8967 | ・敵国の計画書・第二三話−脱出− | 一 | 8/23 21:34:0 | 2202cfflaWz7oZhNA |
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一 | 8/23 21:35:1 | 2202cfflaWz7oZhNA||362 | ||
これには、心底驚いた。 女性の大尉だなんて・・・ よくも、そんな高い地位まで、たどりついたことだ。 エーデミは、オレに気づくと、愛想良く、微笑んできた。 髪は後ろで束ねており、目は、とても鋭い。 体型は、女性にしては、ガッシリとしているのではないのだろうか。 しかし、やはり、男性と比べれば、小柄で細い。 更に、右頬には、大きな火傷のようなものがある。 |
一 | 8/23 21:35:21 | 2202cfflaWz7oZhNA||223 | ||
『初めましてよね。私は、エーデミ。地位は大尉よ。』 そう言って、手を差し伸べてきたので、オレは握り返して、再び自己紹介をした。 『オレはバルダ。ブルーヴィンの兵士だ。』 この言葉に驚いたのか、エーデミはスッと手を引いて、後ずさりした。 『ごめんなさい。私達のせいで・・・』 この国の人間は、本当に、あの事を悔やんでいるらしい。 『あんたらが、直接悪いわけじゃないんだ。それに、ドワンにも話したが、敵国だって、全員が悪いわけじゃない。 別に気にしてない、とは言えないけど、仕方がないさ。』 オレは、エーデミに微笑みながら話した。 |
一 | 8/23 21:35:42 | 2202cfflaWz7oZhNA||932 | ||
実際、敵国の奴や、此処の兵も、全く憎んでいないとは言えない。 やはり、仕方がないとは言え、国を滅ぼしたのは事実だ。 しかし、オレは、この目で事実を受け止めた。 全員が悪いわけではない。止めようとした者もいたんだ・・・ 『さてと・・・もう一度、元の議題に戻るか。』 オレはドスンと座って、仕切りなおした。 エーデミも、その場に座って、議論に耳を傾けようとしている。 『どうやって、ここを抜け出すかだ。』 再び沈黙が続く・・・ そんな沈黙を、ドワンが破った。 『バルダ。武器はあるのか?』 |
一 | 8/23 21:36:22 | 2202cfflaWz7oZhNA||141 | ||
オレは首を振った。 『入れられる時に、とられた。武器どころか、食料や、薬すらない。』 ドワンが、ガクンと項垂れた。 そんな時、エーデミが、再び沈黙を破り、話し出した。 『私、武器、持ってるわ。』 皆の視線が一斉に向く。 |
一 | 8/23 21:36:36 | 2202cfflaWz7oZhNA||794 | ||
『何故持っている。』 スクワーズが目を顰めて、問いかける。 『魔物の兵に、気づかれない様に、戴いたの。』 『そりゃ、礼儀正しきことで、なによりだ。』 ドワンがニヤリと笑って、エーデミに言う。 エーデミは微笑んで、ドワンの方を見る。 そして、右の靴を脱いだ。 |
一 | 8/23 21:36:53 | 2202cfflaWz7oZhNA||221 | ||
『これよ。』 エーデミが、靴から取り出したのは、ナイフだった。 しかし、ただのナイフではない。 それは先程の、魔物の腰につけてあったナイフだ! これには、心底驚いた。どうやって盗んだのか気になるが、 今は、それどころではない。 『流石だな。エーデミ。』 スクワーズが、フッと笑ってエーデミを見た。 エーデミも、ちらりと見返して、軽く笑う。 |
一 | 8/23 21:37:12 | 2202cfflaWz7oZhNA||41 | ||
『貸してみろ。』 スクワーズが、エーデミに面に声をかけた。 エーデミはため息をついて、スクワーズに投げる。 新しい物に魅かれる所を見ると、スクワーズは、まるで子供だ! すると、そのナイフを、スクワーズはうまくキャッチした。 『貴方、まるで、子供ね。』 エーデミは、厭きれた声で、スクワーズに言う。 |
一 | 8/23 21:37:49 | 2202cfflaWz7oZhNA||482 | ||
『何とでも言え。別に仕掛けが組み込まれているわけでは、ないだろう。』 『もしかしたら、私が組み込んでるかもよ?』 スクワーズの反論に、エーデミが悪戯っぽく返す。 とても、捕まっている様子とは思えない。 と、一番最初から感じる。けど、それは、仲間のお陰なのだろう。 哲学っぽくなってしまうが、やはり、仲間、は大切だな・・・ オレも、もしも一人しか生き残らなかったなら、 とても、魔王探しなんて、やっていられないだろう・・・ |
