| 4073 | 赤い糸 | bじゅtrftう | 2/26 18:35:37 | ??? |
| 【悠哉】 アタシが愛してる人―― でも、悠哉の瞳はアタシを見ていない。 アタシの姿を見ても… 声を聞いても。 悠哉… あなたはアタシの中にある、姉の面影を探していますよね。 アタシの2つ上の姉、【春菜】の姿を。 そぅ… 悠哉は姉の春菜を愛してる―― | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 18:36:22 | ???||971 | ||
| 悠哉とアタシ【芽衣】の出会いは、物心もついてない程に幼い頃。 悠哉もアタシも、忘れてしまったくらいの遠い過去――― 4歳の春菜と2歳のアタシを連れ、両親は購入したマンションに引っ越しをした。 そして、そのマンションの隣室に悠哉とその家族が住んでいた。 悠哉はその時、3歳。 悠哉の両親とアタシの両親は子供の年齢も近いからか、すぐに意気投合した。 アタシと春菜、そして悠哉も同じ幼稚園に通った。 小学校、中学校も。 いつも三人は一緒だった――― | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 18:37:23 | ???||993 | ||
| 小学校に入ったばかりの頃、アタシは恋を覚えた。 相手はもちろん悠哉。 アタシの初恋… 悠哉に対する気持ち、 これがスキって事なんだ…。 ―――そして、その事に気付いたアタシは姉の春菜に相談をした。 子供ながらに何かを感じて、春菜に言う事で『悠哉は芽衣の!』とアピールしたかったのかもしれない。 その日の夜、春菜は『同じクラスの男の子がスキ』と顔を紅く染めながら言った。 その瞬間、ホッとした気持ちがしたのを憶えてる… でもその時、気付けばよかったんだ。 悠哉の気持ちが春菜に向いてる事に、薄々感付いていたから不安だったんだってことに……… この時、引き返していたら…。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 18:37:37 | ???||474 | ||
| こんなにツライ想いをしなくてもよかったのに――― | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 18:39:44 | ???||691 | ||
| 三人の関係は、表面的には変わりなく続いていった。 忘れもしない、アタシが中学2年の春までは… あの時のショックは、一生忘れられない。 ――桜が舞い散る中学の校舎の裏庭。 アタシは悠哉に呼び出され、芝生に座りながら悠哉を待っていた。 風に吹かれて舞ってくる桜の花びら…。 暖かくなった、春の風。 気持ちいぃな―― 春という季節が一番好きなアタシは、ボォーっとしながら悠哉を待っていた。 春菜が中学から高校に進学し、いつもの三人の登校が悠哉と二人きりになった。 そして、自然と春菜と悠哉の距離が離れた。 アタシにとって、今までとは違う幸せな春の訪れ。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 18:40:9 | ???||11 | ||
| ――アタシは悠哉に恋した日からずっと、漠然とした不安を消せずにいた。 悠哉はお姉ちゃんをスキなんじゃないかな? 間違ってると思いたいけど、長年一緒にいるアタシの消せない勘だった…… | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 18:42:40 | ???||667 | ||
しばらく待ち続けると、悠哉の姿が見えた。 茶色ぃ髪がサラサラ風に揺れて、少しウザそぅに髪を払う悠哉。 前よりカッコよくなった…… 悠哉は3年になってすぐ、髪を茶色に染めた。 その髪色が似合っていて、余計に悠哉を好きになったんだ。 ―――アタシを見つけ、悠哉は駆け寄ってきた。 そして、隣に腰を降ろす。 『待たせてごめん!』 「どしたの?」 『いきなりだけど、カレシとかスキな男とかいないの?』 悠哉はいきなり意外な言葉を口にした。 高まる鼓動。 次の一言に対する期待…。 しかし、口を開く前に悠哉が言葉を続けた。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 18:43:17 | ???||875 | ||
| 『オレさ、春菜がスキなんだよな。』 「………。」 やっぱり、思い違いじゃなかった。 目の前の綺麗な桜も、青々とした芝生も、澄んだ空も、全てモノクロになったようだった。 悠哉の少し照れた笑顔が、頭でグルグル回る 頭の中が、真っ白になっていく……。 『芽衣、協力してよ!』 追い討ちをかけるような悠哉の声。 上の空になりながらも、アタシは動揺を隠した。 首を縦に振り、自分の気持ちを殺して精一杯の作り笑顔をした。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 18:43:49 | ???||196 | ||
| この日から、アタシは悠哉への気持ちを胸の奥へとしまいこんだ。 好きな事がバレて、今の悠哉との関係を壊すのだけは嫌だった。 悠哉は裏庭の話以来、いつも以上に話しかけくる。 春菜への気持ちや相談も多かったが、それでも悠哉の側に幼馴染みとしていれるだけで幸せだった。 …恋の相談はツラいけど、それより悠哉と離れる事の方がツラい。 側にいれば、いつかアタシを好きになってくれるかもしれない。 ――そう考えて。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 18:44:9 | ???||174 | ||
| 家に帰ると、妹から見ても綺麗に成長した姉の姿がある。 化粧をして髪を茶色に染め、美人なのに気取らず優しい姉の春菜。 ―――今のアタシにはかなわない。 自分でもよくわかる。 どうしたら悠哉の気持ちを引き付けられるの? 諦めたくないよ…… | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 18:44:53 | ???||994 | ||
