9501 | なくしたモノ | 燈那 | 11/23 22:43:30 | 2102cff67cx6//u7. |
−序章− あぁ・・・真っ暗・・・僕って今まで・・・どうやって笑っていたんだっけ・・・ 「何か・・・なくしたモノがおありですね、坊や。」 「・・・ダレ・・・?」 「おっと失礼。私はアトラス。『案内人』とでも言うべきでしょう。」 「案内人・・・」 「ここは2次元の世界。『何か』を失くしてしまった人が来る所。」 「2次元・・・?」 「さぁ、参りましょう、坊や。名前は?」 「拓実・・・」 こうして、旅は始まった。 |
燈那 | 11/25 9:30:57 | 2102cff67cx6//u7.||420 | ||
−仲間、そしてなくしたモノ− 「アトラス・・・ここは・・・?」 「この壁はへムロ。拓実がなくしたモノを見つけてくれるはずです。」 「・・・・」 壁が・・・?何言ってんの。バカじゃん。 「・・・君は・・・最近何かあったんだね?」 「・・・?!」 「言いたくないのか・・・。言ってくれないか?楽になるから。」 「壁なんかに言うことはない。」 「そうか・・・。君はとても大切なものをなくしてしまったようだ。」 「で、アシスタントはどうするのです、ヘムロ。」アトラスが心配そうに聞く。 心配しなくても良いじゃないか。僕は僕だ。 |
燈那 | 11/25 9:31:49 | 2102cff67cx6//u7.||894 | ||
「桃子と・・・翔が良いだろう。出ておいで。」 出て来いって・・・どこからだよ。もう、ほっといてくれよ・・・ 「はぁ〜い☆桃子です♪仲良くしてね❤」 「翔だ。で、カベ。こいつは何をなくしたんだ?」 「ヘムロだって(怒)どうやらこの子は・・・『表情』の中でも『笑顔』をなくしてしまったようだ。」 「そっかぁ。じゃ、笑わせればいいんでしょ?そうと決まったら生きましょう!」 「ちょっ!ちょっとストップ・・・。行くってどこへ?」 |
燈那 | 11/25 9:32:49 | 2102cff67cx6//u7.||967 | ||
「はぁ?!ここまで来てまだいってんのか?このモヤシは。」 「二次元の世界に、拓実のなくしたものを探しに行くのですよ。」 「・・・・。」 「さぁ、行きましょうか。2次元の世界へ。」 「・・・・。」 このメンツで行くのも・・・・楽しいかも。僕は小さくうなずいた。次ここに帰ってくるとき、にっこり笑えるように・・・・ |
燈那 | 11/25 9:33:17 | 2102cff67cx6//u7.||57 | ||
−僕の世界を見つけるために− 「あのね、拓実。2次元の世界は広いの。無限に広がっているのよ。」桃子が言う。 「無限に・・・」 「だから、貴女の『何か』を見つけるためには、貴女自身の世界を見つけなくてはいけないの。」 「僕自身の・・・世界・・・?」 「そう。貴女自身の世界。」 「・・・。」 |
燈那 | 11/25 9:33:45 | 2102cff67cx6//u7.||321 | ||
「拓実の世界への入り口は、拓実にしか見つけられない。拓実にしかわからない。我々は、拓実の世界を見つけることはできないんです。分かりますか?」 「なんとなく・・・」 「では、拓実に問います。扉を開く?開かない?」 「え・・・?えと・・・」 「早くしろよ、チビ!」 「・・・開く・・・!」 ブゥン。という音と共に、扉が開いた。 「ここが、拓実の世界です。」 |
燈那 | 11/25 9:34:25 | 2102cff67cx6//u7.||779 | ||
−最後の“笑顔”− 「ここが・・・拓実の世界・・・」 辺りは荒涼とした風景。僕の心そのままだ。あの日からの・・・ 「拓実がなくしたものは『笑顔』です。翔。」 「チッ!結局俺かよ。」 「・・・?」 「私たちにはそれぞれ能力があるんだけど、翔は人の心の中に入ってその人を調べられるのよ。」 「ふーん・・・」 「ああ見えてエリートなのよね。アイツ。」 |
燈那 | 11/25 9:34:48 | 2102cff67cx6//u7.||314 | ||
「Time Return!the final smile!」 だんだん明るく、空が晴れ渡ってくる。 「ここだな。最後に笑ったのは・・・11月13日。約1ヶ月だな。何があったんだ?チビ。」 「・・・!」 |
燈那 | 11/25 9:35:14 | 2102cff67cx6//u7.||627 | ||
−11月13日− 11月13日。僕が最後に笑った日。 大親友だった友樹を自分のせいで事故に遭わせてしまった日。 忌まわしい記憶がよみがえる。 1ヶ月前。僕らは大好きだったサッカーをして遊んでいたんだ。 「拓、行くぞ!それっ!」友樹がボールをける。 「あっ!遠くに行きすぎだよ!友樹!」 「ごめんっ!気をつけて取りに行けよ!」 「分かってるって。」 僕がボールを取りに行く。車が飛び出してくる・・・・ |
