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I'm sad.

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痛い。

そんな表現では、足りなくて。
燃えるような感情が僕の心を支配して。

ドクドク

首に手を当てたら、血管が動くのが分かるくらい。

興奮というよりは衝動的な何か。

甘いというよりは切ない重み。

恋というよりは愛に近かった。

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光輝くカプセルの中には、防腐剤と栄養剤のエキス。
鈍い緑の光へとカプセルの外側から手を伸ばし、撫でる。

「……好……愛してるよ」

頬を当て、うっとりと瞳を閉じて
優しく、優しく愛撫してやる。
冷たいプラスティックの容器は中の人物の遺志に共鳴したかのように、揺れた。

2/8 23:26:186120cfD.kfXrtB0Og||993
冷たい冷たい、大理石の床に
真っ赤な液体は惜しげもなく溢れていて。

部屋の真ん中では、研究中だった核テクノロジーの瓶が……割れていた。

「――……! まさか」

灰色のシャッターを蹴破り、研究室の窓を開く。
窓の縁は、泥で汚れていて足跡まで付いている。

「ゴメ……大事な研究、守れ…なかっ…」

口からも頭からも鮮血を垂らし、折れた足を引きずって。

瀕死の状態に陥りつつも、必死に謝る彼女に僕は

ただ、ただ

慰めることしか、できなかった。

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頭に腫瘍ができ、下半身はマヒ。
両目は失明してしまっても尚、彼女は一命を取り留めた。

病棟で、手術中というランプの点滅に。
いくど拳を壁に打ち付けたのだろうか。

嫌な汗が体中を巡った。
喉は痙攣を起こしかけ、瞳からは体中の水分を寄せ集めたかのような

大きな雫が零れていた。

もう、舌も足も震え呼吸すら困難で。

――…研究ばかりに構った代償なのか?

笑って差し出されたコーヒーを飲まなかった報いか――そうだ。
レポートの紙がないと、大切な休みをとらせなかった報いか――そうだ。

彼女を悪戯半分に、傍に置いた報いか――…違う。

色々な思いが、脳裏に浮かんでは……消えていく。

2/9 16:32:76120cfD.kfXrtB0Og||392
「ねえ、風のにおいがする」

車椅子の上で、静かに彼女はそういった。

「風の匂いも、風の通った感触もあるのよ」

――私は死んでないのだから――

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悲しい顔を、しないで。

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「――…!?」

カプセルの硬く冷たい表面にうっとりと頬を寄せていた僕は

頭の中で囁かれた言葉に

声に

眼を見開いた。

今のは確かに彼女の声だった。

聞き間違えようの無い、世界で一番可憐な声。

少し含み笑って、でも…少し悲しそうな彼女の声。

2/9 16:38:176120cfD.kfXrtB0Og||391
悲しい顔を、しないで。

彼女は確かにそういった。

悲しい顔を、しないで?

僕は君を失ったのに??

もう二度と取り戻せないからこそ、

僕は今こうして君の肉体を維持――……。


緑の液体が微かにゆれ、機械のモーターが低くうなって…電源が落ちた。

2/9 16:41:246120cfD.kfXrtB0Og||387
スイッチを切ったのは僕だ。

冷たいプラスティックに囲まれた、厳重なスイッチを

入 から 切 に変えたのは、僕だ。

スイッチを入れたのもきったのも僕。

どちらの行動も彼女を思っての行動だから間違いなんかない。

そう割り切ろう。

窓を開けて、外を眺める。

今日はもう、日が暮れる。

2/9 16:45:386120cfD.kfXrtB0Og||588
コバルトブルーの棺桶にそっと彼女を寝かせてやる。

もう、目が痛くなってきた。
そして、少し、眠くなってきた。

あ、そうだ。
ポケットの中に手を突っ込んで小さな箱を取り出した僕。

叶わなかった、願いだけど。

君に伝えられなかった、思いだけど。

内緒で君に、言おうか。


黒い高級な箱に入った、おもちゃの指輪。

君の好きだった白い石がついた、おもちゃの指輪。

白いウエディングドレスは着せてあげられなかったけれど

この想いは、本当だから。

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「葬儀屋でーす。ご遺体を引き取りに参り――…」

葬儀屋の息子は目を疑った。
暗い部屋には、プラスティックだらけ。

緑の液体は少し鼻につく、甘い香り。

コバルトブルーの棺桶に、寝かされている女は安らかそうで。
横で倒れている男性は、女の手をとって眠ってた。

葬儀屋の息子、何を思ったか。
いきなり男の息の根止めた。


「チッ……まだ生きてやがったのか」

――彼こそ核を奪いし男。

2/9 16:50:566120cfD.kfXrtB0Og||300
・えんど・

〜書置き〜

なんだこりゃ。

ここまで読んでいただき、有難うございました。

シェイラ2/9 20:45:312184cfiGgPw0tJtJM||467
お久しぶりです。パソコンが逝ってしまい、ここにも顔を出せずの状態が続き返信できずにいました。本当にすいません。早速、読ませていただきました!文面から失った悲しみが伝わってきて胸にずんときました。最後に男性が殺されてしまって衝撃的でした。勝手な想像なのですが、彼はそれで嬉しかった気もするのですがいかがでしょうか?素敵な作品をこれからも書き続けて下さい。

バルトーク2/10 17:20:152212cfBcsmysAsVME||999
こんばんわ。感想遅れて申し訳ない><

相変わらず詩的でダークなお話。そして衝撃的なラスト。なかなかハッピーエンドは訪れてくれませんね;;
しかし、その中の根底に流れる深い愛情をちょこっと垣間見る事が出来た気がします。

次はいったいどんなテーマ、どんな感情が飛び出てくるのか。期待させていただきますよ〜v


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