| 悠哉が前に言っていた。 『春菜、高校に入って急に化粧したり髪染めて大人っぽくなったじゃん。 俺、おいていかれたみたいで嫌なんだよな。 それに高校じゃ、俺より3つ上のヤツまでいんだよ? だから、俺、髪染めたんだぁ。 芽衣はガキくせーし可愛い妹みたいだけど、春菜は大人っぽくなったな。 なんで姉妹なのにこんな違うんだろーな! まぁ、芽衣は芽衣で可愛いけどさ。 俺のクラスでお前のファン多いよー。』 そして悠哉はアタシの頭をクシャクシャっと撫でた。 悠哉の手は暖かくて… こんな時なのに、泣いてしまいそうになった。 あたし、ファンなんていらない。 悠哉の気持ちだけ、欲しいよ――… | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 18:45:16 | ???||593 | ||
| なんでお姉ちゃんなの? お姉ちゃんになれたらいいのに。 同じ血が通ってて 同じ親から産まれて 同じ物食べて 同じ生活してたんだよ。 なんで悠哉の好きな人は、アタシじゃなくてお姉ちゃんなんだろう。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 18:45:53 | ???||314 | ||
| ある日、春菜がマンションの前で知らない男と話していた。 家では決して見せない女の子らしい笑顔で、同じ制服の男と手を繋いでいる。 …誰だろ? 手、繋いでる――― 春菜はアタシに気付くと、恥ずかしそうに手を振ってきた。 そして、その男と歩いてくる。 『妹の芽衣。可愛いでしょー』 『噂の芽衣ちゃんだぁ。 春菜から聞いてるよ。 春菜のクラスメイトの関谷です。 よろしくね!』 …この人、ただのクラスメイトじゃないよね?? それくらい、アタシにだってわかる。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 18:46:12 | ???||680 | ||
春菜には 彼氏ができたんだ――― 心の中で葛藤する二つの気持ち。 悠哉の失恋は嬉しい。 そして、悲しい。 | ||||
| sync | 2/26 19:31:24 | ???||395 | ||
| この後の 芽衣黒イヒ→刺殺マダー? | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:13:16 | ???||435 | ||
| sync氏ね | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:18:2 | ???||928 | ||
| 春菜たちと別れ、家に帰るとタイミング良く(悪く?)悠哉からメールがきた。 〈今からデニーズこれる? パフェ奢ってやるよ!〉 どうしよ…。 あの二人を見た直後に悠哉に会うのは、戸惑いがある。 ―――だけど、久々の悠哉からの意外なお誘い。 しばらく悩むと、会いたい気持ちの方が勝った。 〈嬉しいぃー☆ ゴチになりますっ!〉 返信をし、軽く髪をとかした。 制服からお気に入りのワンピに着替える。 悠哉が前に可愛いといってくれた水色のワンピだ。 自転車を停めてデニーズに入ると、少し離れた席に見慣れた茶髪の後ろ姿を見つけた。 「悠哉ー。どしたの?」 『まぁ、座れよ』 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:19:25 | ???||136 | ||
| 悠哉の向かいに座り、メニューを開く。 久々の悠哉とのお茶。 …てより、他人から見たらデートなのかなぁ〜♪ 自然と笑みが溢れる。 『何、ニヤけてんの?』 「別にぃー。 どれにしようかなぁ☆」 その時、悠哉が入り口の方を向いた。 『あ、コータ!こっちこいよー。』 …? コータ? 誰?? | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:19:48 | ???||536 | ||
| コータと呼ばれた男は、ニコニコ笑いながらアタシたちの席に向かって歩いてくる。 悠哉より明るい茶髪で日焼けしまくり。 外見はいかにもチャラい男。 …コータは、学校で見たことがあった。 悠哉と同じ三年で、いつもギャルやギャル男たちと一緒にいる。 学校で一番派手で目立っている集団の一員だ。 コータは馴れ馴れしくアタシの横に座り、『遅れてわりぃな』と悠哉に話した。 …どうゆうこと? 二人きりなんじゃないの? 『芽衣、こいつコータ。 見たことない?』 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:20:24 | ???||725 | ||
| 悠哉はニコニコしながら話しかけてくる。 状況がよくわからないまま、アタシは知らない振りをしてうなずいた。 なんか… この状況、すごく嫌だ。 「…てゆぅか、どうゆう事? アタシ、おじゃまじゃない?? 帰ろうかな。」 『じゃまじゃないよ』 「でも…」 アタシたちのやりとりを聞き、コータが口を開いた。 『――てゆぅかね、俺が頼んだの。 俺、芽衣ちゃんと仲良くしたいんだよね〜。』 「は?!」 何、言っちゃってるの? 意味がわからない。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:21:7 | ???||239 | ||
アタシはギャルじゃない。 ギャルっぽくなりたくて目をつけられない程度に化粧はしてるけど… でも、ほんとその程度。 目立つような存在ではない。 「アタシはギャルじゃないしコータさんとは人種違うってゆうか…… なんでアタシなんですか??」 嫌な気持ちも一瞬忘れ、素直に疑問をぶつけた。 するとコータは笑いながら言った。 『わかんない、ハハッ』 え? アタシは余計わかんないよ… でも、コータが好意を持ってくれているのはわかる。 そして、悠哉がアタシにコータを紹介するのは、悠哉に何とも思われてない証拠ってことにも気付いた。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:21:58 | ???||529 | ||
| 『携帯教えてよ!』 「…いいですよ。 アタシもコータさんと友達になりたい」 アタシは嘘をついた。 …本当は、コータなんてどうでもいい。 悠哉が少しでもコータを紹介した事、後悔してくれないかな? 焼きもちやいてくれないかな? 小さな可能性に賭けたんだ。 ゆっくり悠哉の方を向くと、あきらかに顔がひきつっていた。 芽衣なんで?…って顔してる気がする。 その顔はどーゆう意味なの? 期待した通りの気持ちなの?? | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:22:34 | ???||174 | ||
