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905小説    〜何かの犠牲〜イブ6/14 15:23:72191cfrXhw0lYKNxk
再挑戦です。オチがついてるか微妙なのにここに投稿するという、無謀人です。
たぶん。短編ですが、今の時点では2回にわけるか、一回で投稿するか決まってません。

この小説には、一部グロい表現が入っております。

なにやら波紋を呼びそうな話題が主体となっております。あくまで、中立に書いたつもりですので、そのつもりでお読み下さい。

以上の事を踏まえた上で、お読み下さい。

イブ6/14 15:23:432191cfrXhw0lYKNxk||230
数年前の事です。
とあるデモ行進が起こりました。動物愛護の人達によるものです。
その頃は、動物に対しての法は厳しくありませんでした。
法自体も甘く、麻薬の売買ですら取り締まれない状態でした。
だから、誰でも何でも出来ました。殺人や盗みなどは大罪でしたが、それ以外はなんでも出来ました。
それを喜ぶ人もいれば、悲しむ人もいました。
動物についての法を変えた出来事に、かかわった一人の女の人の話です。

イブ6/14 15:24:12191cfrXhw0lYKNxk||700
「キャ〜〜!!これカワイイ!」
女の人は、店の中だというのに、他の客に白い目で見られながらも、毛皮で出来たコートを手に取りながら、黄色い声をあげた。
ここは、風が吹けば吹き飛びそうな・・・といったら失礼だが、少なくとも大型店ではない事は確かだ。
今叫んだ人はこの店の常連客で、毛皮大好き人間である。
「これください!!」
女の人は、カウンターが壊れるかと思う程に、コートをカウンターに叩きつけた。
「毎度ありがとうございます」
レジの男は、少々派手な動きをみせる女の人に、あいそよくニッコリと笑った。

イブ6/14 15:24:322191cfrXhw0lYKNxk||579
「いつもいつも、ありがとうございます。まなさん」
男は会計士ながら、まなに話しかけた。既に名前までしっている仲らしい。
「ほんと!毛皮って大好き!仕事は毛皮を買うためにしているようなものよ!」
「そういって頂けると、こちらもやりがいがあります」
「ここに通うようになってから、何年くらいかしら・・・あ、そうそう。息子さんはどう?」
「はい、お陰様で、無事に中学校入学出来ました」
男がレジを打ち終わっているというのに、まなは世間話のように話し続けた。

イブ6/14 15:24:512191cfrXhw0lYKNxk||526
「おめでとうって、息子さんにつたえておいてください。あ、そろそろ待ち合わせの時間だから・・・また来ますね〜」
「ありがとうございました」
そういって、まなは少し急ぎ足で、店を後にした。

イブ6/14 15:25:32191cfrXhw0lYKNxk||816
まなは、待ち合わせの時間を30分も遅れて、とある喫茶店に向かった。
「おまたせー!」
遅れたのをあくびれることなく、まなは軽快なあいさつで、喫茶店にくつろいでいる男に話しかけた。
「あ、やっと来・・・」
男は、何か言おうとして固まってしまった。
「かっちゃった☆」
「かっちゃった☆って、はぁ・・・」
呆れて物が言えないとばかりに、男はため息をついた。
「あのねー、また毛皮なんか買って、動物がかわいそうじゃないの?」

イブ6/14 15:25:412191cfrXhw0lYKNxk||576
「うるさいわねー。私はそれ相応の代価を払って買ったのよ?人にとやかくいわれたくはないわね」
そういってまなは、手招きで喫茶店をでると男に合図した。
無言で男は喫茶店を出てから、こう続けた。
「だって、何十着も持ってるだろ?」
「何十着も持ってたら、買っちゃいけないの?」
「そうじゃないけど・・・」
男は、少し黙り込んでからこういった。

イブ6/14 15:25:542191cfrXhw0lYKNxk||354
「そのコートに一体何十匹の動・・・」
「それはあなたが毛皮好きじゃないから言えるんでしょ?私はこのコートを買って、幸せだしこれからも買いたいわ。たかが趣味って言われても、そのたかが趣味のために毎日頑張ってるの。そんなこといったら、スナック菓子なんてどうするのよ。別に食べなくても良いのに、ポテトチップスならジャガイモが無駄に消えてるのよ?それとも植物ならいいの?」
「そうじゃないけど・・・」
男は反論できずに、少し小さい声で言った。
「結婚費用はどうするのさ」
「・・・それが本音?」
二人の間に、むなしい風が吹いた。

イブ6/14 15:26:102191cfrXhw0lYKNxk||191
まなは家に帰ってから、今日の毛皮をマジマジとみた。
(明日はどこかに出かけようかしら?このコートを着ないなんてもったいない)
ある程度毛皮を見た後、鼻歌を歌いながらクローゼットを開けた。
中はモチロン、毛皮のオンパレードだ。そこに、今日買ったコートを掛けた。
とても上気分で、まなはベットの中に入った。

