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9618変り種&(小説)口笛〜シェイラ12/19 5:32:332191cfRPKfuarlpfk
拙い言葉達ばかりですが、あなたの心に一片でもかかる事が出来たら幸いです。
バルトークさん、istintさん.
下に返事を書いていますので、見ていただいていれば、嬉しいです。
自分がポカした所為で、この間投稿した物の下が見えなくなってしまいました(;´Д`)本当にすいません

シェイラ12/19 5:33:62191cfRPKfuarlpfk||454
あくび

 ふぁ〜
 ふぁ〜
 ふぁ〜
今日も眠くてたまりません
 だけどどこかに出掛けたい
だけどもあくび
 ふぁ〜
 ふぁ〜
 ふぁ〜
今日も何処にも行けません
残念無念また来年
 ふぁ〜
 ふぁ〜
 ふぁ〜

シェイラ12/19 5:34:342191cfRPKfuarlpfk||849
有名人

  聖徳太子
自分はそんなに偉くない
  ヒットラー
自分はそんなに悪くない
  オードリー・ヘップバーン
自分はそんなに美人じゃない
  美空ひばり
自分はそんなにうまくない
  金さん銀さん
自分はそんなに生きたくない
  ジャパネットのたかたさん
自分はそんなに成功しない
  てか、自分はそんなに有名になりたくない

シェイラ12/19 5:34:552191cfRPKfuarlpfk||341
政治
りこうな奴、首に縄かけて
 ばかな奴、胸に勲章つけて
ぐるぐる回すは
 普通の奴

シェイラ12/19 5:35:322191cfRPKfuarlpfk||824
口笛

 状況を説明する。目の前には頑丈そうな扉。(まあ、オレにとっちゃなんともないが)外れかけたナンバープレートには微かに「129」。そして、締め出されたでかすぎる体。明り取りの窓からは馬鹿に明るい光がしこたま背中にぶつかってくる。昨日の飲み過ぎた安酒が、頭に回って痛い。
「お〜い。もう、いいだろ?中に入れてくれないか?」

シェイラ12/19 5:36:202191cfRPKfuarlpfk||849
帰ってくるのは無言ばかり。この膠着状態が確か、四時間程続いている。いい加減辛い。すると、たんたんと中の奴に交渉をしに行っていた嬢ちゃんが近付いてくる。
「じょ、あ、どうだった?」
 おっと、こいつの前で言っちゃいけねぇ。何故なら。
「……駄目だった。さっき、あの馬鹿が窓から中に入ろうとしたけど、術喰らって窓の外で伸びてる」
 ほら、あのやけにでかい大剣、地味に構えてる。

シェイラ12/19 5:37:122191cfRPKfuarlpfk||739
「ああ、すまん。そうか、ありがとよ」
 大剣がゆっくりと下ろされるのを見つめながら、ふうっとため息をつく。
「どうって事ないよ。それより、あいつに言ってやって。怪我とかは大丈夫。回復術かけたし」
 あ〜。こいつ、オールラウンダーだからな。回復出来て、大剣ぶんぶん振り回して。時たま、オレの腹に拳ごすっと。ううっ。頭が余計に痛くなってきやがった。この暴力娘が。心の中でぶっちらぶっちら呟くが、敢えてのビークール、ビークール。

シェイラ12/19 5:37:382191cfRPKfuarlpfk||490
「てか、あんたが原因作ったんじゃん?」
 しかも、いつも以上にきつい目で睨んできやがる。ああ、頭がいてぇ。確かに、オレらが外に放り出されて、何度も中に入ろうとして失敗(オレも何度か、入ろうとして手痛い制裁を喰らった)してるのも、全ての根っこにあるのは、オレの所為だ。

シェイラ12/19 5:38:102191cfRPKfuarlpfk||170
 昨日、オレはひたすら、でかい森ん中を歩き回って着いたこの街のこの宿で、安酒をあおっていた。未成年が多い仲間の中で、飲めるのはオレとあとは姐さんと若旦那位のもんで、昼間っからオレは酒飲み仲間とちびちび楽しくやっていた。そして、ついと、仲間の一人が持ってい笛を見つけちまった。

