4851 | 『雫』-1 | みりん | 4/1 10:48:36 | 2191cfmGa2CXKuJNM |
先日、参加者募集させて頂きました、みりんです。 大分遅れてしまいましたが書き込みます。 3組のお話全てをまとめた題が『雫』 今のお話の題が『宇宙』 それでは |
みりん | 4/1 10:49:4 | 2191cfmGa2CXKuJNM||667 | ||
あたしの頭の中の辞書を開いてみた。 恋人=一種の契約(口約束)で結ばれた男女。そこには愛があり、それが失せると別れる。 何かに似ているな、と思ったけどさ。 これって変人っていう言葉に似てるんだよね、見た目も中身も。 |
みりん | 4/1 10:49:38 | 2191cfmGa2CXKuJNM||252 | ||
「好きです。青葉沙彪さん」 日直の仕事を済ませ、帰ろうとしているとき、こいつ佐藤純也が教室に入ってきた。もう窓の外は紅く染まっている。 「俺、前から見てたから」 知らなかった。 でも、こいつは知ってる。いわゆる人気者だ。 そんな奴に告白されたんだもの、やっぱり嬉しいよ。けど、その告白を受ける訳にはいかないよねぇ。 |
みりん | 4/1 10:50:12 | 2191cfmGa2CXKuJNM||836 | ||
だってあたしは宇宙人だもの。 宇宙のどこかで産まれて、何か間違っちゃったってゆーんで地球に捨てられたんだ。もし、あたしの素性が知れたら、消されるんじゃないかな。 だから あたしは人に合わせる。あいつらに合わせて笑ったり、泣いたり。だってあたしは何だって出来るもの。あいつらに合わせて成績だって落とした。感情だってコントロールしてきた。 そして、最近ミキの彼氏が出来た。そうだユリにまで。 |
みりん | 4/1 10:50:39 | 2191cfmGa2CXKuJNM||981 | ||
「返事は」 急かすように問い掛けられたサアヤは、ある事に気付いた。 これで、ミキ達との調和が保てる。それが分かった今、返事はひとつ。 「私も好き」 「・・・やった、うわすっげぇ嬉しい」 顔を紅くさせ、喜ぶジュンヤを傍目にサアヤは少し罪悪感を感じた。 あたし、別 にこいつ好きじゃないけど。・・・ま、いいか。 残り時間の減った今日がやけに早く過ぎた。 |
みりん | 4/1 10:50:59 | 2191cfmGa2CXKuJNM||379 | ||
新しく始まった一日も、半ば虚ろに半分過ぎた。 そんなとき、声がした。 「今日一緒に帰ろ」 ジュンヤだった。わざわざ来てくれたらしい。 「うん、待って。今片すから」 雑に詰め始めた教科書で、バッグは破裂しそうなくらい膨らんだ。 「行こ」 「ん」 |
みりん | 4/1 10:51:33 | 2191cfmGa2CXKuJNM||803 | ||
たわい無い会話が続き、2人の家までの分かれ道に着いた。すると、急に会話が途切れた。突然顔が近づいたかと思うと、経験の無い生暖かさサアヤの唇を包んだ。目も閉じられずに見ていると、目が開き、顔と唇が離れた。 あ、こいつの瞳灰色だ。 「じゃあな」 顔を紅潮させ、手で唇を覆い、自分の家に向かい走っていった。 後には硬質なアスファルトを蹴る音が残った。 人間って、手早いんだな。さっきのってキス・・だよね。 |
みりん | 4/1 10:52:0 | 2191cfmGa2CXKuJNM||393 | ||
次の日、また次の日と似たような一日が過ぎた今日、あたしはジュンヤのクラスに行った。 「今日、家に行って良い?」 脳内辞典で調べてみたら、これが最良の方法だそうだ。 「今日は・・友達が来るからさ、その・・・」 渋るジュンヤのもとに、3人の友達らしき人間が集まってきた。 「噂の彼女?可愛いじゃん」 「来ていいですよぉ、全然」 「俺ら気にしないんで」 この友達等のおかげで、あたしは家に行ける事になった。 |
みりん | 4/1 10:52:57 | 2191cfmGa2CXKuJNM||955 | ||
へぇ、独り暮らしなんだ。何か事情があるのかな。ま、いいや。 そこは小綺麗なアパートだった。名前はいかにも、な感じだったが、中は男1人にしては充分なくらい広く、結構綺麗にしているようだった。 そこでサアヤ達は一時間くらい遊んだ。ぷよぷよって結構面白い。 「じゃ、そろそろ帰りますか」 「ん、彼女さんも来てるしな」 「バイバーイ」 次々と喋ると、その友達はジュンヤの止めるのも聞かず帰っていった。 |
みりん | 4/1 10:53:16 | 2191cfmGa2CXKuJNM||906 | ||
「ったくあいつら気ぃ遣いやがって」 そう言いながらも、半ばにやけていて、言葉の内容と顔が合っていない。 「でも、良い人達だね」 「・・・じゃあ、早速する?」 一応聞いてみたものの、ジュンヤはサアヤの答えを待たずに顔を近づけてきた。 まだ付き合って5日しか過ぎてないのにな。やばい、生理的に受け付けない。あたしの体。 |
