6181 | おはなし | ∞ | 7/29 14:53:25 | 2199cfUM0PaI1nhvg |
本編よりも、スレ題を考えるのに苦労してるのは私だけでしょうかね^^; 結局、ちんけなスレ題になってしまいました>< |
∞ | 7/29 14:55:16 | 2199cfUM0PaI1nhvg||301 | ||
『時を刻まない街』 とある街に、目的を持たない旅人が迷い込んだ。 目的を持たない旅人は、この街の異様さに驚かされた。家の中で料理を作っているが食べる様子もない。道端でおしゃべりしているが、その会話に意味はない。店を出しているが、商売をする気もない(というより、この街にはお金というものがない)。街に唯一ある時計台の針は動く兆しがない。この街には昼も夜もない。だが、街の人たちはそれでもよかった。いや、それで満足をしていた。 旅人はこの街が気に入った。『目的のない私には、この時を刻まない街こそふさわしい』、と。 |
∞ | 7/29 14:56:26 | 2199cfUM0PaI1nhvg||124 | ||
目的を持たない旅人が街に定住することに決めた。 はじめの一週間は、宿代や食事代がいらないことに旅人は(いや、今はもう新しい住人)よろこんだ。意味のない会話に戸惑いはした。でも、会話を聞かなければいいことに気づいた。 新しい住人は思った。『この街は、自由そのものだ』、と。 |
∞ | 7/29 14:57:45 | 2199cfUM0PaI1nhvg||610 | ||
数週間後、新しい住人はこの街に不安を感じた。 料理を作ったものの、食べる気がしない。人に出会っても挨拶すらできない(だって、この街には朝・昼・晩がないのだから、「おはよう」も「こんにちは」も「こんばんは」もない )。会話なんてこの街に着いたときから、まともにしていない。 『私はここで何をしようとしているのだろう』 |
∞ | 7/29 14:59:38 | 2199cfUM0PaI1nhvg||167 | ||
そして、半年が過ぎた。新しい住人はこの街であせりを感じた。この街に恐怖を感じた。いや、この街では誰も何も感じることはできない。なぜなら、この街は時を刻まない。だからこの街は不変なのだ。だから、この街の住人は、何も変わらない。肉体的にも精神的にも・・・、だから、何も感じることもない。 新しい住人は、気づいた。この街の者は、表情がない、感情がない、生きてない、死んですらない。そう、このモノたちは人形そのものなのだ。この街にあるモノは、無にも等しいものなのだ。新しい住人は思った。 ほんの少しだけ残っていた思考で思った。『私はこの街から逃げなくてはいけない。この無から逃げなくてはならない』、と。 |
∞ | 7/29 15:1:17 | 2199cfUM0PaI1nhvg||669 | ||
新しい住人は(いや、旅人)、この街から逃げ出した。 旅人はまた、旅をしている。だが、今は目的がある。いや、もともと目的を持っていたのだ。だが、今も目的はない。いや、そもそも目的なんていらなかったのかもしれない。 旅人は思った。『あの街は、もともと存在しなかったのだ』、と。 〜 END 〜 |
∞ | 7/29 15:6:30 | 2199cfUM0PaI1nhvg||33 | ||
〜〜独り言〜〜 何か、文全体が暗いですね。 それでも、読んでくれた方がいらっしゃったら、感想をお待ちしております。 (賛同よりも、ダメダシの方が嬉しいかも^^;) |
特殊文字 by.チビファンタジー 過去ログ | ||||