戻る
988なんか思いついた話 899の続きですクロバ6/18 22:10:22191cfDPIo.tbKdZo
花人参を倒すために花畑にやってきた初心者・黒葉。
しかし道に迷ってしまい、そこで疲れた体を休めれそうな岩に向かった。
しかし腰を下ろしたその横にはなんとぽよも座っていたのだった。

第二話 ぽよと黒葉

クロバ6/18 22:28:472191cfDPIo.tbKdZo||127
黒葉は岩へ向かう途中は周りの事に気をとられて、目的の場所にいるぽよを見逃していたのだ。(ぽよって小さそうだし)

ぽよのほうも黒葉と同じタイミングで気付いたらしく、向こうも慌てて戦闘体勢をとっている。

(ぎゃーっ!あーもー、なんでこうなるんだよ!
 コレ以上ダメージくらったらやばいって!
 …よし、こーなったらぽよが仕掛けてきた攻撃をよけて、
 ついで、その方向へ…逃げる!さぁっ来い!)

クロバ6/18 22:35:42191cfDPIo.tbKdZo||32
こんな超後ろ向きな思考を持ちながら黒葉は緊張の糸を張り詰めていた。



結構な時間が過ぎたが一人と一匹は互いに見つめ会ったまま微動だにしなかった。
そう、両方とも同じ考えをしていたのである。

(つーか、立ってるダケでもキツイ…もー限界…)

フツッっと緊張が途切れた瞬間、

「うーーっ…」
「ぽよーっ…」 二人とも同時にへちょっと倒れこんだ。

クロバ6/18 22:42:502191cfDPIo.tbKdZo||876
しばらくそのまま二人で倒れていたが、黒葉はぽよの様子を見て提案をした。
「…と、とにかく今戦う気は俺も君もなさそうだからさ。
 とりあえず岩のところで一緒に休もうよ…」
…黒葉は必死だったのである。

それを聞いたぽよは
「ぽ、…ぽよ…」
と、言いながら右側の体を少しあげた。
どうやらOKしてくれたらしい。

こうして一時休戦条約(?)を結んだ一人と一匹は一緒に岩陰で休むことになった。

クロバ6/18 22:47:212191cfDPIo.tbKdZo||359
ぽよの隣に座りながら黒葉はぼーっと空を見ていた。

(…俺このままでこの世界でやっていけるんかな…
 …なんか自信なくなってきたよ…)
「はぁっ」っと黒葉はため息をついて、次にとりあえず持っているアイテムを確認してみた。

そして残り少なくなった薬草を取り出し、ちょっと考えてから隣にいるぽよに差し出した。

クロバ6/18 22:54:182191cfDPIo.tbKdZo||90
「まー、ここで会ったのも何かの縁だしね。
 君だったらコレでなんとか帰れるだろ?
 俺の問題は町はどこにあるんだ!ってことだしさ。
 ね、使ってよ。」

ちょっと自暴自棄だったのと根っからのお人好しな性格の黒葉は
にへらっとした笑顔を向けた。

「ぽ、ぽよ?」

「うん、どーぞ。」

こうしてぽよに薬草をあげると自分の分もとりだし結局二人で並んで薬草を食べた。

クロバ6/18 23:0:402191cfDPIo.tbKdZo||21
しばらくすると
「ぽ!ぽよ!」 と、ぽよが黒葉に呼びかけてきた。
「え、なんだい?」

黒葉がぽよの方を向くと、ぽよのまえの地面に枝で描いたらしい絵があった。

「えっと、風車と城?」
「ぽよ。ぽよよ?」

ぽよは枝でその絵を交互に指している。

「あー、この城はグランデュール城だね。
うん、俺はこの町から来たよ。にしても君、絵うまいね。」



クロバ6/18 23:6:182191cfDPIo.tbKdZo||69
黒葉が城の絵のほうを指差すと、ぽよは岩陰から出たと思ったら、黒葉のほうへ振り返って、

「ぽよっ!」

と、叫んだ。

「もしかして…案内してくれるの?」
「ぽよ!」

ぽよは元気よく言った。

「あ、ありがとう!!」

黒葉はぽよの後についていくことにした。

クロバ6/18 23:9:272191cfDPIo.tbKdZo||92
「あ、町だ!帰って来れたんだ…。ありがとう、君。」
黒葉はぽよのほうへ向いて笑顔を見せた。ぽよもうれしそうだった。

「そーだ、このお礼っていってもタダなんだけどさ、ご飯でもおごるよ。」

クロバ6/18 23:14:542191cfDPIo.tbKdZo||201
黒葉とぽよは宿へ戻り、いっしょにごはんを食べた。
こうして二人にはなんだか不思議な友情が芽生えた。


「…うん、僕は花人参を倒しに行くつもりだったんだ。」
「ぽよ。」

ご飯を食べた後、黒葉とぽよは黒葉の部屋で話し、といっても、
ぽよは黒葉の持っていたクレヨンで絵を描き説明しているので半分は筆談をしていた。

クロバ6/18 23:19:522191cfDPIo.tbKdZo||472
「そういえば君はなんであんなトコロにいたの?
 …失礼だけど返ってくる時も戦いには参加しなかったし、
 君は戦うタイプのぽよじゃない気がするんだけど…」

それを聞いたぽよはちょっとためらったあとまた絵を描いた。

そこには赤いぽよに失恋ハートのぽよがいて、
また次の絵には赤いぽよに踏みつけられているぽよがいた。

クロバ6/18 23:24:122191cfDPIo.tbKdZo||364
「…えっと、つまり君はぽよべすに振られて、更に攻撃されたってこと…?」

「ぽよ…」 ぽよはうなずいた。

(…ま、まずいこと聞いちゃったな…)

「た、大変だった…ね…」

黒葉はうまくフォローできず、二人の間にはにはビミョウな空気が流れた。

クロバ6/18 23:30:582191cfDPIo.tbKdZo||380
…とりあえず今回はここまで。
本当は二回で終わらせちゃうはずだったんだけど、以外に文量が多かったので…
次(予定は日曜日、できたらもっと早くに!)で終わらせちゃいますから!

