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9782鐘持つ旅人1/13 5:52:576120cfD.kfXrtB0Og
暗い森をゆっくりと通る。

彼のものではない血の臭いに誘われた獣たちを狩るためだ。

この世は、弱肉強食。

追悼のレクイエムは必要ないのだろう。

1/13 5:57:126120cfD.kfXrtB0Og||550
静かな風に森の木々たちが共鳴する。

水浴で精神集中を図っていた彼は、むっくりと水面上に顔を出した。


ピ―・・・ン

 
張り詰める空気。

闇が渦巻き、何かの形を模した穴を作った。

白い体毛。琥珀色の瞳。

刃のようにも見える青模様で身体を飾る虎は…

この 森の 王

1/13 6:1:56120cfD.kfXrtB0Og||189
漆黒と琥珀は互いに色を一瞬隠し、王はゆっくりとその場に座る。

彼は清い水からあがると、丹念に洗い…尚痕の残る黒き衣を身に着けた。

≪汝が今宵、この森に留まることを―許そう≫

低い低い王者の音に、彼は無表情に会釈した。

1/13 6:1:196120cfD.kfXrtB0Og||396
*

1/13 6:3:276120cfD.kfXrtB0Og||52
光が差した。

彼は木を蹴ることをやめ、静かに森を後にする。

森の王の気まぐれで、久しぶりに深い眠りが取れた彼は

さずかった琥珀と恩赦の証として、育ち過ぎた木を斬った。

1/13 6:5:406120cfD.kfXrtB0Og||658
森での一時に想いを馳せている間に…。

活気のある町へと流れ着いていた。

右を向けば新鮮な魚類や野菜。

左を向けば良い香りの小麦粉料理。

―ガヤガヤとにぎわうこの町で

彼の鐘は鳴りはしない。

1/13 6:8:366120cfD.kfXrtB0Og||83
「いたっ…!!」

「・・・。」

鍛え上げられた彼の腹部に小さなものがぶつかった。

顔の表面積の半分ほどを占める瞳は深い藍。

色白の少女は冷たい目で自分を見下ろす彼に、あわてて頭を下げた。

1/13 6:14:206120cfD.kfXrtB0Og||145
「待ちやがれー!!この泥棒!!」

罵詈を飛ばし駆けてくる大男。

その声に少女の方が震えた。

「―…っ!ごめんなさい!!」

走り出そうとした少女の腕を引っ張り、コートの中に彼はもぐりこませる。

「「・・・。」」

「ったくあの糞ガキ!!どこいきやがった!?」

横を勢いよく走り抜けていった男が見えなくなると、

彼は少女を暗闇から引き戻す。

「えっ・・・??」

しっかりとパンを抱いている少女に彼は鼻をならし、

二本あったフランスパンを一本頂戴する。

「―次は見つかるな」

彼はそういい残し、この世ではもう稀な存在に当たる

「生きている町」を後にした。


1/13 6:15:536120cfD.kfXrtB0Og||73
+++あとがき

しったのほー…に一話目がきっとありますので

興味を持っていただけた方は一度、どうぞです^^

返信をかえすことができなかったりしますが

感想等ありましたら、是非お願いいたします。

バルトーク1/14 22:10:362212cfBcsmysAsVME||680
武さんこんばんわ〜
詩というか物語というか、なにやらどっちつかずの語り口が謎の男の行き方を現しているような……という深読みしてみました。しあkし謎の男、なかなか優しいようで。
しかし稀な存在である生きている街とは謎は深まるばかりですな。
これから彼の旅に何が起きるのか、楽しみですね^^
次回も頑張ってくださいv


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