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996小説 IRU 「階段の話」イクス6/19 5:5:422202cfwKIgBablNMk
真っ暗な空間の中に一本の階段があった。
階段は大きな螺旋を描いて上っている。
階段の隣は坂道になっていた。
「ねえイルぅ、いつまで続くのさぁ。」
レフィリスはなじるような口調でイルに言葉を投げる。
「もう少しだから我慢してよね。」
「イルの”もう少し”は長い。」
「はい、はい。でも私に言われてもどうにもできないよ。」
イルの方も疲れ切ったような半分諦めたような声で話す。

イクス6/19 5:6:92202cfwKIgBablNMk||872
「それにしても寒い、次の夢はもっと暖かい夢がいいなあ」
イルは上に黒いコートをはおりながら言う。周りには冷気が漂っていた。
「はい、はい。そう思うなら早くこの夢を抜けてよね。」
レフィリスは下から来る白い息を見ながら言う。
 イル達はもう三日間この螺旋を上っていた。
スクーターで坂道を走っている。
イルが、落ちないように注意しながら話しかける。

イクス6/19 5:6:312202cfwKIgBablNMk||658
「それにしてもどこまで続くんだろうね。」
「てっぺんまででしょ。それは。」
レフィリスが憮然とした声で返す。
 イルは上り続けた。
今日何百回目かの緩いカーブを曲がり始めたとき、イルはにここで野宿することを帽子に
告げる。

イクス6/19 5:7:182202cfwKIgBablNMk||334

 イルは階段の上に折り畳み式の青い板を広げて平らにした。
その上に寝袋を置いて、隣の坂にスクーターを止める。
そして、重い手つきで上の段に鍋と固形燃料を置いて簡単な夕食を作る。
夕食を食べ終わったイルは、すぐに撃てるように「ハウル」を右手にもって寝袋にくるまった。
「私はもう寝るよ、レフィリス。おやすみ。」
「はあ、おやすみなさいませ。」

次の日の朝、イルは何度目かの朝日のない朝を迎えた。


イクス6/19 5:7:422202cfwKIgBablNMk||899
軽い運動をした後にリヴォルバー型火炎放射器「ハウル」の整備をする。
シリンダーの部分には液体火薬の注入口と適量の火薬を取り出す細いパイプが銃身に連結
している。イルは安全装置をかけて、バレル内の煤を掻き出す。その後グリップを折って
細い棒にセットされたシリンダーを取り出し、液体火薬の補充をする。
黒光りする「ハウル」をホルスターに戻したイルは、レフィリスを叩き起こして
スクーターに乗り込む。

「今日こそ抜けられるといいね。」
「ああ、そうなるといいね。」

イクス6/19 5:9:592202cfwKIgBablNMk||128
イルは気のない返事を返す。
螺旋はいつもと同じように続く・・・と、思われた。
しばらく走った後、急にレフィリスが興奮気味に叫んだ。
「ねえ!イル、あれ!」
イルが顔を上げると螺旋の彼方に一条の光が射し込んでいるのが見えた。
光は白く、まぶしいくらいに輝いて見える。
イルの顔がほころぶ。
「あれが出口かな?」
「きっとそうだよ。いや絶対そうだよ!」
イルは笑顔で光を通り抜ける。
そして・・・

イクス6/19 5:10:52202cfwKIgBablNMk||540
「はあ・・・」
「ふう・・・」
彼らの目にはどこまでも続く曲がりくねったみちが映っていた。
「絶対出口だって言わなかったっけ?」
「・・・・・」

イクス6/19 5:13:372202cfwKIgBablNMk||832
             <あとがき>

毎回ここまで読んでくれてありがとうございます^^
誤字脱字やコピペミスがあったらご指摘ください。
アドバイスなんかもらえると嬉しいですね^^

胡月★6/19 23:56:282196cftvtqiBuq4NA||378
初めましてヾ(´∀`*)ノ
前回も読ませていただきましたが、
やはり先がよめなくて飽きることなく読ませて貰いました 次回を楽しみにしています^^

銀月6/20 20:27:582182cfLMvpixotkc6||194
こんばんは^^ノシ
レフィリスのキャラが可愛くて好きですw
少しずつ、世界が見えて行く感じが楽しい・・・。
次回も楽しみに待ってますw


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