シェイラ12/19 5:38:362191cfRPKfuarlpfk||924
『おう!いい笛、持ってるなぁ!坊』
 それはやたら綺麗なガラスで出来ていて、子どもがいかにも喜びそうな、可愛い鳥の形をしてやがった。ああ、あいつに持って帰ったら喜ぶかもなってやつがさ。
『な、何だよ?わ、悪かったな。僕が笛なんて持ってちゃ悪い?』
 ぶんむくれた顔が、オレが取り上げた笛を不安そうに見上げている。
『悪くはねーよ。吹く位いいだろ?』

シェイラ12/19 5:39:152191cfRPKfuarlpfk||441
 オレはほんの軽い気持ちで、笛を口元へ持っていった。すると、奴がちっこい手で、こちらへ手を伸ばしてくるんだよ。
『ダメだよ!それ、僕んだから!』
 オレは座ってても、坊より背が高いもんだから、ついつい遊んじまったんだよな。 右へ左へ。ここはお決まりの案の定。
 するっと、手からそいつが落ちて。あっという間に、床へ。
 ガシャン。辺りに耳障りな音が響いた。

シェイラ12/19 5:40:322191cfRPKfuarlpfk||700
 ここからは、ご想像の通りってやつか?あいつが、切れてこの部屋に立て篭もって、はいこの状況。
「扉を壊すわけにも、いかねぇもんな」
「だよね」
 中の坊はやっぱり、答えてこない。奴が中に居る事が解るのは部屋の窓から進入しようとすると無差別に吹っ飛んでくる低級な方の風の術位。窓の外にはそれこそ、トロルが三匹位街に侵入してきても充分に平和そうな街があって、ますますげんなりとさせてくる。

シェイラ12/19 5:41:32191cfRPKfuarlpfk||153
「どうだ?そっちの様子は?」
 声がして向くと、若旦那が立っている。大方、嬢ちゃんの身を案じてきたんだろう。コイツはコイツでやたら、争い事に首突っ込む性質だし、若旦那は若旦那で体が弱かったり、まぁ色々な理由から、皆に気い使われる分使ってるしな。
「この状況見て、解んねぇか?ダメに決まってんだろ?」
 大げさに手振り、身振りをつけてみるオレに一言。
「元はと言えば、あんたの所為だけど」
 じと目で見てきやがる。うぐ、痛い所ついてきやがったな。しかも、若旦那も。くそダブルパンチかよ。

シェイラ12/19 5:41:472191cfRPKfuarlpfk||40
「けどよ。何であいつここまで怒ったんだ?あいつここまで切れるとは正直思えねぇんだけど……」
 そうなんだよな。坊はあんまり、切れる事がないっつうか、確かに今回オレが大切な物を壊したのは嫌がおうにも解る。けど、こんな風にまるで、我侭が通らなかったみたいな抵抗の仕方をするとは、全く思ってなかった。もっと、オレに対してだけに、怒りの矛先を向けてくる気がしていた。それが違っていて、少しだけ驚いてる自分が居たのも本当なんだよな。

シェイラ12/19 5:42:112191cfRPKfuarlpfk||813
「え?昨日何したかあんた、やっぱり覚えてないとか?」
 少し、冗談めいて言ってくる。
「ばーか。そこまで耄碌してねぇよ。俺が笛壊した事だろ?」
 と、若旦那の表情が一変した。
「その後に言った”言葉”は?」
「ん?オレその後になんか言ったか?」
「言ったんだよ。言っちゃいけない事を!」

シェイラ12/19 5:42:292191cfRPKfuarlpfk||711
いきなり、詰め寄ってくる嬢ちゃんの剣幕に、オレは壁にどんとぶつかる。確かに覚えてない。最後に残っている記憶はあの耳障りなガラスを割る音で。
「う〜ん。その後、すぐ酔い潰れて寝ちまったはずなんだけどなぁ」
 歩きつかれた事と、酒を飲める面子の中で一番弱い事もあって(年齢は一番上なのだが)オレは早々にリタイヤした。はずなのだ。
「お前馬鹿だな。肝心な所忘れてるじゃないか」
 低く束ねた黒髪を揺らしながら、決定的な一言を放つ。

