9677 | おれさまてき、つうじょう | みみら〜 | 12/25 23:32:51 | 2182cfQ0gHI2Otgfs |
主人公、佳森 千早 (よしもり ちはや) |
みみら〜 | 12/25 23:44:4 | 2182cfQ0gHI2Otgfs||467 | ||
思い立ったが吉日、といった所だろうか。 僕はその日のうちに下調べに行こうと思い立った。 場所は自宅の向かいにある道路を2分ほど歩いたところだ。 これほど近い場所で犯行を行うのも愚かだと思われるかもしれないが、この場合のみ愚かと大胆は同義語となるだろう。 自宅に戻り私服に着替え高校が通常の日程を終える時刻を寝て待つ事にした。 僕は寝る、という行動が好きだ。 |
みみら〜 | 12/25 23:46:20 | 2182cfQ0gHI2Otgfs||313 | ||
考えない所がいい。そして何も見ず、なにも感じない所。 たまに夢という邪魔なものが見えてしまうが、目が覚めたときには忘れているので、まぁ、許せる。 ジリリリリという耳障りな目覚まし音が聞こえた時の時刻は午後五時。 帰宅時間まで入れればギリギリだが、わざわざそこまで細かい人間はいない。 そしていつも通りスタンガンとナイフを装備して家を出る。 通常、その二つを持つ場合は緊急事態だろうが、僕の場合は違う。 |
みみら〜 | 12/25 23:53:1 | 2182cfQ0gHI2Otgfs||350 | ||
昔有ったのだ、その二つのうち一つが必要な事態が。 内容は至極簡単。 復讐だ。 僕が機密情報を抜き取ったせいで父親が首をつり、家族は崩壊したと。 確かその話を聞いたとき思った感想は、御門違いだな、ということだ。 結果と原因は常に結び付くとは限らない。 殺人犯の話す動機が良い例だ。 その動機で人を殺す結果へ向かわないと思うものが1つはあるだろう。 企業に責め立てられたなら、その企業を辞めれば良い。 |
みみら〜 | 12/26 0:0:58 | 2182cfQ0gHI2Otgfs||585 | ||
ま、その際は善良で無能な警官がその場を静めたおかげで、危うく裏の顔がばれる所であり、その復讐者が捕まえられてしまうところであった。 つまり原因を作った人間も、結果を体感した人間も晴れて塀の外で生きているという事だ。 それ以来、僕はこの二つを常備する。 自分の人生をつなげるために。 そして場合によっては他人の人生を終わらせるために。 そうだ、あの時完璧に消したはずの侵入の痕跡を誰が追ったのか調べがついていないことを思い出したな。 そして、車通りの少ないこの道路の信号を当然の様に無視して銀行に入った。 |
みみら〜 | 12/26 0:4:52 | 2182cfQ0gHI2Otgfs||49 | ||
「・・・・・?」 これは・・・・僕の人生の中で前述と合わせて2回目の失敗となった。 「動くなぁっ!」 「たすけてっ!」 先客がいたようだ。 とりあえず無視して銀行を出ようとすると、 強盗犯の罵声と人質の女の悲鳴がうるさくなったので断念した。 |
みみら〜 | 12/26 0:9:52 | 2182cfQ0gHI2Otgfs||403 | ||
しかたなく備え付けのイスに腰掛ける。 犯人は黒ずくめ、ヘルメットは黒のスモークで顔が見えないようになっているようだ。 そういえば、ドラマやニュースで発表される強盗犯はなぜ黒尽くめなのだろう。 カラスへの憧れがあるのか、または後ろ黒さの表れか。 どちらにしろ僕には理解できないが。 先客がいる以上、この銀行の警備体制を観察させてもらおうと思ったが、床に倒れている警備員をみるに、それは無駄だな、とすぐに理解した。 |
みみら〜 | 12/26 0:17:23 | 2182cfQ0gHI2Otgfs||377 | ||
そしてもう一つ理解した事がある。 この人質は助ける必要が無い。 非道な意見としてではなく、これが犯人の計画の一部という意味である。 人質が仲間の場合、周りを見張る仲間を立たせる必要が無いというメリットがある。 そして犯行の後、人質をわざと現場に残し虚偽の証言をさせることも出来る。 多少頭の回る人間なのだろうが、女の大根役者ぶりが過ぎる。 本物の人質なら少しでも離れようとするはずだが、アレではクリスマスの夜に出没するカップルだ。 |
