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9497秋と言えば読書の秋_小説の秋11/23 10:28:356119cfzW8HIgLxAqk
空雲様、参加させていただきます^^

今回は初!コメディ…の…はずですが
どうなることやらです…;;


題名「学校の下らない七不思議」

11/23 10:34:406119cfzW8HIgLxAqk||190
「う…10円足りない。」

俺は財布の中をもう一度覗き込む。

500円玉が1枚。100円玉が3枚。10円玉が二枚で一円玉が8枚。

828円。まあ、中学生の財布にしては少し物足りないが…十分な額が入っている。

-で、俺の腹を満たすに足りる食事代は…細かく計算して838円。

ああ、ついてない。

何で今日通学途中に見かけた、持ち主不明の10円を拾ってこなかったんだ…。

と今更だが後悔する。

「何してんの?教助。」

【バシコーン!】と書かれたノート片手に駆け寄ってきたチビめがね。

「…清聖か。」

こいつは清聖といって俺の学校で二番目に頭のいいお偉〜い男なのだ。

11/23 10:41:476119cfzW8HIgLxAqk||737
「あ、またお金たんないの?」

付き合いが長いからか、俺の行動は全てお見通しのようだ。

「悪いケド、校則でお金の貸し借り禁止だから、貸せないよ。」

なら、話しかけるな。

そういってやりたいが後が怖い。

「…制服の着崩しは校則違反じゃないのか?」

静かに諭す低い声は、俺じゃない。

「コレは別なのー。僕のファッションセンスの問題なんですー。

ってか圭。第一ボタンぐらいあけよーよ、学ランのさ〜…」

背が高く、少し細めの圭は一言で言うなら『美少年』らしい。

俺的には『巨身兵』って感じだけどな。

11/23 10:47:456119cfzW8HIgLxAqk||49
じゃれあう二人に背を向け、カレーパンを棚に戻す。

たった10円。されど10円。金の力は…恐ろしい。

レジで会計を済ます頃にはじゃれあいが戦闘になりかけていた。

「…なにして」

「お母さーん!!」

叫びながら俺に抱きつく清聖に驚き、コンビニの袋を取り落とす俺。

「お父さんがイジメル〜!!」

待て。俺は圭との間でお前を産んだ覚えは無い。

「何…!?教助、お前女だったのか!?」

おい、圭までなにノッテやがる。

怒るとか以前に完璧呆れ顔の俺を無視して話は進んでいく。

11/23 10:50:596119cfzW8HIgLxAqk||910
「えっ!教助男子更衣室にいたのに女なの!?キャーエッチ!」

オーバーリアクションを炸裂させて圭の方へと逃げる清聖。

「ドン引きだぞ、教助。」

や、ソレはコッチの台詞だ。

イヤーとかキャーとか言う二人は突然笑い出す。

「あははは!!」

「っ!ははは!!」

…正直この二人のノリにはついていけない。

コンビニの中で爆笑する二人を引っ張り、なんとか駐車場へと放り出す。

ちなみに店員は苦笑していた。スミマセン。

「はははは!!…は〜…」

まだヒーヒー言ってた清聖はそこらに座りこみ、涙を拭い取った。

「あ〜疲れた…って!何で先に食べちゃうんだよー。」

11/23 10:58:426119cfzW8HIgLxAqk||68
メロンパンを頬張る俺に文句をたらす清聖。

「なんで俺が空腹を押し殺して、お前を待たなくちゃいけないんだ。」

メロンパンを完食する俺の言葉にいつのまにか肉まんを買ってきた圭も頷く。

「この二人には人情ってもんが欠けてるな〜…」

口を尖らせコンビニへと入っていく清聖を見送りつつ、

俺はチョコパイの袋を勢いよく開けた。

++++

「ねぇ、学校の七不思議って知ってる?」

ハグハグと板チョコをむさぼる清聖は包み紙を丸めながら言った。

「七不思議?」

悪いがそんなもんきいたことも無い。

「うん。といっても普通の七不思議じゃないんだけどね♪」

ペラペラと喋る清聖。


11/23 11:2:26119cfzW8HIgLxAqk||236
身振りも挿んで語る清聖には悪いが、俺と圭は同時に呟いた。

「「なにそれ。」」

こんなものを七不思議と称して本なんか出版してみろ。

読者からの苦情と返品で破産間違いなしだ、この野郎。

1〜4。これはまあ、よくある話だ。階段の数が増えるとか、な。

5。国語担当者は絶対バク宙ができる。…なんだそりゃ。

それでどうしたっ!って思ったのは俺だけか?