みりん | 4/1 10:53:32 | 2191cfmGa2CXKuJNM||404 | ||
「これっ、このDVD見たい」 焦り気味のサアヤが適当に取り出したDVDは、ジュンヤが一番好きなものだった。 「え、これサアヤも好きなん。」 分かり易く笑顔を見せるジュンヤにサアヤはうんと言った。けれど、ジュンヤがちらっとサアヤを見た目は違った。 だから嫌い。あんたの目は。見透かされているようで、ほら今だって『察してくれよ』って言いたそうな目をしてる。・・・色のせいかな。あ、始まった。 |
みりん | 4/1 10:53:59 | 2191cfmGa2CXKuJNM||124 | ||
2人で見たDVD、『地球、いつかの歴史』は宇宙の映像とそれに伴った音楽が長々と流れているものだった。 「ほら、ここの地球がすっげぇ綺麗なんだよ。ここの音楽も良いよな・・・」 寝るには最高の環境だった。 目覚めると、隣には当たり前のようにジュンヤがいて、DVDは丁度よく終わった。 |
みりん | 4/1 10:54:16 | 2191cfmGa2CXKuJNM||782 | ||
「あ、あたし帰るね。あとそのDVD借りて良い?」 「うん、いいよ。はい」 素っ気なく渡されたDVD。なんだか、怒っているように見えた。 玄関に立って、手を振ろうとしたサアヤにジュンヤは言った。 「あのさ、無理して俺に合わせなくて良いから。そのDVDだって超マイナーだし。あと、友達が来るときは遠慮してほしいんだ」 迷惑だった?なんて言葉が浮かんだけど、それに対する答えなんて用意に予想出来た。だから、あたしはうんって言って帰るしかない。 |
みりん | 4/1 10:54:37 | 2191cfmGa2CXKuJNM||718 | ||
ミスです;; 用意に=容易に |
みりん | 4/1 10:54:55 | 2191cfmGa2CXKuJNM||48 | ||
帰り道、家の中、部屋の中。どこに居ても今日の言葉が浮かび、どうしようもない空虚感が残った。眠る気にはなれなかった。そんなときあのDVDを思い出した。 狙いは的中。『地球、いつかの歴史』はすぐに眠らせてくれた。 次の日、サアヤはずっと屋上に居た。まだ消えない空虚がサアヤを支配してしまいそうだ。 そんな気分を、この青空は消してくれそうだった。 |
みりん | 4/1 10:55:17 | 2191cfmGa2CXKuJNM||763 | ||
「今日、サアヤ暗いけど何かあったの」 教室に来たジュンヤにミキは言った。 「少し」 「行ってあげなよ。あたしじゃどうにもなんないから、彼氏の力でさぁ」 間もなくジュンヤは屋上へ来た。 「どうしたの」 息が荒れているのに気付き、サアヤは声を掛けた。 「昨日、俺傷つけたかなと思って」 「そんなこと、ないよ」 「俺、女心とか、乙女心とか分かんねぇから。違ってもごめん」 |
みりん | 4/1 10:55:36 | 2191cfmGa2CXKuJNM||24 | ||
今あたしが泣きなんかしたって、こいつを困らせるだけじゃん。 あたしはいつだって独りだった。だから強いんだよ。強いんだ「あ」 いつだって感情はコントロール出来たし、そうやって生きてきた。なのに。涙なんて流れた事無かったのに。 二度目のキスはやけに虚しくて、やけに甘くて。 なのにあたしとは正反対の青空がここにはあった。 |
みりん | 4/1 10:55:50 | 2191cfmGa2CXKuJNM||140 | ||
こんな感情をまとめて恋っていうのかな・・・ |
みりん | 4/1 11:1:49 | 2191cfmGa2CXKuJNM||636 | ||
■□アトガキモドキ□■ 今回の『宇宙』に出てきた 青葉沙彪と佐藤純也は、沙彪さんとアスラン・ザラ君さんが考えてくれました。 ありがとうございますm(__)mペコ 性格に多少では誤魔化せない程に違いが出てしまいましたが、私の脳ではこのくらいが限界です;;すみません。 かなり、長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださる方は得てしているのか!? というコトで、感想・その他諸々頂けたら幸いです。 ■□オワリ□■ |
パンダ | 4/1 11:9:34 | 2181cfCOA8gDu1wHY||347 | ||
壁|゜)ノ オヒサナリ~小説(?)書くのうまいね~↑↑ 2章もはやくみたい・・・ドキドキ |
アマグリ | 4/1 11:52:4 | 2220cfp2NKIFzL5ZM||171 | ||
沙彪は姉妹のキャラです。代わりにお礼いっておきますm(_ _)mペコ おもしろいです(^∀^)チェックさせていただきます! |
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