『やった!じゃあ、教えてよ〜♪』 相変わらず軽い感じのコータに、わざと満面の笑顔で答える。 番号とアドレスを交換する間、悠哉はずっと黙っていた。 『じゃあ、俺は予定あるから行くゎ! 悠哉ありがとな! 芽衣ちゃん、またね』 コータはそう言い、足早にデニーズを出ていった。 「また二人きりになったねー。」 『あぁ。』 重苦しい沈黙…。 先に口を開いたのは、悠哉だった。 『何喜んで番号教えてんの? コータがどんなヤツか見た目でわかるだろ??』 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:23:0 | ???||226 | ||
| 「…えっ?」 『なんで番号交換なんかすんだよ。』 あきらかに不機嫌な悠哉の声。 アタシの心が、かきみだされる――― …だって 悠哉が紹介したんでしょ。 なんで怒るの? | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:23:50 | ???||635 | ||
| 「何でって… 悠哉が紹介したんじゃん? 怒る意味、わかんないょ。」 『普通さぁ、番号とか教えないだろ? コータに会わせてって頼まれて断れなかった俺も悪いけど、芽衣は簡単に男に番号教える女だって思わなかった。』 悠哉はイラついたように水を飲み干した。 …おもいきって、言ってみようかな。 「悠哉、焼きもち?」 『え??』 悠哉は目を大きく開き、とまどったような顔をした。 その表情に、少し期待してしまう。 『…まぁ、それもあるかな。』 えっ… ゆ、悠哉? 焼きもちって?? | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:24:31 | ???||218 | ||
| 『可愛い妹分を取られた気分! それに、心配だからコータみたいな遊んでるヤツと友達になってほしくないんだよなぁ』 笑いながら話す悠哉の声に、アタシのわずかな期待は崩れさった。 …あぁ、やっぱりそうだよね。 悠哉はお姉ちゃんしか見てないし、アタシの気持ちなんて通じないんだ。 わかっていたけど 期待しちゃったよ…。 ――アタシは中庭で春菜の話を聞いた時と同じように、作り笑いを浮かべた。 そうしないと、涙も気持ちも溢れだしてしまいそうだった…… | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:25:11 | ???||364 | ||
芽衣はうわの空のまま、約束のパフェを食べた。 その間、悠哉は春菜や学校の話を楽しそうに話し続ける。 パフェって…… こんなにマズかった? 芽衣の頭には何もはいってこなかった。 黙々と生クリームを口に運ぶ。 パフェを食べ終えた時、芽衣の気持ちに限界がきた。 ――もう嫌だ。 お姉ちゃんの話なんて聞きたくない! 「あのさ、お姉ちゃん彼氏いるみたいなんだよね。 今日、彼氏とマンションの前で手繋いでて…。」 『え………』 思わず言ってしまった芽衣の言葉に、悠哉の顔から笑顔が消えていく。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:26:18 | ???||741 | ||
| 笑顔が消えて、呆然とする悠哉。 その姿を見ていると、胸が痛んでくる。 言わなければよかったという後悔がおしよせる。 おもわず、言っちゃった………。 ――でも、失恋した悠哉を喜んでいる芽衣がいないといえば嘘になる。 傷ついた悠哉の気持ちに入り込んでいこう… そう思い、計算する芽衣もいる。 アタシはズルい… 芽衣は言葉を続けた。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:26:34 | ???||324 | ||
| 悠哉ならお姉ちゃんじゃなくても彼女できるよ! お姉ちゃんを忘れて、新しい恋しなよ!」 『………』 ――アタシがいるじゃん! そう言ってしまいたかった。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:27:6 | ???||96 | ||
| たたみかけるように芽衣の言葉は続く。 芽衣ですら、自分の言葉を止めれなかった。 溢れ出す気持ち―― 「悠哉!かなわないなら忘れた方が楽だよ!」 アタシ自身がかなわない恋を忘れられないくせに… 「他にもいい女はいるってば!」 叶わない恋でも、悠哉以上の男はいないって思っているくせに… 「ねぇ、悠哉。 聞いてる?」 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:27:30 | ???||374 | ||
| 『………ぇ』 「え?何??」 『芽衣…うるせぇよ』 絞り出すような、低くて怖い悠哉の声だった……… ――ビクッ 芽衣の体が固まった。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:28:1 | ???||351 | ||
| 顔をあげた悠哉の顔… 今でも忘れられない。 悠哉じゃないようだった。 見たことないような、悲しい眼… ―――でも、芽衣は止まれなかった。 「だって… な、なんでお姉ちゃんなの?!」 本音が出てしまう…… 『俺の気持ち、芽衣にはわかんねぇよ。 ………春菜は、俺の初恋。 告白もできなくてダセェけど、ずっと好きだった。 だから、簡単には忘れられないし、忘れる気もない。』 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:28:45 | ???||226 | ||
| 「悠哉…」 『…うるせぇって言ってわりぃ。 教えてくれてありがとな。』 悠哉は悲しい笑顔をした。 悠哉の今の気持ち… あたしと一緒だよ。 あたしもつらいんだよ。 でも、悠哉の気持ちは同じ立場のアタシ、誰よりもわかるよ…… 「ごめんね。 先に帰る… ごちそうさまです。」 その場にいるのがつらくなり、逃げるように芽衣はデニーズを後にした。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:29:18 | ???||568 | ||
