8133 | 真夜中のスクールメイト―第12話― | 空華 | 4/15 13:54:34 | 2031cfugNPyUOK282 |
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7820.html←プロローグ(前作他も) http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7843.html←1 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7869.html←2 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7898.html←3 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7923.html←4 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7946.html←5 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7978.html←6 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7999.html←7 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8020.html←8 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8042.html←9 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8064.html←10 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8095.html←11 |
空華 | 4/15 13:55:41 | 2031cfugNPyUOK282||848 | ||
魔方陣が、青みを帯びた光を放つ。 その光は、その場にいる7人と1匹の姿を照らし出し、同時に闇を祓った。 呆気に取られていた晴陽や響が我に返ったとき、そこは元の山だった。 けれども、それまでとはその場の雰囲気が違う。 ――魔物達に、見境が無くなりはじめた。 晴陽達を襲うのは勿論、召還主であるはずのラドまでも、魔物は襲う。 そしてもう1つ、変化があった。 「メア……?」 おそるおそる、といった口調の晴陽が、先ほどからピくりともしないメアに声をかける。 メアは振り向かず、不意にそのまま駆け出した。 あっという間に、夜の薄暗さの中に姿を消してしまう。 |
空華 | 4/15 13:56:14 | 2031cfugNPyUOK282||830 | ||
跳んで来た魔物から逃げながら、晴陽は呆気に取られたような、理解の追い付かない眼で周りを見ていた。 「千冬!」 ジーンが鋭く叫ぶと同時、解っているというように頷いた千冬は、メアの消えた方に姿を消した。 それを見やりながら、エリスが晴陽と響の腕を掴み、引き摺っていく。 驚いて引き摺られるままになった2人を、背後に隠すようにして、ジーンとエリス、ティフが立った。 地の広い範囲に、光として浮かび上がっている魔方陣。その色が、声と同時に変わった。 |
空華 | 4/15 13:57:34 | 2031cfugNPyUOK282||892 | ||
『――――』 それは、少し前にも1度発されたものだった。 晴陽が記憶を辿り思い出したのは、この裏山で魔物の群れと会ったときだ。 その効果は……こちらに来た魔物を、魔界へと還す。 その記憶に間違いは無く、薄黄色に染まった光と共に、魔物の群れは消え去った。 1つ息をつきながら、ジーンが呟くように声を零す。 「おーい……生きてるか……?」 その言葉が向けられた先であろう者に、晴陽は目を向ける。 「……生きてるだろ。立ってるし」 そう呟いたのは、響。疲れたように手放した剣が、重い音を立てて地に落ちる。 |
空華 | 4/15 13:58:59 | 2031cfugNPyUOK282||522 | ||
『恐らく生きている』人物……ラドは、睨むように5人を見返していた。 魔物のせいだろう、衣類は所々破れ、荒れた感が強くなっている。 「どうして、使った?」 「きりが無かったから、かな。おとなしく負けたくなかったし。 メアがいるから、使わないと思ってた?」 ラドの問いとジーンの答え、双方とも晴陽や響には、その意味がわからない。 晴陽が物言いたげに3人の後姿を見る。 気づいたのか、振り返ったのはティフだった。 この状況の中で、穏やかに微笑む。 |
空華 | 4/15 14:1:53 | 2031cfugNPyUOK282||531 | ||
「最初に使ったのは、主従関係を断つ魔法です。 気づかれないよう小細工をして、この場に私が魔方陣を描きました。 この魔法で魔物達はああなり、あれ以上魔物を呼ぶことは危険になりました。 後のは前にも1度使ったものですから、説明は要りませんね?」 「ありがとう。でも、……」 「メアのことだろ?」 ティフの解説に頷き、次いで口篭もった晴陽に、ジーンが背を向けたまま言う。 晴陽は頷き、その後慌てて「うん」と言い添えた。 「メアとオレやエリスとの関係も、まあ主従に近いもんなんだよな。 メアは元々性格の良い奴だから……戻ると思うんだけどな。 千冬に追いかけてもらってるけど、半分ぐらいは賭けだな」 |
空華 | 4/15 14:2:22 | 2031cfugNPyUOK282||214 | ||
やや淡々と語るジーン。 その視線の先で、ラドが静かに息を吐く。 伸びた前髪の下には、今なお睨む冷たい目があった。 「魔物を失った以上、俺に勝ち目は無いってわけだ。 確かに無理だろうな……空間も破れて、魔物も呼べずに、3人相手はね」 彼は、軽く唇を噛む。そうした後、不意に身を投げ出すようにして、その場に座りこんだ。 木を背に、5人を睨み上げる。 「で、どうするわけ?捕らえる?それともどっかに追放する?殺す? 仮にも王位継承者を殺そうとしたんだ、どうせそんなとこだろ?」 投げ出したような、気の無いラドの科白。 彼に言葉を返したのは、ジーンでもエリスでもティフでもなく、晴陽だった。 |
空華 | 4/15 14:4:46 | 2031cfugNPyUOK282||326 | ||
+後書き+ 書いてみるとあまり話が進んでいなかったりして、少し落ちこんでます。 それなりに頑張ったんですけど、どうしても解説が長く……。 前に15話くらいで終わりそう、と書きましたが、もう少し短くなるかもです。 まあ、そんなに変わりません。 ともあれ、あと数話で終わります。 お読み頂き、有難うございました^^ |
特殊文字 by.チビファンタジー 過去ログ : : PS2:GBA:PSP:NDS:GC:XBOX | ||||