燈那 | 11/25 9:35:32 | 2102cff67cx6//u7.||206 | ||
「拓、危ないっ!」 拓実は、宙に放り出だされている友樹を見た。 とたんに、プツンと音を立て、巧みからは笑顔が消えた・・・ あたりは血の海。その血が友樹のものだとは思いたくなかった。 |
燈那 | 11/25 9:36:9 | 2102cff67cx6//u7.||582 | ||
−EGAO− 「そう言う事、か・・・」 「・・・」 「親友の“死”があったのね・・・」 「僕は・・・本当は生きてちゃいけないんだ・・・この命は・・・友樹のものなんだよ!」 「どうして?」 「・・・え・・・?!」 「どうして友樹君の物なの?」 「友樹は僕を助けたから死んだんだ!」 「もし拓実が死んでいたら、友樹君も同じ気持ちだと思うわ。」 「何でだよ!」 「友樹君がけったボールを取りに行った拓実がもし死んでいたら、貴女と同じ状況になるんじゃない?」 「・・・・。」 「あなたの命は貴女だけのものよ。ほかの誰のものでもない。分かる?」 「・・・・。」 |
燈那 | 11/25 9:36:34 | 2102cff67cx6//u7.||299 | ||
「友樹君に罪悪感でも抱いてるの?」 「・・・うん。」 「だったらスッキリしちゃいましょう。」 「え・・・?」 「桃子の能力は、幽霊を呼ぶことができるのですよ、拓実。」 「Come on!Tomoki ghost!」 「はぁ・・・?」 懐かしい声がする。友樹だ・・・! |
燈那 | 11/25 10:5:14 | 2102cff67cx6//u7.||910 | ||
「と・・・もき・・・?友樹だろ・・・?」 「・・・。拓・・・?」 「友樹・・・!」 「拓・・・。どうしてここに・・・?」 「友樹・・・あ・・のさ・・・」 「ん・・・?」 「僕の事・・・憎んでる・・・?」 「ううん・・・憎んでなんかない。」 「え・・・?でも・・・友樹が死んだのは・・・」 「俺があの行動をとったのはお前に生きていて欲しかったからだよ。」 「友樹・・・」 「自分に自信を持って生きろよな!」 「あ・・・りがとう・・・友樹・・・」 |
燈那 | 11/25 10:5:43 | 2102cff67cx6//u7.||937 | ||
「あの〜・・・」 「・・・?」 「ごめんなさい!時間切れです。本当にごめん!」 「ううん。ありがとう、桃子さん。」 「どうもっ!」 「Time Up!Return!Tomoki ghost!」 「ありがとう、拓。」 そういって、友樹は消えていった。 |
燈那 | 11/25 10:6:1 | 2102cff67cx6//u7.||478 | ||
「拓実・・・」アトラスが心配そうに聞いてくる。 「ねぇ、アトラス。」 「・・・?」 「僕さ・・・もう一度、前向きにがんばってみる。でも・・・辛くなったら会いに来てもいい・・・?」 「もちろんです。お待ちしていますよ。」 「どうやったら来れる?」 「普通の方は来られませんが、このkeyを空中にはめてひねってみてください。2次元の世界が広がるはずです。」 「うん。分かった。」 「では、ヘムロのところに戻りましょう!」 |
燈那 | 11/25 10:6:27 | 2102cff67cx6//u7.||465 | ||
−WAKARE− 「帰ってきたね、拓実。」 「うん、ただいま、ヘムロ。」 「あっ!笑えるようになったのか。良かった。」 「本当にありがとう。感謝してる。桃子、翔、アトラス、ヘムロ。また会いに来るからね。」 「うん!拓実も元気でね!友樹に会いたくなったら、いつでもおいでっ!」 |
燈那 | 11/25 10:7:14 | 2102cff67cx6//u7.||23 | ||
こんな事言ってみたけど、本当はそんなこと2度とないって僕は知ってる。みんなも知ってると思うんだ。でも、本当に感謝してるよ。暗闇に負けそうになっている僕を、助け出してくれたから・・・・!バイバイ、みんな! 僕は佐野拓実。前向きな、中学1年生。 |
燈那 | 11/25 10:19:17 | 2102cff67cx6//u7.||927 | ||
−人物紹介− @佐野拓実→13歳の男の子。名前は、同級生だった男の子から拝借しました。 A浅野友樹→13歳の男の子。11月13日に事故死。友樹はお気に入りのキャラですw Bアトラス→初老の老人。名前は直訳で地図。案内人にはぴったりだと思って命名。 C桃子 →16歳の女の子。名前はその場の気分でつけました。 D翔 →18歳の男の子。桃子とは正反対の性格ですね。汗。 Eヘムロ →このキャラも結構お気に入りです。謎めいていますね、一番。 |
燈那 | 11/25 10:19:49 | 2102cff67cx6//u7.||263 | ||
感想お待ちしてますw |
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