家に向かって自転車をこぎながら、頭の中で同じ言葉を繰り返した。 悠哉を… 悠哉を忘れよう。 悠哉の可愛い妹分になってあげよう……… 少しでも気を抜くと、涙が溢れてきそうだった。 唇をギュッと噛み、必死に自転車をこいだ。 風に、芽衣の恋心も吹き飛ばしてほしい。 額に浮かんできた汗のように、悠哉への気持ちも芽衣の体から流れていってほしい。 もぅ、悠哉に恋しているのが疲れた。 悠哉への恋は、一生叶わないままだよ……… | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:29:45 | ???||647 | ||
| 本当に忘れたい。 悠哉の春菜への気持ちを聞いてから二ヶ月と少し。 これまで何十回も忘れようと考えたが、悠哉に会うとくじけてしまった。 今回こそは、本当に忘れなくてはいけない。 神様、 あたしの心から悠哉への気持ちを抜き取ってもらえませんか? ねぇ…… 自分じゃ忘れられないから――― | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:30:19 | ???||456 | ||
| ピピピピピ…… 翌朝、芽衣の部屋の目覚ましはいつもより10分早く鳴っていた。 低血圧の芽衣は、10分でも早起きするのはきつい。 だけど、仕方なかった。 眠い目を擦りながら、全ての動作をいつもより10分早く終わらせていく。 『芽衣、早くない?』 リビングにいくと、パンを食べていた春菜が話しかけてきた。 「うん、ちょっとね」 軽く話をはぐらかす。 そんな芽衣を春菜は不思議そうに見ていた。 芽衣は急いで用意をし、いつも家を出る時間の10分前に玄関に立っていた。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:30:48 | ???||343 | ||
| ―――10分後、いつもの時間にきっと悠哉は芽衣の家に迎えに来る。 七年と二ヶ月、 悠哉が休みか遅刻の日以外は毎日続いてきた事。 でも、しばらく芽衣は悠哉が迎えに来る10分前に家を出るつもり。 悠哉への気持ちが消えるまで、距離を置こう… それが芽衣の考えだ。 そうでもしないと、忘れようと思えない。 気持ちが揺らぐ。 これ以上、悠哉を好きにならないように。 悠哉をどんどん忘れていけるように……… 悠哉に見付からないように玄関のドアを静かに開き、エレベーターに向かった。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:31:18 | ???||594 | ||
マンションを出ると、蒸し暑い空気が芽衣を包んだ。 はぁ、暑いょ〜 あと半月もすれば、芽衣たちの中学は夏休み。 そうなれば、悠哉に学校でバッタリ会う事もない。 悠哉を避ければ、ほとんど会わなくても済む。 小学校からの友達でクラスメイトの【優梨】と、海やプールの予定もたくさん立っていた。 夏の海やプールって、いっぱい出会いがありそうな感じがする。 悠哉を忘れさせてくれる出会いもあるかも? 早く夏休みにならないかなぁー……… 夏休みへの期待が膨らんでいく――― | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:31:50 | ???||306 | ||
中学の校門が見えてきた。 知り合いの顔も何人か見える。 『芽衣!おはよ!!』 「ヒャッ!!!」 いきなり後ろから誰かに抱きつかれた! 『驚いた?』 心臓をバクバク鳴らせながら振り返ると、朝からハイテンションな優梨。 「朝からやめてぇ(泣) ビビったょぉ〜」 パニくる芽衣を見て、爆笑する優梨。 優梨は、芽衣の悠哉への気持ちをしっている。 昨日も芽衣は優梨に電話をし、2時間も話を聞いてもらった。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:32:16 | ???||931 | ||
| 『今日もあちぃ〜ねぇ。 早く夏休みにならないかなっ♪♪♪ 遊びまくろぉねぇ!』 『後でお菓子あげる☆』 『今日は4時間目サボって、購買いってヤキソバ買って、屋上いっちゃおっか?』 いつも以上に話しかけてくれる優梨。 バカみたいな話で、芽衣を盛り上げてくれる。 ―――そんな優梨が、芽衣は大好きだ。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:32:46 | ???||408 | ||
| 「おはよぉ〜」 『おはぁ〜』 教室に入り、芽衣たちは席に座った。 周りの席のクラスメイトと挨拶をする。 芽衣と優梨は同じクラス。 しかも席も前後で、芽衣たちのまわりは仲がいい友達たちが集まっていた。 偶然に………ってゆぅと嘘になる。 席変えのクジ引きを少し細工して、みんなで仲良く近い席(笑) 芽衣の隣は【ナツくん】。 中学に入ってからの友達で、勉強の才能が全てスポーツにいっちゃった感じのスポーツバカ。 もちろん彼女も好きな子もいないサッカー命くん。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:33:2 | ???||863 | ||
| 芽衣の前の席は優梨。 優梨は焦茶のロングヘア。 この前、隣のクラスの男を振っていた。 美人でモテるのに、彼氏はナシ。 ここだけの話、優梨はナツくんに片想い中だ♪ | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:33:35 | ???||800 | ||
| そして、優梨の隣が【アッくん】。 アッくんは、中2にして体験人数50人。 100人ギリまであと半分ってゆぅ恋愛の達人(?)だ。 少し童顔で茶髪の短パツをいつもツンツンにセット。 他の中学に二人彼女がいるとゆう、遊び人。 あと、ひとりだけ隣のクラスになっちゃった【美亜】。 美亜は芽衣や優梨と違って、かなりのギャル。 たぶん学年1派手だ。 美亜と一緒にいると、よく上級生ににらまれて嫌な思いをするのが困る所。 だけど美亜はそんな事を気にしないでいつも明るく堂々としてる。 そんな美亜は優梨と同じくらい大好きな親友だ。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:34:0 | ???||424 | ||
