948 | 小説 IRU | イクス | 6/16 17:45:32 | 2202cfwKIgBablNMk |
窓から光が射す。 朝焼けの光は鋭く、暖かい。 光が寝ていた男の目に当たった。 「起きたね。」 「ああ、おはよう。」 若い声だ。男は眠そうに目をこすり、伸びをした。 「また旅を続けるの?」 最初の声が響く。人間の姿は一人しかない。 「もちろん。」 「WHY?」 戯けた調子で聞く声。 「自分がここにいる意味を確かめるため・・・かな?」 「たとえ答えが見つからないとしても?」 「それでもいいさ。」 男は立ち上がり、荷物をしまい始めた。 「行くの?イル。」 「行くさ、レフィリス。」 |
イクス | 6/16 17:47:30 | 2202cfwKIgBablNMk||515 | ||
そこは廃墟だった。 高層ビルだったモノは瓦礫の山と化し、道路に使われていた煉瓦にはヒビが入り、 夕陽が煉瓦をオレンジ色に染め上げていた。 その街の裏路地。そこは表通りより圧倒的に細く、雰囲気が違った。 路地は迷路のように入り組んでいて、階段もあれば道幅も違った。 そして生活の暖かさがあった。 そこに一人の男がいた。 男は黒いワイシャツの上に白いパーカー、くたびれた茶色の帽子をかぶっていた。 ズボンのベルトにはホルスターとウェストポーチがいくつも付いている。 「もしかして、迷ったの?イル。」 男の頭上から声がする。 イル、と呼ばれた男は、そうかもしれない、と言って首を振る。 |
イクス | 6/16 17:48:4 | 2202cfwKIgBablNMk||947 | ||
「どうしようか?レフィリス。」 イルはかぶっている帽子に聞く。 「しょうがない。適当に進んで表道りに出ようか。」 「そうしよう。」 イルは止めてあったスクーターに乗る。 スクーターの前後には丸みがかかった大型のボックスが付いていて、 荷物が満載してある。 蜘蛛の巣の様に分かれている道をイルは適当に曲がって行く。 いくつかの通りを過ぎたとき、それは聞こえた。 |
イクス | 6/16 17:48:48 | 2202cfwKIgBablNMk||656 | ||
「うあぁぁぁぁぁぁ。」 イルは少し驚いて、少し考えて、声が聞こえた通りに曲がる。 そこに男がいた。 男は喉を両手で押さえて、もがいてる。 「うわぁぁ、いっいきがぁぁ、いきがぁぁ。」 男はしばらくもがいた後、やっと気づいた。 「・・・できる。」 イルはしばらく眺めた後、男に近づいていった。 |
イクス | 6/16 17:50:12 | 2202cfwKIgBablNMk||678 | ||
「何か勘違いしてないか?」 男の手にはナイフが握られていた。 狂気に目を光らせて男は言う。「今日は。気分はどうですか?」 「おっお前は誰なんだ?ここは何処だ!俺はどうなったんだ!?」 [あまり一度に聞かれても困るのですが・・・まず始めに、貴方は死にました。」 「おっおれが死んだ・・うっうそだ!俺は生きてる!」 イルは淡々と続ける。 |
イクス | 6/16 17:50:54 | 2202cfwKIgBablNMk||546 | ||
「しかし現に貴方はここを知らないはずです。ここは夢の中ですから。貴方は元いた ”夢を創れる世界”で死に、ここ”夢の中の世界”に来たのです。この世界は貴方のいた世界の人が見る夢が混合して出来ていますが、ここにいる人達は夢ではありません。」 「そんな・・・おい、元の場所に戻る方法を言え!」 「無理です。戻れ・・ん?」 「元に戻る方法を言え!」 「それはありません・・それよりナイフを捨ててくれませんか?」 「うん、そうしたほうが良いよ。死にたくないなら。」 呑気な声でレフィリスが忠告する。 「は!死ぬだと?俺はもう死んだんだってな、二回も死ぬか!」 |
イクス | 6/16 17:51:13 | 2202cfwKIgBablNMk||154 | ||
もし貴方が死なないのなら私も死なないと思うのですが。」 「・・・・・」 「知るかぁぁ!」 男はナイフを握り返し、突撃・・・できなかった。 その時男の顔はアイスクリームの様に熔け、原型を留めてなかった。 男は熔けた脂を垂らしながらもがいた。 脂が口を塞いで声も出ない。 「分かってもらえましたか?」 イルの手にはリボルバー型の火炎放射器「ハウル」を手にしていた。 銃口からは黒い煙が出ている。 「あーあだからやめろって言ったのに」 レフィリスはぼやく。 「では、さようなら。」」 |
イクス | 6/16 17:51:29 | 2202cfwKIgBablNMk||937 | ||
そこは廃墟だった。 その廃墟の裏路地に一人の男がいた。 男の目の前には黒い炭人形が一つ転がっていた。 「初めてだったね。あっちの世界から来たばかりの人を見たのは。」 「そうだね、そろそろ行こうか、レフィリス、ヤバそうだ。」 一台のスクーターが走り去っていった。 残された炭人形には黒い人達が群がっていた。 |
イクス | 6/16 17:57:43 | 2202cfwKIgBablNMk||140 | ||
<あとがき> 初めましてー 文章力のなさが著しく目立ちます。シビアな評価、ご指摘等々をお願いします。 また日々掲示板を読み、精進するつもりです。 よろしくお願いしますm(_ _)m |
銀月 | 6/16 18:7:7 | 2182cfLMvpixotkc6||866 | ||
お初です(o_ _)o)) 冒頭の描写のかっこよさに誘われて、一気に読みました^^ 不思議な雰囲気が素敵ですね。 まだ、このお話の世界観が掴めていないので、是非続きが読みたいですw 次回を楽しみにしています。 |
イクス | 6/16 18:13:5 | 2202cfwKIgBablNMk||266 | ||
早速のご感想ありがとうございます。 物語はそれぞれで完結している、短編連作の形で載させてもらいたいと思います。 これからも載せて行きたいのでお願いします。 |
ピゅナ | 6/16 19:33:1 | 2221cfgq4jcCp8VgQ||978 | ||
その場、その場を鮮明に想像できて、楽しく読ませて頂きました^^ 銀月さんのおっしゃるとおり、描写が凄く魅力的ですw 予想できないストーリーも新鮮で、続きが気になります! 続きも頑張ってください^^ |
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