埜御堂がにこやかに手を挙げ、一で苦笑で櫟野が挙手。巳波と木城がそれぞれ二、三で、木城の方は投げやりに挙げた。
四、で無意味に中埜御堂が更にもう片方の手も挙げると、五、で城野が挙げつつ、
「御前の手が挙がってないじゃないか、乾」
と、それまで集まっていた視線の対象を切り替えた。
これは失礼した、と乾が手を挙げると、誰からともなく全員が手を下ろした。
「ではもう一つ。この場に六名。先生を含めて七名の聖人は少なくともここにいる全員が把握しているだろう。
聖人は十二人だという。残り五名をどこまで把握しているか、だが」

ベガ8/21 18:10:342209cftO6tqsna1tY||329
使徒か、と聖人が十二人だと初めて知った城野が呟くと、
「どうだろうね。私もそうかと思って調べたのだが陰陽道の式神も十二人のようだよ。
他にも色々なものが十二で、絞り込むのは無理だ」
そうか、と城野は返し、昨日襲ってきた弦谷の名前を出す。
そこで城野が今まで出てきた同学年の聖人が全員同級生であるという事実に気付き、
これは誰が仕組んだのかと考え始めた。

ベガ8/21 18:11:52209cftO6tqsna1tY||147
「二人の神がまだ誰にも憑いてないんだろ、それと二年の双子の片割れ」
それなりに膨大な生徒数を抱えるこの真離学園(真理、と言ってしまわない謙虚な心がミソだという)では二年生に双子は一組ではないが、
どうやら城野以外の人間はそれが誰だか解ったようだった。これなら何故わざわざ全員で話すのかと思ったが、乾が口を開いたので思考は中断された。
「そして後の一名が不明、か。そもそも十二人いる、というだけで、
その全員が地球にいるという保証すらないのだから校内でこれだけ集まれば上々だろう。
ではかなり早いがこれで解散。集まってくれたことを感謝しよう」

ベガ8/21 18:11:272209cftO6tqsna1tY||549
今更乾は会計であり司会進行をすべきなのは自分だと気付いた巳波が喚いているのを無視して、
十二人目はスーパーマンか何かか。そういえばスーパーガールというのもいた気がする。そういえばあれは何作目だったか――
と無駄に思考する城野に同じく巳波を無視した乾が言った。
「十二人目は十六夜・京也(イザヨイ・キョウヤ)というMAGIの職員だ。この事実を把握していることを誰にも知られないように」
MAGIというのは真離学園の存在する、一般に学園島と呼ばれる新島という人工島の持ち主が運営しているらしいゲーム会社だ。

ベガ8/21 18:11:432209cftO6tqsna1tY||935
何故自分に話すのかと戸惑ったが、何となく悟られるのが癪なのでいつもと変わらない表情で返すことにした。
「知ってるのは御前だけか。そして何故話す。御前一人だけが知っている方が有利だろう」
「少なくとも先程の三人と先生は知らないだろうね。君に話したのは特に理由はない。
もし私が死んでしまったりした時の為の保険だ。誰も全員を把握していない、というのは恐ろしい状況を巻き起こす可能性がある」
「私が全員を把握したからと裏切る可能性は心配しないのか」

ベガ8/21 18:12:72209cftO6tqsna1tY||357
ああ、と乾は苦笑し、
「先生は君に何も教えていないようだね。神の力量には差がある。特に低いのが先生で、高いのが私だ。先生のオーディンが10人いても私のスルトにはまるで敵わない」
神に個人名があったのも初めて知ったが、それより大きな問題が生じたのでそれは置いておくことにした。
「なんだそれは。やる前から御前が最後まで生き残るのが決まっているようなものじゃないか」

ベガ8/21 18:12:202209cftO6tqsna1tY||648
「なんだそれは。やる前から御前が最後まで生き残るのが決まっているようなものじゃないか」
「だからこそやらずに済むように、その私が努力しているのだよ。
私は万人に公平だからね。特に顔も名前も知らず、会ったこともない人間全員に対して。
……だが、一応やる場合にも逆転の手段はある。他の神を倒した神はその力を吸収するという。
だから昨日、弦谷君は我々に宣戦布告をするような真似をしでかしてまで君の神を狙いたかったのだろうね」
「迷惑な話だ」