シェイラ12/19 5:42:482191cfRPKfuarlpfk||36
「『足手まといなんだよ』って言ったんだよ」
 その時、オレの記憶の中にかかっていた靄はまるで、最初から何もなかったみたいに急速に晴れていったんだ。そして、あの記憶が俺の中でゆっくりとまわり始める。
『あ』
 瞬間、奴はまるで受け止めようかとするように、それに駆け寄っていく。しかし、誰の目にも明らかだった。鳥の形は原型なんぞ一つも残していなくて、最初から粉のガラスとして作られたように散らばってるのが。僅かに尾と思しき場所が、小さな三角に残っていただけだった。

シェイラ12/19 5:43:52191cfRPKfuarlpfk||67
『な、何するんだよ!』
 半泣きになりながら、あいつはオレの腕を掴んでくる。
 オレは酒が回って更に出来の悪くなった頭でしか考える事が出来なくなっていた。それでも、残っていた少しの良心で体が動く。
『す、すまん。壊しちまって……』
 拾おうとするが、手をさっと払われる。
『やめて!だから、触らせたくなかったんだ!』
 オレの中の堰が、良心が、ぷちりと断ち切れた。

シェイラ12/19 5:43:372191cfRPKfuarlpfk||604
『そんなに、大切なものなら、何故ここへ持って来た?鞄の底にでも入れておけば良かったじゃないか』
 剣幕にたじろいだのか、坊は後ずさりするがその瞳だけはオレを憎む色をたたえたままだ。
『うるさい!あんたが壊したのに、人の所為にするな!』
 抑えが効かないオレに、姐さんが割って入る。
『ねぇ、もうやめてよ。ほら、他のお客さんに迷惑でしょ?』
 それさえも振り払い、言葉を乱暴に繋ぐ。

シェイラ12/19 5:43:572191cfRPKfuarlpfk||113
『何だと、坊。……なら、最初から、付いて来なければ良かったじやねぇか!大体、ガキすぎるお前が旅をすること自体無理なんだよ!オレは最初から反対だったんだ!足手まといなんだよ!おめぇなんて』
 瞬間、奴は堪えきれなくなったように飛び出して行った。今度は、反論もせずに。床には粉ガラス化した笛が転がったままだった。
 それさえ忘れて、オレは安酒を一気に飲み干した。仲間の非難ももう耳には届いていなかった。そのまま眠っちまったんだ。自らが犯した失敗に気付きもしないで。何で、今まで思いだせなかったんだろうか。普通なら、記憶さえすっ飛ぶはずなのに。

シェイラ12/19 5:44:262191cfRPKfuarlpfk||705
 けれど、オレがあんなひでぇ事をあいつに言ったのに、よくもまあ毛嫌いせずに傍に居てくれるなんて。嬉しいじゃねぇか。このやろー。確かに、良く考えてみると窓から侵入しようとした時の他の奴らの反応とか妙に寒かったのもこれで頷ける気がする。
「でも、あんたの意見ってさ、確かに一里ある面もあるよね」
 嬢ちゃんは詰め寄るのを止める。

シェイラ12/19 5:44:512191cfRPKfuarlpfk||200
 さすがに、若旦那は頷きはしなかったが、思う所があるらしく黙ったままだ。
「だって、あいつまだ、八つだよ?八つの子どもに戦わせるなんて酷な事、はっきり言ってあたしはしたくない」
 ここで、若旦那が異を唱える。
「けれど、あいつはあいつで、それなりの覚悟を決めて俺達の旅に付いて来るって言ったんじゃないか?例え、それが個人的な感情であったとしてもさ」
「個人的な感情だとしても、小さな頃から食べる為以外に生き物は殺して欲しくないんだ。それでなくても、あの子は辛い死を見続けてる」

シェイラ12/19 5:45:92191cfRPKfuarlpfk||618
「それも、覚悟の上だろ。あいつの中であいつが決めた事だ。俺達が干渉すべきではないと思う。それに、置いて行かれた所で、あいつは何処で暮らすんだ?家族も居なくて、故郷もなくなったんだぞ」
 破壊し尽された家々。壁に残る生々しい跡達。雑草の生えた中に、幾百もの粗末な木板の群れ。その隅のやっと雨風がしのげるような場所に、坊は同じ部族という繋がりだけのじじぃと生活していた。動けないじじぃを養う為に、坊は二年間必死だった。そのじじぃも坊を庇って死んだ。