| 『芽衣〜、英語の宿題忘れた! てゆうか、マイネームイズナツくらいしか、わかんねぇ。』 隣のナツくんが相変わらずのバカっぷりを見せてくる。 「マイネームイズナツって、中1じゃね? 優梨が英語得意だから聞きなよ〜」 優梨がパッと芽衣を見て、芽衣だけにしか見えないように恥ずかしそうに笑う。 ―――でもその直後 優梨は教室の入り口を見て、真顔になった。 優梨の視線の先には、悠哉がいた…… | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:34:34 | ???||342 | ||
| 芽衣と目が合った悠哉は、怒った顔で芽衣を手招きする。 どうしよう…… 悠哉に気付いたクラスメイトも、3年が2年のクラスに来るなんて何事?って感じで芽衣を見る。 『芽衣、悠哉くん来てるね…… 朝の事じゃない?』 「…うん、きっと」 それ以外、思い当たる事はない。 何もしらないナツくんとアッくんは不思議そうに芽衣を見ていた。 皆の好奇の視線に耐えきれなくなった芽衣は、言い訳を考えながら入り口に向かう。 『どしたんだよ、今日。 なんで先に学校いったんだょ。』 「あ…あの…」 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:34:51 | ???||702 | ||
| あまり嘘が得意ではない芽衣。 言葉に詰まる……… 悠哉と距離あけたかったなんて死んでも言えないし、良い言い訳も見付からない…… | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:35:25 | ???||249 | ||
| ――その時 後ろから声がした。 『芽衣は俺と予習するために、早く来たんです』 ……えっ? 振り返ると、声の主はアッくんだった。 何で?? ――だけど、ナイスアッくん! 「――そぉそぉ、急だったから……… しばらく予習するから、ひとりで学校いくね。」 『ふぅん、そぉなんだ。 連絡くらいしろょ』 悠哉はまだ納得してはなさそうだが、廊下を歩いていった。 ――芽衣は悠哉の背中を見つめながら思った。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:35:43 | ???||118 | ||
アタシだって一緒に学校に行きたい。 だけど、もぅ好きになりたくないから行けないの………… きっと、悠哉との間には亀裂が入ってしまった。 でも……… これでいいんだょね? | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:36:14 | ???||371 | ||
| 悠哉の背中を見ながら立ち尽くす芽衣。 悠哉は廊下の角を曲がり、芽衣の視界から消えた。 …これでいいんだよね? 自分にいい聞かす芽衣。 ―――だけど胸はギューっと痛くなって… 廊下も、廊下にいる学生たちも、全部ぼやけて……… 芽衣の目から、大きな涙が溢れ出した。 涙はどんどん流れ続け、芽衣の頬を伝っていく。 『俺、まずい事言っちゃったんぢゃない? だいぢょぶか??』 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:36:32 | ???||66 | ||
| うろたえながら、あせるアッくん。 芽衣は首を横に振った。 芽衣の胸の痛みは止まることなく増していき、涙はこぼれ続けた…… | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:37:6 | ???||840 | ||
| ―――芽衣の足は自然と走り出していた。 『待って!』 『芽衣?!』 後ろから声が聞こえる。 ……だけど、芽衣は振り向かないで走った。 行く当てもないまま階段をのぼって行く―― 「ハァ……ハァハァ…」 気が付けば階段は行き止まりになっていた。 目の前には、重そうな扉。 二階から屋上の前まできちゃったんだ… あたし、何やってんだろ……… ハァハァと息を切らしながら、芽衣は扉のまえに座り込んだ。 ♪〜♪〜♪〜 スカートのポケットに入っている携帯が、鳴っている。 こんな時なのに、明るく元気な女性ボーカルの歌声。 携帯を取り出し、ディスプレイを見ると【優梨】の名前。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:37:35 | ???||823 | ||
| 〜♪〜♪………… 切れちゃった。 ♪〜♪〜♪〜♪〜 ??。今度はディスプレイには【ナツくん】の名前。 〜♪〜♪……… 次はきっと――― ♪〜♪〜♪〜♪〜 【アッくん】の名前が表示されている。 「みんな………」 みんな、心配してくれてる。 こんな時、一番友達の大切さがわかるね…… 泣き顔に、少しずつ笑顔が戻っていった。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:38:10 | ???||460 | ||
今度はさっきとは違う涙が溢れてきた。 きっと、嬉し涙―― 芽衣は声を殺して泣いた。 少し落ち着いてから、みんなにメールを送る。 〈心配かけてごめん。 今から教室帰るね!〉 ♪…♪…♪… すぐに返信がきた。 〈え? あたしたち、みんな今マックかも(笑)〉 何してんのぉ〜〜?! 芽衣は階段を駆け降り、正面玄関を飛び出した。 bagや財布は教室に置いてきちゃったけど(笑) | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:39:5 | ???||216 | ||
芽衣たちの中学から五分ほど歩くと、駅前に着く。 そしてマックやファミレスが駅の隣に並んでいる。 マックに着くと、窓際の席にみんなの姿が見えた。 他のクラスになっちゃった美亜もいる。 ―――あれ? コータさん?? 優梨たちとは少し離れた席に、三年の集団がいた。 学ランきてるのにタバコを吸って、かなりガラ悪っ… ギャルな女の先輩もいるし。 そして優梨たちの席を指さして、何かコソコソ言っているようだ。 美亜は三年に目をつけられてるし…… 嫌な予感――― | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:39:35 | ???||346 | ||