みみら〜 | 12/26 0:22:25 | 2182cfQ0gHI2Otgfs||453 | ||
僕は思案した結果、犯人を捕まえようと考えた。 無駄な時間を過ごさせてもらった礼と、無いよりはマシな警察からの報奨金目当てに。 状況はというと、床に倒れる警備員。 同年代と思われるが恐怖の色など全く見えない少女。 スーツ姿の中年男。 それと、たまに騒ぐ声がうるさい中年女。 窓口の上に金属製の薄い灰皿。 |
みみら〜 | 12/26 0:25:36 | 2182cfQ0gHI2Otgfs||569 | ||
あとは特に無い。 この事を踏まえ少し思案した後、僕は行動を開始した。 「すみません。タバコを吸ってくれませんか?」 小声でそういうと、 「あなたっ!何行ってるの!」 と中年女が騒ぎ出し、犯人がこちらに向かって声を掛けてきた。 |
みみら〜 | 12/26 0:29:28 | 2182cfQ0gHI2Otgfs||614 | ||
こういう時のオバサンほど不必要で邪魔なものは無い。 「おい、何を話しているっ!」 明らかに上からの物言いは少なからず頭にきた。 「時間が掛かっているようなのでタバコを吸いたい。と、そこのおじさんが。」 明らかに否定の表情を浮かべる中年男だが、強盗犯は意外とあっさり灰皿を渡してくれた。 |
みみら〜 | 12/26 0:32:54 | 2182cfQ0gHI2Otgfs||707 | ||
あとは、長袖に隠したスタンガンを灰皿を受け取る瞬間に作動させた。 強盗犯は痙攣して手にしていたナイフを落とし、くっついていた人質も同じく痙攣して倒れた。 |
みみら〜 | 12/26 0:35:36 | 2182cfQ0gHI2Otgfs||445 | ||
「あんた、なにしたの?」 同年代の女が僕にそう聞いてきた。 「なにも?」 そうはっきり答えた時、もしかしたら僕は笑っていたかもしれない。 「名前は?」 「は?」 「あんたの名前。」 |
みみら〜 | 12/26 0:40:10 | 2182cfQ0gHI2Otgfs||110 | ||
「千早、佳森 千早だ。」 女は驚愕と嬉々を合わせた表情でこう言った。 「あんたが二宮東の天才か!」 天才と名乗った事も、自分の所属している高校を誰かに紹介した事も無かったがなぜかソレが通り名になっているようだ。 「僕は名乗ったんだ、次はあなたの名前。」 |
みみら〜 | 12/26 0:44:40 | 2182cfQ0gHI2Otgfs||320 | ||
「わたしの?」 中年‘sの名前に興味は無かったので無言で促した。 「村上千夏。」 どこかで聞いたことがある・・・・そうだ・・・・ 「北静の自称天才・・・・か?」 |
みみら〜 | 12/26 0:48:53 | 2182cfQ0gHI2Otgfs||293 | ||
以上〜2話目完〜 よければ感想くださいな〜 |
マハザン | 12/27 0:51:1 | 2102cfpw2fj9FroWk||46 | ||
スピーディに進む文のリズム。個々の文章のさっぱりとしたまとまり。 しっかりと映し出された状況、心境の描写。 インパクトの強い非常識さ、異常さ。 何を取っても、無駄がなくて素晴らしいと思います。 また、次回への繋ぎ方も、読者に先を読ませない良い終わり方ですねー。 天才と天才のめぐり合いは、世間をどのように捻じ曲げるのでしょうか。 3話目を期待しております。失礼しますー。 |
誇水 | 12/27 19:10:37 | 2202cfVJAkMj5xnf6||849 | ||
やっぱおもしろいですね! みんなのとはちょっと違った話で面白いです! わたしも小説頑張らなきゃなぁ・・・って思いました!! 次回作、楽しみにしてます! |
みみら〜 | 12/27 23:22:8 | 2182cf1Wk/dtUt0EQ||612 | ||
お〜w 過分なお言葉痛み入りマすw 感想アリガト〜^^ |
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