シェイラ12/19 5:45:282191cfRPKfuarlpfk||67
 オレらはそんな坊の絶望を見ていた。救ってやりたい。その思いは本当だった。
 けれど、その思いは坊をこの危険な旅に同行させる事の裏返しでもあった。
「でも、オレは正直言ってあいつにとって辛すぎると思う。これから、先何年も悩んで苦しませたくはねぇんだよ。だって、まだあんなにちっちぇんだぞ?ちょうど、オレの娘みたいでさ――」

シェイラ12/19 5:46:82191cfRPKfuarlpfk||681
 零れでた言葉に少し、戸惑いを覚えつつも、言葉を続けようとした。けれど、その瞬間オレはオレの中で気付いてしまった。小さな子の笑顔。今、二つの絵がぴったりと重なった気がした。ぱっと、何で今まで思い出せなかったのか解った気がした。それは、つまり、オレにとってやたら悲しい記憶だったに違いないからだ。まるで、自分の娘を叱りつけたように。オレには一応、妻も居るし子も居る。諸々の事情があって、こんな事をしているが家族が居る。

シェイラ12/19 5:46:302191cfRPKfuarlpfk||223
でも、ウチのよりちっちぇあいつには、家族も居ねぇし、暖かい家もねぇ。だから、オレは支えになってやろうと勝手に思ってあいつを自分の子にダブらせて、見ていたんだろう。なんて、最悪なんだよ!オレって。
 いや、そんなことより、坊の方だ。自分が必要のない存在と言われてとても、苦しかったに違いない。謝らねぇと。謝らねぇと。

シェイラ12/19 5:48:362191cfRPKfuarlpfk||113
「謝らねぇと!」
 声がいきなり出た。隣の二人がぎょっとするほどの。
「つー訳で、お前らすまねぇけど、他の奴らの所、行っててくれねぇか?」
 一人で謝りたい。こいつらには関係ねぇしな。
「えっ!何で?話の途中じゃん?結局、どうにもならない事は解ってるけど……さ。でも、説得するならあたし達が居た方がいいんじゃない?」
 嬢ちゃんの言葉を無視して行動に移す。
「いや、ちょっとな。う〜ん。と、とにかく、ほらほら行った行った」
 バンと、

シェイラ12/19 5:49:542191cfRPKfuarlpfk||835
「わたた!」
「お、おい!力が強すぎるぞ!」
 「129」のナンバープレートが架かる部屋から遠ざけるように背中を押す。ぐらり、あ、若旦那が壁に激突しそうになった。
 そこを、嬢ちゃんが寸での所で助ける。
「お前、俺本気で怒るぞ?」
 生還した奴はオレを殺せるくらいの眼光で睨んでくる。
「す、すまん!いや、すまない!こんな事やるつもりはなかったんだ」
「全く手加減位してよ。ほら、手出して」

シェイラ12/19 5:50:252191cfRPKfuarlpfk||194
 引っ張り上げようと出された手を一瞬戸惑ったように若旦那の細い手がゆらりとして―しっかりと握っていた。
「……すまない」
 ぶきらっぽうに言い、元の目線に復帰した。
「てな訳で頼む!」
 この通りだと祈るように両手を合わせて頭を下げる。
「解った。いいよ。その代わり、あの子絶対説得してね」
 ほんの少しの沈黙の後、嬢ちゃんはあっさりと承諾した。若旦那もさっきの一件があってから少し不機嫌そうだったが、どうやら何とか行ってくれそうだ。

シェイラ12/19 5:50:432191cfRPKfuarlpfk||174
「恩に着るぜ」
 オレはほっとしつつ、笑顔を浮かべた。
「じゃあ、後よろしく〜。ほらほら、行くぞ」
 『行くぞ』とは声をかけつつ、さっさっと廊下の奥に消えていく。けれど、若旦那は行かない。
「な、なんだぁ?早く行けよ」
 しっしっと払うように言うと、
「悪かった」
 突如出た意外すぎる言葉に、オレは自分の表情が固まるのが解る。