| ―――案の定 嫌な予感が的中……… コータの隣の席に座っていた巻き髪のギャルが、席を立ち上がった。 それに合わせて他の三年の女たちも立ち上がる。 顔をしかめて、立ち上がった巻き髪の女の腕を掴むコータ。 でも、その女はコータの腕を振り払い、美亜を見て歩きだした――― ヤバッ…… 急いでマックのドアを開け、皆の元に急ぐ。 ――だけど、少し遅かった。 『てめぇ、人の男に手ぇ出したりしてんじゃねーよ!!』 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:40:12 | ???||436 | ||
『はぁ?何か用?? 捨てられた女が悪くないですかぁ??』 美亜は立ち上がり、巻き髪の女と口論になっている。 ――ヤバい! 「美亜!やめなっ!」 芽衣は叫んだ。 美亜が芽衣に気付いて振り向く。 三年の女たちから美亜が目を離したその時――― バシャ――― テーブルにあった飲みかけのオレンジジュースを手にした女が、美亜の頭にジュースをかけた。 そして、美亜の長い髪を引っ張る――― | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:43:11 | ???||578 | ||
| 『キャッ! ………ッ!! やめてぇっ!!』 美亜の悲鳴が店内に響く――― 『何やってんだよ!?』 アッくんやナツくんが押さえようとしても、美亜の髪から手を離さない女。 それを見て笑う三年の女たち――― 何これ……… どぉなっちゃってんの………? 呆然として、入り口付近で立ち尽くす芽衣。 店員が小走りで美亜たちに向かっていった。 それに気付いた女は、パッと手を離す。 その手のひらには、美亜の自慢の長い髪が何十本もついていた…… 『お前、許さないから』 床に座り込んで泣いている美亜に、巻き髪の女が捨て台詞を吐いた。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:43:45 | ???||333 | ||
| 優梨は真っ青な顔で、美亜の肩を抱く。 そしてキレてるアッくんを無理矢理押さえるナツくん……… 女たちは自分の席から鞄を取り、マックを出ていった。 ―――ッ!! 我に返った芽衣は叫んだ。 「美亜っ!!」 芽衣は近くにあった紙ナプキンを大量に持って、席に向かう。 何が起きたのかよくわからない。 ―――だけど、ひどすぎるよ | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:45:4 | ???||792 | ||
| 美亜がゆっくり立ち上がる。 『頭、いたい〜っ。 早くジュース飲みきってればよかったよぉ……』 そう言って、美亜は引きつりながらも笑った。 全然笑えない… 落ち着いてきた芽衣の中に、フツフツと怒りが沸いてきた。 パニックになって何もできなかった自分にもくやしい。 そして芽衣の怒りは、コータに向けられた。 『め…芽衣?!』 残っている三年の席に向かう芽衣を見て、優梨が目を丸くする。 「コータさん!」 芽衣の声にコータが振り返る。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:45:21 | ???||996 | ||
| 『芽衣ちゃんだぁ♪ どしたの? ポテト食う??』 「どしたの?…じゃないですよ!! さっきの女の先輩たち、何なんですか?!」 『え……? もしかして、ユリがやっちゃった子と友達??』 気まずそうにするコータを芽衣は睨む。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:45:48 | ???||135 | ||
| 普段なら怖くて絶対睨めないような人だけど、ムカつきすぎて気にならなかった。 「友達ってゆぅか、親友なんですけど。」 『マジ?! そいえばあの席のもぅ一人の女の子、芽衣ちゃんとよく一緒だょね? 俺、もぅ手ぇ出すなってユリに言っとくから! ごめんねっ!!』 コータが顔の前で手を合わせる。 他の三年たちは、芽衣の剣幕とコータの姿に驚いていた。 『コータは止めたんだよぉっ。 俺からも謝るから、許してやって☆』 『コータが頭下げるなんてめずらしいから、機嫌なおしてよ〜』 他の男たちに言われ、少しずつ怒りの熱が下がってくる。 「もう、絶対美亜に手ださせないで下さい。」 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:46:12 | ???||923 | ||
| そう言い、芽衣は席に戻った。 美亜は嬉しそうに笑い、芽衣に 『ありがとねっ』 と、言った。 他の三人はキレていた芽衣を見て、驚きが隠せない様子(笑) ―――てゆぅより、あんなことやっちゃったって事に、自分が一番驚いてるんだけどね。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:46:40 | ???||371 | ||
芽衣たちは、マックを出て学校へ向かう。 美亜だけは『家でお風呂入ってから学校戻る』と言い、駅前で別れた。 『なんか大変だったんですけど〜。』 『俺、何もわかんねぇのに、二回も三年とトラブル?』 ナツくんとアッくんが笑い合う。 「確かにアッくんは二度だょね(笑) 遅くなったけど、心配かけてすいませんっ! 教室に来た幼馴染みの三年の人ね、芽衣の好きな人だったの。 だけど、他の人が好きで、叶わないから… えっと、いろいろあって、諦めることにして……」 頭の中がグチャグチャになって、さっきの涙がまた出てきちゃいそうになる――― | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:46:57 | ???||360 | ||
「だ…だからね――」 『距離あけたくて、毎朝一緒だった登校をバッくれたら、教室に来ちゃったってことです☆ で、明日から一人で行くって言ったはいいけど、悲しくなっちゃったって事でしょ?』 泣きそうな芽衣に気付いたのか、代わりに言ってくれた優梨。 「そーゆぅ事なのですっ」 芽衣が言うと、ナツくんとアッくんは黙ってウンウンと頷く。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:47:23 | ???||696 | ||