まー、ほんとありがちだよね…オチ丸見え。

それでもなお暖かく見守ってくれる方がいましたら感想等いただけたらうれしいです^^



クロバ6/29 18:23:592191cfDPIo.tbKdZo||303
続きです。

ぽよは昔から心はとても優しいけれどかなり臆病な性格だった。
だからこそ逆に勝気なあのぽよべすを好きになったのかもしれない。

けれどもそんな思いを告げたぽよにぽよべすはきつく言い放った。
「私は強い者が好きなの。
 そうね、ゴブリン金貨を持ってこれるくらいのね。
 だから、あんたみたいなのはお断りよ。」

クロバ6/29 18:26:32191cfDPIo.tbKdZo||205
と、言い更にぽよをこてんぱんにしてしまったのだ。

(…なんて僕は情けないんだろう…)
とぽよは身も心も傷つき、あの岩のところで座っていたのだった。

クロバ6/29 18:29:182191cfDPIo.tbKdZo||637
翌朝またしてもぽよが花人参のところに案内してくれるらしいので、
黒葉は又頼むことにした。

「ぽよっ!」
と、ぽよが立ち止まった。
今回はすぐに目的地に着いた。
回りは花畑といっても石がゴロゴロしていて確かに強敵が出そうなオーラが漂っていた。

クロバ6/29 18:33:222191cfDPIo.tbKdZo||395
「うん、ここなんだね。ありがと。
 ここからだったら町も見えるし、一人で帰れると思うから…」
と、黒葉がいい終わるかと思った瞬間、
黒葉は何かに足を後ろに引っ張られ倒れこんだ。

「うわっ!!」
そういって黒葉が後ろを振り向くと土の中から何かが出てくるのが見えた。
そう、花畑最強のモンスターの花人参である。

クロバ6/29 18:36:452191cfDPIo.tbKdZo||999
(不意打ちは卑怯だぞ!)
そう思いながら黒葉は足をつかんでいた根を取り払い戦闘体制をとった。

しかし最初の先制攻撃が思いのほか大きく黒葉は苦戦を強いられた。

そのころ、あのぽよは草むらに隠れて震えながらその場面を見ていた。
(どうしよう!なんかあの人ピンチだ…!)

クロバ6/29 18:40:482191cfDPIo.tbKdZo||4
「くそっ!!」
又黒葉は足をとられ倒れこんでしまった。
頭上から花人参の触手が振り落とされる。
(ヤバイッ!)
黒葉がそう思った時、

「ぽよーーーーっ!!」
そう叫びながらぽよが花人参の顔めがけて体当たりした。

「キョーーーッ!!」
そう叫び声をあげて花人参が倒れた。

クロバ6/29 18:43:272191cfDPIo.tbKdZo||963
(そうだ!ぽよべすにいわれたみたいにいつまでもヨワ虫じゃいけないんだ!
 あの人はもう友達なんだ!
 やられるところを黙ってみていられないよ!)
ぽよは黒葉のほうに視線を送った。

「ぽよ!ありがとう!」
こうして二人は共に戦った。

クロバ6/29 18:47:82191cfDPIo.tbKdZo||441
「オリャーーーッ!」
「ぽよーーーーっ!」

最後にクロバとぽよの攻撃が同時に決まり、花人参は土中へと逃げていった。
地面には赤い花が落ちており、黒葉はそれを拾い上げた。

「ほんと、ありがとう!!ぽよ。
又宿へ帰って一緒にご馳走でも食べようよ。」
黒葉とぽよは勝利の高揚もそのままに歩き出した。

クロバ6/29 18:51:242191cfDPIo.tbKdZo||155
しかし町に入ろうとしたそのとき、

(やっぱり、決めた!)
ぽよが立ち止まった。

「どーしたの?」

(ぽよべすの言った「強い」が力だけだとは思わないけど、
 でも、自分の力を試してみたい…!ゴブリン金貨を探してみよう!
 だからさよならだ…!)

「ぽよっ、ぽよぽ!」

クロバ6/29 18:54:122191cfDPIo.tbKdZo||708
黒葉はぽよの目を見て分かった気がした。

「…何か、しなきゃいけないことがあるんだね…
 うん、これまでありがと。楽しかったよ!お互い頑張ろうな!」
「ぽよっ!」
「じゃーなっ!」

この後このぽよがどんな運命をたどっているか知る人も多いだろう。
だが、その結末はまだだれもしらないのだ。

クロバ6/29 18:56:182191cfDPIo.tbKdZo||505
黒葉は一人街に戻った。

(ちょっと寂しいけどしょうがないよね。
 又会えるよな、たぶん
 さてとギルドで通行証もらってこなくっちゃ。)

黒葉はギルドへ向かって歩き出した。

(終)

クロバ6/29 18:56:342191cfDPIo.tbKdZo||4
ありがとうございました。


本文(<>," shift+7使用不可)
 ※メルアドや電話番号を公表してはいけません、荒らしを批判するのは「俺が神掲示板」以外は禁止!
 
特殊文字 by.チビファンタジー