シェイラ12/19 5:51:22191cfRPKfuarlpfk||700
「お前らの言う通り、こんな戦いにあいつの身を投じさせたくない。だけど、解ってやって欲しい。あいつがどんな決意で、俺達に付いて来るって言ったか。どれだけ長い間自分の道を探していたか。どれだけ、苦しくても辛くても言えなかったか、解って欲しいんだ」
 俺もそうだったからと続ける。何処か、寂しげな顔して。

シェイラ12/19 5:51:192191cfRPKfuarlpfk||832
 ああ、本当にコイツは優しいんだな。その時、オレは思った。こんな風にあいつの気持ちを汲んでワザと辛い立場に回ってよ。今だから言えるがオレがこの旅に同行するようになって、正直一番いけ好かなかったのが実はコイツだ。時たま、何か解ったような事を言うくせには、頼りのない行動ばかりでいつも嬢ちゃんの後ろで術をこそこそ唱えている姿が妙に勘に触った。ま、俺自身も後衛だから、大口叩いて言えもしねぇ。

シェイラ12/19 5:51:342191cfRPKfuarlpfk||382
 けど、初めと印象が一番変わったのもコイツだった。こんな大団体で行動して、アホやったり、笑ったり、辛い事にぶちあったっていくうちに自ずと少しずつ変わっていくのを感じ取れた。まあ、発言数は変わらねぇし、相変わらず後ろこそこそは健在だ。なんつーのかな?周りを認めて『見つめる』ことが出来るように変わり始めていった。
 んで、ちょいしみじみしてる訳で。

シェイラ12/19 5:51:492191cfRPKfuarlpfk||440
「解った。ありがとうな」
 それで、充分だったらしい。微かにうなずくとあいつは背を向けて陽光の差す廊下へ消えていく。
 さあ、オレも変わらないと。
 体を扉に叩きつけるようにして寄り掛かる。当然、オレの体格だから扉は嫌な音を立てる。扉の中の空気がぴりりと締まるのを感じた。
「おう!坊、オレの声聞こえてるか?」
 やっぱり、何も返ってこねぇ。

シェイラ12/19 5:52:62191cfRPKfuarlpfk||17
「そのう、なんだ?本当に……すまねぇ事をしたと思ってる。笛を壊して、あんな非道い事ぶっ呟いて」
 だんまりはまだ続く。
「けどよ、あれは事実だ。これから先、付いて来る以上どうしても相手の命を断たなきゃいけねぇ時が来る。耐えきれるか?」
 音のない時間。光が差し込んできて少し眠い。自然と座り込んだオレの顔には大量の光が降り注ぐ。眩しさに瞳を閉じる。

シェイラ12/19 5:52:362191cfRPKfuarlpfk||415
「耐え切るに……。決まってるじゃないか。僕はあいつらを殺すためにお前らに付いて来たんだから」
 久しぶりに聞いた声は、くぐもって聞こえた。ああ、多分扉の所為だけじゃねぇ。きっと。
「お〜。おっかねぇ。それが八つのガキが言うことかよ」
「後ちょっとで九つだよ!」
 思ったより元気そうな答えが帰って来て嬉しくて、オレはついつい声を上げて笑ってしまう。その瞬間、自分の状況に気付いたのかまた扉の先からは沈黙しか寄越してくれなくなった。

シェイラ12/19 5:52:552191cfRPKfuarlpfk||522
「お〜い!だんまりかよ。さっきは話したのによぉ」
 扉に問い掛ける。仕方ない。いっちょ、あれやるか。オレは唇をすがめた。そこへ呼気を柔らかく送り込む。唇からは素朴な柔らかい音が流れ出した。何せ、久しぶりなもんだから、あまり音が出ない。少し練習してから、扉の先に届くように精一杯大きな音色を出す。この時の顔が誰にも見られたくなかった。多分、めちゃくちゃヤバイ顔してんだろうな。それこそ、顔真っ赤にして中年オヤジが唇たこみたいにしてピーピーやってるんだぜ?想像するだけでも、穴があったら入りたい。