一 | 8/23 21:38:16 | 2202cfflaWz7oZhNA||254 | ||
と、そんな事を考えていると、スクワーズが早速立ち上がり、 鉄格子にナイフを入れる・・・ すると・・ ”ズッ・・・” とても簡単に、切れ目が入った! エーデミもドワンも驚いているが、 スクワーズは動じずに、上につけた、横の切れ目から、 だいぶ下に、更に横の切れ目をつける。 |
一 | 8/23 21:39:12 | 2202cfflaWz7oZhNA||768 | ||
”ガコン” ついに、鉄格子に大きな隙間が出来た。 『やっとこれで、脱獄成功だな。』 ドワンが、今まで居た牢屋を、まじまじと眺めた。 『少しでも休めて良かったが、とても良いとこじゃなかったな・・・』 オレも、牢屋を見ながら、呟いた。 すると、スクワーズが顎鬚を摩りながら、早く行くぞ。と指示を出す。 『そこで暮したいなら別だが、 今の感想からして、そうとは聞こえてこなかったぞ。』 |
一 | 8/23 21:40:2 | 2202cfflaWz7oZhNA||584 | ||
オレはクックッと笑って、首を横にふった。 『当たり前だろ。此処に住めるのは、子供っぽいアンタ位だろ。』 スクワーズは、鼻を鳴らしてそっぽを向いてしまった。 そして、ナイフをエーデミに返すと、静かにしろ、 との合図を出して、静かに進み始めた。 第二四話へ続く・・・・ |
一 | 8/23 21:44:30 | 2202cfflaWz7oZhNA||939 | ||
こんばんわ。 お久しぶりです。 暇が出来ず、なかなか投稿できませんでした。 やっぱり何処かのシーンに似ている。 自分でも、こういう所には涙が出てきます。 毎回お決まりなのですよね。しかし、新展開を起こすべく 頑張って行きたい思います。 と、そんな発言の直後ですが、次回は懐かしの魔物登場。 勿論ローウェンではありません。大佐とずっと争っているアレです。 更に、その次は懐かしの彼登場。勿論ジェインではありません。 バルダの戦友の彼です。 では、次回も是非見てくださいね。 又、第二三話を見て頂けた方は、是非感想を残していってください。 |
武 | 8/24 15:39:7 | 2201cfVVMlsd9ikFg||603 | ||
こんにちは^^ お久しぶりです^^ 魔物のナイフは切れ味抜群ですね^^ 鉄格子まで・・切れちゃいました。 次に出る・・なつかしの魔物の見当がつきませぬ(ぇ その次のなつかしの彼は…う〜ん何方でしょうか(何 誰が出るのか楽しみです^^ それでは短いですが、今回はコレにて失礼します; |
グー者 | 8/24 22:4:50 | 2102cfZKyE7iNqQ5w||917 | ||
こんばんわ^^ 鉄の格子をスパスパと切ってしまうとは・・・圧巻でした。 あいかわらずのスクワーズの態度がやっぱり好きなのですね〜 頑張れスクワーズ!(ぇ では、次回も楽しみにしています^^ |
オギワラ | 8/26 14:57:9 | 2212cfBcsmysAsVME||883 | ||
こんにちわ^^ 隠し持っていたナイフで安々と牢を脱出。 エーデミ大尉。魔物から頂戴したとはかなりの腕の人物のようです。 顔に傷がある割には、なかなか取っ付きやすい性格ですね。 もっとおっかない人だと思っていました。 少し気になったのですが、軍人の地位=階級でないかなと思ったり。 私の地位はとか言っていたので、少し違和感を……差し出がましい真似をすみません^^; 次回は大佐のライバル?なあいつが登場とのこと。 次回も楽しみにさせていただきます。 |
おっちょここい | 8/29 16:45:27 | 2217cfhQUbvFv0ntM||443 | ||
長いので、最初から読ましてもらいました。 最初のころからするとずいぶん少人数になってきましたねー 脱獄したのはいいですが大丈夫かと思いますが、大佐がまた出てくると聞いたので、再開できるようですね・・あれx2って何でしょうねー また次回楽しみにしてまーす |
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