6。校長は毎年はだし政策に失敗する。

はだし政策なんて許可しねーだろ。普通。

それより少し気にかかったのは…

7。『水の音のするホール』かな。

「校舎じゃなくて、ホールなのか?」

11/25 13:27:166119cfzW8HIgLxAqk||601
コンビニから学校へと走りつつ、圭が聞く。

それは俺も疑問だ。何故かって?

校舎は結構歴史ある建物で町の密かな誇りだ。

一方ホールは最近建てられたのでまだ、新しい。

水の音の原因は多分、雨漏りだろうから…校舎の方がしっくりくる。

「うん、だって元々六不思議だったから。」

ズバッ!という清聖。適当すぎて涙が出てくるぞ。

「あ、あと5分で授業…!」

校舎の正面に設置されている巨大時計を指差す圭。

先程校門をくぐったばかりの俺達はスピードを速めた。

たしか次は数学なんだが、遅れたら嫌な罰則が笑顔で待っているのだ。

11/25 13:31:426119cfzW8HIgLxAqk||330
階段を一気に駆け上り、廊下を奥まで走り抜けドアを開ける。

時計は、始業時刻一分前。

「よしっ!セー…フ…」

一番に教室へと到着した清聖が硬直する。

「どうしたんだ?」

俺の言葉に青い顔で振り向く清聖。

「次って…移動教室だった…!!」

ガラーンとした教室の中で空しく言葉が宙を漂う。

呆然と、俺達は力なく…笑った。

11/25 13:41:306119cfzW8HIgLxAqk||676
「七不思議の1つを検証しない?」

罰掃除の最中に清聖が言ったこの言葉で…

午後11時にも関らず、俺達は校門の前に集まった。

リュックの中を引っ掻き回す清聖に、

圭は懐中電灯で中を照らしてやる。

俺は携帯のカメラがつくかを確かめていた。

「何してるんだ?教助。」

圭の声で顔を上げた俺。

「…。そっちこそ何してんだ。」

携帯を閉じ、圭と清聖の行動にしかめっ面を向けてやる。

「侵入。」

「教助も早く登って来いよ。」

校門の上に登り、敷地内に着地する二人。

ぶっちゃけ不法侵入だ。

「だってー他に方法無いんだもん♪」

清聖の一言にため息を1つ添え―俺も校門に…手をかけた。

11/25 13:45:486119cfzW8HIgLxAqk||492
『カシャン』

ホールの扉を押し開け、中に踏み込む俺達。

懐中電灯で辺りを照らすが、特に何も無い。

30分程して、何もみつからなーい。と駄々をこねた清聖と

清聖の我侭に付き合ってやる圭。

二人を置いて俺は一度ホールから出た。

風は強く俺の身体に吹き付けてくる。

「…こんなもん、あったっけ。」

地面にしゃがみこみ、文字の書かれた石を眺める。

石の下の土は、誰かが触った形跡があった。

「何書いてんだ?」

こびりついている土を石から落としつつ、文字を読んだ。

11/25 13:52:376119cfzW8HIgLxAqk||779
【大古から悪しきモノを封じる箱、この地の中にあり

 封印の札剥がし者は血の海に溺れし

 ここに封じられし悪しき者、その名は―】

「…血雨なり。…まさか!」

石をどかし、土を掻き分ける。

薄い紙に包まれている箱の上には[封]と書かれた紙が貼ってあったが…

それはキレイに、半分に破れていた。

「は…嘘だよな。」

こんなバカバカしいこと、有るわけが無い。

箱を元に戻し、ホールへと俺は戻った。

「なあ、ありえないよな。二十一世紀に。」

苦笑し話す俺に圭も頷きながら言った。

「ま、一応もう帰ったほうがいいかもな。」

不満げに清聖は口を尖らせ、つぶやく。

11/25 13:58:146119cfzW8HIgLxAqk||652
「え〜…でも、まだ」

『ピチョン』

しぶる清聖の動きが止まる。

「ね、ねぇ、今」

「俺は水音が聞こえたけど。」

「え、教助もか…?」

三人で、顔を見合わせる。どうやら空耳じゃないようだ。

『ピチョン…ピチョン』

音はどんどん大きくなる…

「なぁ、なぁなぁ…やばくないか」

圭の言葉に一層青くなる清聖。

まさか、こんなことがあり得るとは思ってもみなかったのだろう。

いたって冷静な俺に二人は背中を寄せる。

『ピチョン』

音はもう、目の前に。

11/25 14:5:256119cfzW8HIgLxAqk||105