ベガ8/21 18:12:392209cftO6tqsna1tY||641
全くだ、と乾が返すと、
「あれ、皆さん遅刻ですかー? 全くしょうがない人達ですねー。じゃあ先生が遅れてきたのも帳消しでお願いします」
呼んだの忘れてた、と二人が同時に嘆息したが、知らずに巫部は話を続け、
「あー、なんか櫟野君が弦谷君に襲撃されてるんですが」
「そういった事は開口一番に言った方がいい。ついでに言うとまた携帯無くしたのかね」
「そ、そんな何度も同じ物無くしませんよ! 乾君が着信拒否にするから使えなかったんじゃないですか!」

ベガ8/21 18:12:552209cftO6tqsna1tY||525
短縮の使い方が解らないと言って授業中に何度も掛けてくるので対抗措置を執ったのだよ、と何故か城野に弁明し、
「他の者に掛ければよかっただろう。それより巳波と木城はいなかったのかね」
言いながら巫部の番号を受け付けない携帯で巳波に『戦闘勃発』と簡潔なタイトルだけのメールを送り、
同時に同じく巫部の番号を受け付けない別の携帯で中埜御堂への通話を試みる。
神は神の位置を知る事ができるのだよ、というのは先程のメールで通じるのか、というこちらの疑念を払拭する為か。
『誰かなっ。知らない番号だけど』
知られていないのはそれが乾がメインで使用している携帯ではない為だ。

ベガ8/21 18:13:232209cftO6tqsna1tY||944
歌が流れた。
冗談混じりのウインクに対し、かえってきたのは水鉄砲だったという歌詞だ。
つまり、巳波にメールを送った携帯に着信が入った。
乾はその携帯を城野に押しつけようとしたが、すぐに引っ込めて既に繋がっている携帯を差し出した。
中埜御堂君を頼む、と請われたので城野が対応をしていると、
『何よ。こちとらイチャつくので忙しいんだからふざけてたらあんたの鼓膜が破れるわよ』
という声が城野にまで聞こえた。本気なのは理解した、と乾が返していたので別に音量を上げていた訳ではないようだった。

ベガ8/21 18:13:382209cftO6tqsna1tY||827
中埜御堂にできれば援軍を頼む、との旨を伝えた携帯を乾に返すと、
乾はそれをそのまま何故かその場でぐるぐる回っている巫部に放った。巫部はそれを取り落とし、目を回して倒れた。
乾はメインの方の携帯を閉じ、
「先生はそこで全ての神の動きの掌握を頼む」
全ての神は他の全ての神の動きを掌握できるが、それがどの神かまで解る索敵能力は巫部にしかないと言う事を城野に説明し、
「来るのかね? 戦意のない者が、誰かが命を落とすかも知れない戦場へ」

ベガ8/21 18:13:532209cftO6tqsna1tY||87
言いつつ乾が差し出した手を城野は取り、
「戦闘に至らない為に喧嘩を売りに行くだけだ」
答えを受けた乾はうむ、と肯き、
「それは納得できる返事だ。ならば行こう、私達の頑張りを嘲笑おうとしている奴に、
私達が全力で頑張るとどうなるか、見せてやりにいこう」

ベガ8/21 18:15:132209cftO6tqsna1tY||738
すごく時間が無い状態で書いてる後書き

後八分くらいで仕上げたいところですが、ローマ字入力が使えないPCでかなりピンチです。
えーと、ABCの世界におけるストーリーは現在6個(思いつくたび増える)あり、
それをちょっとずつ書いています。
という遅れた言い訳。後三分。
今回改行の整理ができなかったのは時間が無かったからです。
先生→他の人の呼称まで変わってるかも。
という言い訳。後零分。
乾の携帯の音楽は遊びです。今後も妙に具体的な説明が出たら実在の曲です。
感想の返事できなくてすみません。少なくとも前回分は土曜には返します。
後変なところで切れてすみません。
十分オーバーしました。そんなものですよね。

オギワラ8/23 16:32:542212cfBcsmysAsVME||405
こんにちわ
1話から読ませていただきましたが、凄い世界観を持っているような物語ですね。
世界観のパーツがそこら辺に落ちている気がするのですが、未だに把握できていません。
それか、把握できないようになっているのでしょうか^^;

独特の雰囲気も好きだったり、自分好みの要素が詰まっている気もするので、次回がいつになるか分からないと言うことですが、次回も楽しみにさせていただきます。


本文(<>," shift+7使用不可)
 ※メルアドや電話番号を公表してはいけません、荒らしを批判するのは「俺が神掲示板」以外は禁止!
 
特殊文字 by.チビファンタジー 過去ログ
無料ゲーム総合サイト: おもしろフラッシュ総合サイト: PS2:GBA:PSP:NDS:GC:XBOX