イブ6/14 15:26:382191cfrXhw0lYKNxk||663
ガサガサという音で、まなは目が覚めた。
今何時かと、時計を見ると十二時を回るところだった。
まなは時計を見た後、音が鳴った方をみた。
その部屋にある机・・・普段仕事にしか使わない机だが、その上にうさぎがいた。
まなの家にペットはいない。まして、うさぎなんてこの住宅街にいるはずがない。
「あー!」
まなは深夜だというのに、大声を上げた。
うさぎがのっているのは、仕事に使う大事なプリントの上だ。
「ちょっと、どきなさいよ」
まなは急いで机に向かい、うさぎを手で払った。
ピョンとはねて、うさぎは窓から逃げ出した。

イブ6/14 15:26:532191cfrXhw0lYKNxk||676
しかし、うさぎの逃げ方にまなは目をみはった。
ココは二階。うさぎは落下してしまうはずだ。
それなのに、うさぎは浮いている。いや、見えない板の上を歩いているようだ。
まなは、そっと空中を触った。
とても固い感触がして、まるで地面を触ってるようだった。
このとき、不思議に思うかもしれないが、そこを通ってどこかにいかねばならないと思った。
まなは、迷うことなくうさぎの後を追いかけた。

イブ6/14 15:30:252191cfrXhw0lYKNxk||29
うさぎを追って、妙なところに出た。
まるで手術台のようなものや、拷問道具のような機械の数々。
しかし、それ以外はなにもない、広くも狭くもない部屋。
「あ〜、今日の収穫は一匹だけか」
どこから聞こえるのかと、あたりを見回したが、どこにも何もいない。
グイッと、急に何かに引き寄せられるように、一体何が起こっているのか理解できない内に、手術台に寝かされた。
なぜかさっき見えなかった、声の主がはっきり見えた。
一言で言うとおぞましい「何か」がいた。

イブ6/14 15:30:442191cfrXhw0lYKNxk||762
狼と人をかけあわせて「狼人間」というなら、こいつ等は「ダチョウ人間」「ワニ人間」だろう。
「仕事がはやく終わって良かったじゃん」
「仕事がこなくなったんだよ。また給料減だよ」
わざとらしく、ダチョウ人間はため息をついた。
「んじゃ、また給料減る前に、さっさと仕事しろ」
ワニ人間が言った。
「ハイハイ。あー、やだねぇ。こんな作業見たら「人間素材」を買う奴なんかいなくなるよ」
ダチョウ人間は、カチャカチャと機会を動かした。
まなには、こいつらの会話の意味はわからないけど、言葉なら理解できた。
妙な機会は、まなの足に止まりまなの親指のつめをはがしました。

イブ6/14 15:31:02191cfrXhw0lYKNxk||515
「いたい、いたい!」
まなは悲痛の叫びをあげたが、機会は止まらず、次々とつめをはがしていった。
「はい。これアクセサリー用」
無感情の声で、ダチョウはつめを次々と箱に詰めていった。
つめがあった所の、すぐ下の皮膚を徐々にはがし、膝あたりまでで一旦皮膚を切った。
「いたいいたい!やめて、やめてよ!!」
まなは泣きながら、何も考えられない真っ白な頭で、本能のままに叫んだ。
「そんなに泣かないでよ。君も好きでしょ?毛皮?」
そこの奴等はニッコリと笑って、まなに話しかけた。
ピピピピピピピピピピ・・・・・
急にまなの頭の中に、目覚まし時計の音が入ってきて、まなは目を覚ました。

イブ6/14 15:31:402191cfrXhw0lYKNxk||738
リアルに痛みまで覚えているが、アレは夢だったのか?
足を見てもなんにもなっていないし、あんな体験信じられない。
まなはベットから起きあがって、クローゼットの中を見た。
昨日見たのと同じ配置で、毛皮が沢山あった。
見るのも吐き気がして、すぐにクローゼットを閉めてしまった。
自分は今まで、何て事をしてきたのだろう。
自分の趣味と称して買っていた毛皮。裏で大量の動物が犠牲になっているのをしっているつもりだったが、実際はその犠牲も痛みも知らなかったのだ。
自分に自己嫌悪しながら、まなは思った。
一人でも多くの人に教えようと。
毛皮を買う人を・・・いや、毛皮を禁止させようと。

イブ6/14 15:31:562191cfrXhw0lYKNxk||497
次の日。まなは、毛皮を買う店にのりこんだ。
「あ、まなさん。いらっしゃ・・・」
「いらっしゃいじゃないわよ!」
バンッとカウンターを叩きながら、まなは大声で言った。
「毛皮一つで、どれだけの動物が犠牲になってると思ってるの!?それをぬけぬけと売ってるんじゃないわよ」
男は呆然とした。
いつもの常連客がこんな事言ってきたら、誰でも似た顔の別人と思うだろう。
「毛皮を売るのはやめなさいよ。自分が皮膚をはがされたら、どんな気持ちだと思うの?」
「しかし、当店は・・・」