『くくく…ははははっ!!』

壊れた笑い声と共に現れたのは…女?のような奴だった。

長く、黒い髪が左目にかかってて人相は中々悪い。

白く、ビロビロした服は血でべっとりぬれていた。

鉄のような匂いが、辺りに漂う。

「「…!!」」

二人は絶句している。

当たり前か、俺も腰が抜けかけているのだから。

今ドロップキックをくらえば、間違いなく地獄行きだ。

『殺してやる!殺してやるぅぅ!!』

狂ったように叫ぶソレ。なんていったかな…確か

『私の名は、血雨!貴様も私を醜いと思ったのだろう!殺してやる!!』

妙に声が震えている血雨。

11/25 14:10:326119cfzW8HIgLxAqk||857
「…殺される前に1つ、質問していいか。」

『何よ』

俺をギロッと睨む血雨。

「お前は自分が嫌いか?」

「っ!何聞いてんの!教助!?」

震えながら俺の言葉に疑問を投げかける清聖。

ちょっと黙っててくれないか。腰に響く。

血雨は一歩下がると、叫んだ。

『嫌いよ!だいっ嫌い!!こんなに醜い私をどうやって好きになるのよ!!』

めを血走らせ、髪をかきむしる血雨に俺達は怖さも忘れ、言った。

「自分も好きになれない奴が他人の批判をきにすんのか?」

「ってか何!?被害妄想ですか!?」

「自分で醜いなんていってるから、そう思い込んでるだけだろう…」


11/25 14:14:66119cfzW8HIgLxAqk||888
今度は血雨が絶句する番なのだが…

『ヒドいっ!』

どうやら泣き崩れたっポイのだ。

『だって、どうやって、自分を好きになるのよ!!』

いや、そんなこと聞かれましてもネ。

唖然とする俺に、圭がついつい。と肩をつつく。

「なあ、何か切れるもんない?」

「…カッターなら有るけど。」

こんなときに何に使うのか知らないが、カッターを圭に渡す。

「俺が少し、イジっても良いですか?」

血雨に近づき、ニコリと微笑む圭。

『は…って何するのよー!!』

11/25 14:19:36119cfzW8HIgLxAqk||685
++数分後++

「こっちきてみろって^^」

笑顔で振り向いた圭は、俺らに手招きをする。

渋々立ち上がる俺に、清聖は首を横に振った。

「腰が抜けちゃって…」

あはは。と力なく笑う清聖を残し、血雨の顔を…覗き込む。

・・・絶句

髪を短く切られ、髭もそられた血雨は意外に…

美しかった。目は充血したまんまだったが。

『で、どうなのよ!!』

…性格は変化無しのようで。

「いいんじゃないの」

「うん。可愛いよね^^」

俺と圭の呟きに肩を震わす血雨。

『っ!!や…やっぱり…、もう!何でも無いわ!帰る!!』

11/25 14:23:206119cfzW8HIgLxAqk||525
何かもごもご言い残し、どこかに消え去った血雨。

色々突っ込みたいところが満載だが…

まあ、いいとしようか。

+++++

「ねえ、血雨さんってどんな顔だったの?」

腰が抜けたまんまの清聖は俺の背中におぶさりつつ、帰る途中で呟いた。

「ん…別に?」

「なあ。」

「あー!!また二人だけ。ずっるーい!!」

ぶらぶらと足をバタつかせる清聖に圭が言った。

「なら、今度もう一度、会いに行ったら良い。」

清聖は笑い、圭の頭を軽く叩いた。

「もう、あんな思いは二度とゴメンだよっ!」

悪いが、俺も―同感だ。

11/25 14:25:16119cfzW8HIgLxAqk||551

ある町の、ある学校の―

不思議な、不思議な…【七】不思議。
 

 

―End.

11/25 14:28:466119cfzW8HIgLxAqk||526
アトガキ…。

今日は皆様。

まず、空雲様へ。

こんな素敵なイベントに参加させていただき、ありがとう御座いましたm(__)m

時間がかかった割には、まとまりの無い駄作で申し訳ない;;

そして、ご覧下さった皆様へ。

ココまで読んでいただいて、ありがとう御座いました^^

ひと段落つきましたので今から…

ほかの参加者様の作品を読みに参ります。

感想、ダメだし等ありましたら、よろしくお願いいたします^^


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