| 『―――でも、それでいいのか??』 ナツくんは悲しい顔で芽衣を見た。 その言葉に、少し考えてから芽衣はウンと答える。 『芽衣ならいい恋できるよ!』 「恋愛達人のアッくんに言われたら、できる気してきたぁ!」 『じゃあ優梨もアッくんに言われたい〜! いい恋したぁ〜〜い!』 みんなで笑い合っていると、気持ちが楽になるよ。 一瞬だけかもしれないけど、悠哉を忘れられる……… | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:47:51 | ???||843 | ||
悠哉は今、何してるのかな? ちゃんと授業頑張ってますか?? 悠哉…… 芽衣のいいお兄ちゃんになってね。 お兄ちゃんって思えるように頑張るから。 ―――またこぼれかけた涙を隠すため、芽衣は上を向いた。 悠哉に涙腺、壊されちゃったみたいだよ…… 空は、雲ひとつない晴天だった。 芽衣の心は、雲だらけで小雨が降りつづいている。 早く、青空になりますように…… | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:48:23 | ???||619 | ||
| ―――学校に着くと、四人は静かに靴を履き替えた。 授業中の校舎は、シンと静まりかえっている。 まるで、みんなが消えちゃたみたいに静か… 教室に向かって皆は無言で歩いた。 バタバタバタ――― 後ろから、誰かがウルさく廊下を走ってくる。 チラッと振り返ると…… 「…え?!」 担任の教師が怒った顔で走ってきていた―― すでに芽衣たちとの距離、約10m。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:48:57 | ???||722 | ||
『お前ら、何やってんだぁ!!!』 「――!?」 『『逃げるぞっ!』』 アッくんとナツくんの声で、芽衣と優梨も走り出した。 このまま廊下を走ると、階段が左にある。 まっすぐ行くと行き止まりだから、階段を登らなくてはいけない。 ……また階段だ! キツイ!! 『に…逃げるんじゃない! マクドナルドにいただろ! ハァ、ハァ……乱闘したんじゃないか!? 学校に通報がきたぞ!』 担任教師の苦しそうな怒鳴り声が、後ろから聞こえる。 ―――バレてる! 絶対捕まるわけにいかないーっ!! | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:49:33 | ???||663 | ||
| ――階段が見えてきた 芽衣は左に曲がり、階段を駆けあがる。 ハァ、ハァ…… 息が苦しい。 前にはヨレヨレしながら走るアッくん。 後ろには……… 「!?」 ……誰もいない。 芽衣は足を止めた。 「ねぇ…アッく…ん …ハァ、ハァ、み、みんないないよ〜??」 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:50:10 | ???||303 | ||
アッくんも足を止める。 『えっ? ハァ、ハァ… あいつら真っ直ぐ、行ったのか?? つ…突き当たりになるのに……忘れてたのかな? ハァ…ハァ………』 ―――階段のだいぶ下から、声がする。 『あの二人はどこ行った!』 『しらない〜』 『マクドナルドには行ったか?!』 『行ってないよ〜』 アッくんと顔を合わせて、苦笑い。 『これじゃ、今から教室は帰れないよなぁ。 どぉする?芽衣。』 「ん〜…。 ―――あっ!屋上は?!」 朝見た屋上の扉を思い出す。 確か、鍵はかかってなかったはず…… | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:50:44 | ???||434 | ||
| そのまま芽衣たちは階段をのぼり、扉の前まで着いた。 走ったり階段をのぼったりしたから、二人ともハァハァと肩で息をしている。 「えぃっ!」 芽衣が重そうな扉を開けると…… 扉の向こうには、グリーンの床と真っ青な空――― 「きもちぃ〜」 『だなっ!』 屋上に出て、二人で床に寝転んだ。 太陽がまぶしいけど、ほんとに気持ちいい…… 「走ったり泣いたりして疲れたから、こんなに気持ちいいと眠くなっちゃいそうだよ〜。 枕があれば最高なのに☆」 『枕、あるぞ』 「えっ?」 横に寝ているアッくんの方を見ると、片手を芽衣の方にチラチラゆらしている。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:51:8 | ???||15 | ||
目が合うとアッくんは笑いながら『腕まくら♪』と言った。 顔が真っ赤になる。 そんなこと、冗談でも言われた事ないし…… 『誰も見てないし、マクラ貸してやるよ☆』 「ええっ!?」 少しとまどいながら、アッくんのペースに飲まれて手首の上に頭を乗せた。 「失礼しまぁす……」 は、恥ずかしい… 今までアッくんを男として意識なんてした事なかったけど、やっぱりアッくんは男だょねっ。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:51:50 | ???||914 | ||
『芽衣〜、手首痛い。 もっとこっち!』 アッくんが自分の腕と肩の付け根あたりをポンポンと叩き、その手を芽衣の腰にまわす。 そして、頭の下の手をグッと引き寄せて――― 「!!!」 『はぃ、完成〜☆』 芽衣は目を白黒させた。 だって…… だって、頭がアッくんの胸にあって…… なんてゆうか……抱き合ってるってゆうか…… そんな感じで――― 平然とするアッくんの横顔。 慣れてるんだなって思うと、チョット複雑だった。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:52:32 | ???||747 | ||