シェイラ12/19 5:53:182191cfRPKfuarlpfk||198
 確か、子守唄だったか。良く娘に歌ってやったけ。毎度毎度、泣かれたけどよぉ。んでもって、母ちゃんがかんかんになって吹っ飛んできたっけ。
 すると、微かに気配がした。オレは気付かない振りでかなり調子はずれなそれを続ける。それはすすと移動して、やがてオレの背中に納まる。

シェイラ12/19 5:53:432191cfRPKfuarlpfk||408
 それが無性に暖かく感じちまって、口笛はますます変な方向にすっ飛んでいく。やがて、妙に短い子守唄は止んでしまう。オレ歌覚えてねぇしな。
 余韻が消えない内に、
「すまんな。こんなもんしかやれなくて」
 扉一枚隔てた先の小さな背中がびくりと揺れるのを感じた。
「オレのバカみてぇな口笛で、そのう、壊した笛の代わりできるかなぁって――。あ、いや代わりって言っても、こんなちまっこいんだぞ!ほ、ほら坊の笛の百分の一位だ。う〜解るか?」

シェイラ12/19 5:54:82191cfRPKfuarlpfk||813
 考えていた言葉が出てこない。あ〜胸ん中で変な物がごろごろしてやがる。
「本当に本当にすまん!お前の気持ちを汲んでやれなくて、こんなに役立たずで。しかもドへたくそな口笛しか吹けなくよぉ」
 まとまらなくなった言葉を続ける。
「だから、そこに居るなよ。そんな所で、そんな寂しそうにするな。寂しいなら一緒に居てやるから、これから先もずっと一緒だ。お願いだ―」 

シェイラ12/19 5:54:342191cfRPKfuarlpfk||969
 途端、扉が開いて俺の首ったまに何かがひっつく。温もりが確かに。はたはたと涙。
「本当に一緒に……居てくれるの?……ずっと?……僕が泣いてる時も?僕が……戦う時も?」
 答えの代わりにオレは、奴の頭をわしゃりとなでる。
「決まってるだろ?」
 にっと笑った。

シェイラ12/19 5:54:562191cfRPKfuarlpfk||973
「漢の約束は絶対だ。な?」
 やつは寂しそうな顔を、その涙でぐちゃぐちゃになった顔を、それこそ宝物を見つけた時のようにほころばせた。そのまま手に力を込める。つまり、オレの首に。
「うおっ!やめろ!締まるだろ〜」
 離す気配はない。
「だって、ずっと一緒って言ったよね?だから、今も一緒!」
 いや、シャレにならねぇくらい苦しいんですけど?
「おい!やめろって!やめろ〜〜!」
 情けない雄たけびは廊下中を響き渡ったわけで。

シェイラ12/19 5:55:142191cfRPKfuarlpfk||842
 まあ、その後二人でご立腹気味だった仲間に謝ってしこたま怒られた。特に、散々術食らいまくった例の奴には丁重に謝った。笑って許してくれたけどよ。
 そんなこんなで、オレは坊と親しくっつーか一緒に居る事になった。

シェイラ12/19 5:55:302191cfRPKfuarlpfk||96
 正直、今も不安で一杯だ。オレは父親だし、仲間に地味に頼られる場合がある。けど、それと別問題で子どもを一人預かるってのはめちゃくちゃ勇気がいる。そいつの一生を背負うことにもなる。そりゃ重いに決まってる。オレは今更、あいつの親に成り代る事も出来ねぇしな。

シェイラ12/19 5:55:492191cfRPKfuarlpfk||624
 だからこそ、新しい絆を作っていけるんだと思う。
 なぁ、坊。ずっと一緒に居ような。お前が成人するまではさすがに難しいけど、母ちゃん説得するし、娘も『お兄ちゃんが来た!』って喜んでくれるさ。オレの故郷に帰ろう。うまいもんたっぷり食わせてやるからな。
 だから、一緒に生き残ろーぜ。この果てぬ戦の中でよ。