イブ6/14 15:32:112191cfrXhw0lYKNxk||681
「かわいそうだとも思えないの?無駄な趣味のために、動物が犠牲になっているのよ?普通の服でも充分なのに!」
「しかし・・・」
「まだいいわけするつもり!?もう聞きたくもないわよ!」
まなは怒って、店を出て行ってしまった。

イブ6/14 15:32:592191cfrXhw0lYKNxk||546
数年後
「動物愛護団体によるデモ行進」
マスコミのあいだでは、こればっかりが騒がれました。
自由の言論を許す国としては、デモ行進はないに等しかったのです。
法が厳しくなく、圧迫政治でもないのに、国民が不満を爆発させたのです。
だからこそ、このデモ行進はダメージ大だったようです。
モチロン。その中にまなも入ってました。
「まさか、私達が法を動かすことになるとはね」
そういって、まなはベットに倒れ込んだ。
今、まなはとっても幸せだ。

イブ6/14 15:33:142191cfrXhw0lYKNxk||961
法は変わった、明日は結婚式。今日は、その準備で忙しかったくらいだ。
ポチッと、リモコンのボタンをおして、テレビをつけた。
「はい。こんにちは。毎週お送りしている・・・」
初めて見るテレビ番組だったが、司会者のどーでもいい話を聞きながら、まなは眠ってしまった。
「えー。今回は、家出したお父様をさがしたいと、息子さんからの依頼ですね。どうぞ。こちらへ!」
テレビ内の扉が開いて、高校生くらいの男の子が入ってきた。
「こんばんわ。○○君。お父様はどうしていなくなったんですか?」

イブ6/14 15:33:332191cfrXhw0lYKNxk||736
「僕の店は小さな毛皮素材を扱う店をやっていたんですが、法で禁止になって、店が潰れたんです。普通、小さい店が潰れた場合、他の大型店の従業員とかになったりするんですが、他の元同業者さんたちもなりたがってまして、当然職にはつけませんでした」
「なるほど。それで?職を失ったのかな?」

イブ6/14 15:33:532191cfrXhw0lYKNxk||183
「はい。動物に対する事に厳しくなりましたから・・・新しい店を始めるにも、お金はそんなにありませんでした。他の職に就こうにも、失業者が増えて就職難でしたので・・・母と父はいつも大げんかしてましたね。母はパートにでたりしましたし、父も職を探したんですが・・・限界を超えたのか父はおき手紙を置いててでいってしまいました。本当に、あんなデモを起こした人達が憎いです。動物のことしか考えずに、動物が助かれば人はどうでもいいと思っていたのでしょうか?デモが起こるまでの数年間、よく店に手紙や電話がきました。内容は未だに覚えてますね。まるで、動物商品を扱う僕等は人じゃないみたいな事がかかれてました。

イブ6/14 15:34:332191cfrXhw0lYKNxk||638
「売る」人が悪くて「買う」人は仕方がないとでもいいたいのかと思いましたね。「買う」人は、デモをおこした人と同じ一般人です。
最終的に求めるのは一般人です。シャンプー等の売買も取り締まられてようですが、安全性を求めるのは一般人です。
なぜ、そこを見ずに企業を見るのかは理解できません。
僕達だってそうしなければ、食べていけないんです。父が精神的に弱かっただけかもしれませんが、デモなんてなければって未だに思います。
父には本当に早く帰ってきて欲しいです。もう頑張らなくても、僕も少しはお金を入れられる年齢なので・・・」

イブ6/14 15:34:452191cfrXhw0lYKNxk||720
「本当に、つらい話ですね。では、ここで特徴なんかを・・・」
まなは、この話を聞いていなかった。既に深い眠りの中だったのだ。
誰も観ていない部屋に、むなしくテレビの声だけが流れた。

イブ6/14 15:39:462191cfrXhw0lYKNxk||123
一回で終わりましたね(やはり短編)もう少しながくなると思いましたが・・・
一番始めに書いたように、この小説での動物に対する表現は、あくまで中立(のつもり)です。
理解できないかもしれませんが、私は少なくともそう書いたつもりですので、動物愛護のみなさん・その逆のみなさんご理解下さい。

アドバイス・感想お待ちしております。

銀月6/14 16:2:402182cfLMvpixotkc6||62
こんにちは。
読ませて頂きましたm(__)m
自分としては、どちらの立場でもなく、むしろ関心が薄い人間だと思います。
動物愛護について、知っていても深く考える事がなかった、
そんな自分でも何か胸に来るものを感じました。
イブさんのこの小説によって自分の中で何か考える事が出来るような気がします。
ストーリーの展開も、科白も自然でとても読みやすかったです^^
ちょっと意味不明な感想になってしまい、失礼しますm(__)m

イブ6/14 16:27:42191cfrXhw0lYKNxk||724
銀月さん。お読み頂きありがとうございます。
読みやすいと言って頂けて恐縮です。
こんな小説でも、銀月さんの胸に来るものを与えられて、私自身も自分の小説に対して少し自信がつきますね!

私のも意味不明なお返事ですね(苦笑)こんな文で、私の感動が伝われば光栄っす(口調が・・・)


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