息がかかるくらい間近なアッくんの顔―― アッくん、肌キレイだなぁ。 鼻も高いし… もてるのがわかるかも。 『……芽衣っ。 見すぎ!恥ずかしいから見るなって。』 「えっ…ご、ごめんっ」 心臓がバクバク鳴る。 ほんとに恥ずかしい。 でも………太陽がポカポカして、人肌が暖かくて、ドキドキも心地いいドキドキで……… 嫌ぢゃない……… 目を閉じて考える。 隣が好きな人だったら、最高に幸せなんだろうなぁ――― チュッ♪ 「ん………!?」 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:53:15 | ???||891 | ||
| ………え? 柔らかくて、 プニッてした。 唇をプニッって指で優しく押されたような………。 『早く忘れちゃえよ。』 「えっ………」 『だからさ、早く悠哉先輩の事忘れちゃえよ。 ずっと頑張って叶わなかったなら、忘れて幸せになんなよ。』 クシャクシャと頭を撫でられる。 猫になった気分… 「ねぇ、アッくん。 今のプニッってしたの、何??指??」 『ん? キス♪』 ……キス? キス……キス……!? ―――!!! 「エ゙エ゙ッ!!! キスっ!?」 バッと起き上がり、体育座りをして両手で唇を押さえた。 キスって…… 『ごめんっ… なんか芽衣が可愛く見えちゃって……思わずっ』 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:53:39 | ???||62 | ||
謝るアッくん。 呆然とする芽衣。 「め…芽衣、初めてキスってゆぅのをした………」 『エ゙エ゙ッ!!!』 今度はアッくんが驚く。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:54:16 | ???||738 | ||
初めてのモノは、全部悠哉にあげたいと思っていた。 アッくんも、友達として好きだけど…… 男としては見てなかった。 だけどね… 腕まくらは嫌ぢゃなくて…… よくわからないけど すごく気持ちよかったんだ。 唇と唇が当たった…ってゆぅか… キスってゆぅ行為も―― 嫌じゃなかった…… なんでかは本当にわかんないけど… 気持ちよくて、温かくて 胸がキュンとしたの――― 「アッくん…」 『ご、ごめんなっ。初めてって、しらなくて…』 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:54:47 | ???||694 | ||
| 動揺するアッくんの声を遮り、話す芽衣。 「ううん、違うの… うまく言えないけど、嫌じゃなかったってゆうか……」 『えっ?』 「自分でも、わかんないけど……」 話しながら、恥ずかしくなる。 アッくんの目を見れない。 そして芽衣の口から、驚くような言葉が出た――― 「わかんないから、もぅ…もぅ一度…して?」 もう一度…… してみたいの―― | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:55:22 | ???||6 | ||
| 頭がボォーっとして、胸のバクバクする音は最高に大きくなって…… 自分が何を言ってるのかすら、よくわからない―― 『芽衣……』 アッくんは芽衣を抱き締めて、キスをした。 柔らかくて…… 優しいアッくんの唇 愛のないキスは、しちゃいけないのかもしれない。 ―でも、キスしてる瞬間 満たされる。 忘れられた。 一瞬だけど、悠哉を忘れられたんだ―― | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:56:11 | ???||713 | ||
それから芽衣とアッくんは、頭の中がとろけちゃうくらいに何回もキスを繰り返した。 腕まくらして、抱き合って、キスをして――― 芽衣はその間、アッくんに恋をしていた。 アッくんも、芽衣に恋をしていたように感じた。 屋上の魔法……… 重い扉を開くと、ここは魔法のかかった世界だった。 そして扉から階段に戻ると、芽衣たちは魔法が解けて友人に戻る。 『暑いなぁ…』 「うん…暑い〜っ!」 二人の繋いだ手に汗がにじむ。 『下、降りる?』 「…ま、任せるっ。」 下に降りるってゆうことは、魔法がとけるってこと。 暑いのはわかるけど、まだ魔法にかかっていたい………。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:56:35 | ???||930 | ||
| アッくんのシャツをつかんで下を向く芽衣。 『下降りて、また放課後に来る?』 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:57:19 | ???||936 | ||
―――芽衣の顔は、パァッと明るくなってしまった。 『芽衣、わかりやすいなっ(笑) キスに、はまっちゃった?』 「………」 意地悪な質問に真っ赤になる芽衣。 アッくんは友達だと優しいけど、屋上ではたまに意地悪なんだね… チュッ♪ 芽衣から初めてキスをした。 今度はアッくんが真っ赤になる。 「意地悪したおかえし☆ 赤くてタコちゃんみたい〜」 『うるせぇよっ』 どちらからともなく、二人は手をつないだ。 名残惜しむようにゆっくりと扉を開き、階段に戻る。 階段はひんやりとした空気が流れ、薄暗い。 | ||||
| bじゅtrftう | 2/26 20:57:44 | ???||23 | ||
| 『みんなになんて言おっか?』 「え?キスしたことを言うのは嫌〜〜〜!!恥ずかしすぎる………」 『芽衣、バカだなぁ(笑) キスは内緒でいいんだけどさ、今までどこにいたとか聞かれるだろ? それの嘘考えるんだよ』 あ、確かに…。 そうだよねっ。 もぉ、キスばっかり考えちゃってて……… 階段を降りるにつれ、ふたりの手のひらは離れた。 指も離れて、距離も開いて……… 友達に戻ってゆく二人。 | ||||
| sync | 2/27 11:11:54 | ???||251 | ||
| >>16 悪かった。今は反省している 無線LANでエアー首吊りしてくるわ | ||||
| 竜騎士 | 2/27 20:23:38 | ???||434 | ||
| bじゅtrftうへす・れ・ち・が・いカエレ | ||||
| ホルト | 3/2 18:37:12 | ???||926 | ||
| え、終わりですか | ||||
| ★ダイヤ★ | 5/4 14:50:1 | ???||848 | ||
| うちなんかふつーにキスしてるんだけど。 | ||||
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