シェイラ12/19 5:57:312191cfRPKfuarlpfk||319
・あとがき・
 はい!ありがとうございます。今回、長くて大変読みづらかったと思います。大変すいませんでした。それと、この間書いた物とは時間軸が違っていて少し前にしてあります。これからも、遡っていこうと思います(コラ)誤字脱字が多くて申し訳ありません。一応、何処から読んでもいい状態にしていますが、「ここが解らない!」「こいつ誰?」的な奴がいるかも知れませんが、後々出てきますのでご了承ください。それでは、感想お待ちしています。

シェイラ12/19 5:59:422191cfRPKfuarlpfk||554
バルトークさんへ
あ、ありがとうございます!「実力派」なんて勿体無いお言葉です(^_^;)文章的に至らない所が多くて、「あれ?ここ変じゃないかな?」と不安になっていた所が多かったので、ほっとしました〜。プレゼントありがとうございます。今回も、一応、違う仲間のお話にしてみましたが、いががでしたでしょうか?感想ありがとうございました!

シェイラ12/19 6:1:262191cfRPKfuarlpfk||701
istintさんへ
感想ありがとうございます♪そ、そんな事ありませんよ!自分こそ、文章の運びとかistintさんに見習わなければいけない所が多いです。いえいえ、日頃お世話になってばかりなので、こちらこそです。(この間、プレゼントをお返し出来なかったので…… (。・x・))
今回は、仲間のいびきをかいていた方(笑)にスポットをあててみました。か、かなり趣をがらりと変えてみました。これからも、お互い、良い作品を書けるよう頑張りましょう♪

バルトーク12/19 22:57:412212cfBcsmysAsVME||673
こんばんわ〜。
なにやらいい話を読ませていただきました。

戦いの内面、というか裏側にあるドラマみたいなもの到底、僕には書けません。
キャラが生きてるな〜という感じがしました。
若旦那、なにやらいいキャラなのは気のせいでしょうかw

こちらに、キャラクターありがとうございました^^
到底、このようなドラマとは遠くにある話ですが、活躍してもらってます。

次回も楽しみにしていますね〜。

シェイラ12/21 0:39:522184cfrK7R/RMAekM||921
バルトークさん
 こんばんわw感想ありがとうございます。自分としては、バルトークさんみたいにカッコイイ戦闘場面を書いてみたいのですが、浮かんでくるのは戦闘一切ゼロのお話ばかりで……(つД`)
 いつも、先の展開をどうしようと頭を抱えています。
 若旦那に一票ありがとうございます♪←?
 彼は次でも出そうかと思っているので、暖かく応援してやって下さい。いえいえ、自分の拙い想像で書いたキャラを使用してくださり感謝です。
 到底とは、頂けない位素晴らしい言葉です。
 応援ありがとうございます。これからも良い作品を書けるよう努力していきます。

シェイラ12/21 0:40:282184cfrK7R/RMAekM||156
 所で、話は変わりますが、自分小のクリスマスプレゼント贈りましたよね?気を遣わせてしまい本当にすいませんでした。

istint12/23 0:20:325919cfi7iuTM9Y8DE||466
こんばんわー!
お隣ですねえ(つ∀`)ウフフ
水色ばっかりになっちゃいますよー。
シェイラさんの小説は中心になってる人物の心情とかすごく伝わってきて物語に引き込まれますよー。もう何回も読んだよ!
勉強になります!
プレゼントまた届きました。本当にありがとうございます。
最近はよくシェイラさんの作品がこの掲示板で読めるから楽しいです。
詩は自分がぜーんぜん書けないから羨ましいですよー

シェイラ12/26 19:40:382191cfa7/SYJk67hU||673
こんばんわ〜。自分も隣ゲッツ(σ´_σ`)σ(古!)で嬉しいです。
水色尽くしですよ。これからも、水色で染め上げ(強制終了
何回もデスか……。嬉しいです〜♪自分の作品が一ミリでも istint さんの作品に役に立てれば最高の誉です(●^∀^●)
こちらも沢山もらっているのでお返しです。
今まで書こうか書くまいか迷っていたので、自分としても新しい挑戦を出来ることが幸せです。そして、応援してくださる方が居てますます幸せです!
詩はいつも悩んで書いてますよ(;_;)何とか、更新してる状態です。
こんな自分に感想ありがとうございました!


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